Chabangeki
憐太郎「皆さん、今日は集まってもらってありがとうございます!」
凌「珍しいなぁ。憐太郎君の方から俺達を呼び出すなんて(しかも瀬上さん込みで)」
一樹「一体何だろうね。オレと凌と瀬上さん。爾落人、元警察官、日本丸所属…共通点はこれくらいかね」
瀬上「いやいいんだけどさ、これ何の集まりなんだ?」
憐太郎「実は相談したい事があって…。皆さん歳上の女子と付き合ってますよね。菜奈美さんとか綾さんとか」
一樹「そっか、紀子ちゃんはレン君の一個上だったっけ」
瀬上「待て!俺とあいつはそんなんじゃねぇ!」
凌「いやぁ、そんな言い草は菜奈美さんに失礼なんじゃないですか?付き合ってなければ二人で混浴温泉なんて行きますか?寝台列車で旅行して同室で酒なんて飲みますか?どんなに親しくて一緒に行動しているにしても友達としても男女間の友情なんて成立しないんですよ。(身体が)若い男女がずっと一緒にいればどちらかが色気づく、それが人間の必然なんですよ。いや別に瀬上さんを否定しているわけじゃないんですよ。もっと素直になってしまえば…」
一樹「その言い草も菜奈美さんに失礼だと思う」
瀬上「お前、ここぞとばかりに弄りやがって。だけどよ、今はそんな事はどうでもいい。おい宮代!お前もこの括りに入れられてるなんてどういう事だ?」
一樹「実はオレ、結婚してるんすよ」
瀬上「はあぁぁぁ!?」
憐太郎「知らなかったんですか?」
瀬上「知らねぇ!いつだ!?いつ結婚した!?相手は!?」
一樹「日本丸に合流する数十年前からだったかな。歳はオレより2000歳上の…」
凌「ストップ。それ以上は追々描かれるとして、他にも歳上カップルはいたような気がするけど…何で俺らだけなのかな?」
憐太郎「凱吾さんはローシェさんの社会的地位が高くて参考にならないような気がして。他にも一組くらい心当たりはあるんですけど下手すればネタバレになりかねないので割愛しました」
凌「それで俺達三人だけってわけだね」
瀬上「いやこれ宮代にとってもネタバレになるだろ」
一樹「いいのいいの。オレの結婚はネタにする程度だからさほど重要な要素でもないし。ほいでレン君、何かな?」
憐太郎「実はですね…」
僕の小悪魔なお姉ちゃんRを説明中。。。
憐太郎「…というわけなんです」
瀬上「ベッドの下の秘密基地か。で、本当はどこに隠してあるんだ?」
一樹「最近は隠すのが面倒とかで本を持ってる人が少ないみたい。何て言ったってこのご時世はスマホがあればね」
凌「人体の不思議、姉と彼女と一緒に風呂…」
憐太郎「皆さん食いつくところ違いますよ!」
瀬上「俺には姉弟がいないからよく分からないんだが、姉って弟にそういう事するのが当たり前なのか?てことは蒲生家はそんな感じだったのか?」
一樹「ソウデスヨ」
凌「あるわけないでしょう。愛の形は色々だから亜衣琉ちゃんを一蹴するのはできないけど、能登沢家はちょっと特殊なのかな。事情が事情だけど好きな子とその歳で同棲しているのも普通はありえないし」
憐太郎「ですよね…」
瀬上「そこ!同棲って言うワードこそやらしさ二割増しだからな」
一樹「保護者だって家族として一緒に住んでるなら定義が微妙なところだけど」
凌「しかし今時の子は進んでるね。その歳で一緒に風呂に入るなんて。俺の世代じゃとても考えられない」
一樹「この面子だと実現してるのは瀬上さんだけかな。いやぁ、オレ達遅れてるね」
瀬上「だから!俺は!露天風呂だっつってんだろ!露天風呂と自分家の風呂、どっちがやらしいか考えろ!」
憐太郎「えぇ!じゃあ既に僕は…」
凌「混浴だって十分やらしいでしょうよ…」
一樹「まぁまぁ、それで相談ていうのは?」
憐太郎「…」
凌「黙ってちゃ分からないよ?」
憐太郎「…僕は!いつかは紀子と結婚したいんです!そのためにも、もっと恋人らしい事を出来るように頑張らないといけないんです!紀子を悦ばせられる男に!」
凌「」
一樹「あー、何か言わんとしている事が分かる気がする」
瀬上「(その齢で結婚も考えてるなんて胆力あるな…)東條お前どうしたの」
凌「憐太郎君の男らしさに圧倒されました(俺でさえ結婚に踏み切れてないのに…)」
一樹「恋人らしい事ね。…で、どこまでしたの?」
瀬上「お前冷酷か」
憐太郎「この前…ほっぺにチュウされました…」
凌「!」
瀬上「!」
一樹「!」
凌「(これは…まだかなりピュアな段階じゃないか!)」
瀬上「(久しぶりにこんな純粋な目を見たな…って、普段どんだけ歪な人間関係に振り回されてるんだ俺は)」
一樹「(まだ真っさらなんだな。かわいい段階じゃないか)」
一樹「こういうのは慣れだから、場数を踏んでいくのが一番だと思うけどね。何なら人体の不思議延長戦としてオレが色んなお店に連れてってあげ…」
瀬上「お前の言う事は案の定すぎるよ」
憐太郎「待ってください!僕は紀子一筋だからそういうのは…」
一樹「分かった分かった。チャンスは逃さない事だね。家族が出張や旅行でいない時の『今日は家に誰もいないの…』なイベントは必ず…って、既に一緒に住んでるのか」
凌「んんっ、デートとかなら雰囲気の良い場所を調べて行くのがいいかな。学生の内は金銭面からファミレスとかになりがちだから今は気にしなくていいと思うけど、社会人になったら苦労すると思うよ。まぁ今の時代調べるのは簡単だから可能なら下見とか…」
瀬上「お前真面目か!いいかこういうのはな、一緒にいるだけで安心させられる、ありのままの自分を受け入れられる関係さえ築ければいいんだよ。後はどうにでもなる」
凌「うぐ…(悔しいけどその通りかもしれない…伊達に長生きしてないな)」
憐太郎「な…なるほど」
一樹「へぇ、菜奈美さんとは長いだけあって的確なアンサーが出るんすね」
瀬上「お前は黙ってろよ!」
憐太郎「早くも最適解が出た感が…」
凌「え?もう終わり?」
憐太郎「え…え~と、そう言えば皆さんは付き合っている人とは何歳差なんですか?」
一樹「オレと瀬上さんのは2000歳差だよ」
瀬上「だーかーらー!」
憐太郎「2000!?…自分から呼び出しておいて何ですけどちょっと参考になるのか…それだとジェネレーションギャップというか、色々噛み合わないんじゃ…」
一樹「そうでもないかな。爾落人あるあるなんだろうけど、ここまで差があると逆に世代差を感じないっていうか。長生きの人ほどある場所に定住してる人なんてあんまりいないし、旅人が多いから感性がグローバルな人が多いんだよ」
瀬上「そうだな。人種や宗教間の壁を気にする奴なんて一勢力くらいだろうし」
凌「その辺りの話をすると長くなるから話を戻そうか。憐太郎君、俺は綾さんと二歳差だよ」(意訳:二人なんかより俺の方が参考になるよ)
憐太郎「何歳の時から付き合い始めたんですか?」
凌「27歳だね」
瀬上「へぇ…て事は警察官だった時先輩に手ェ出したのか」
一樹「このご時世、数あるハラスメントの中王道を行くセクハラを敢行するなんてさすが主人公ですな!」
凌「こんな時だけ主人公呼ばわりするな!第一、綾さんとは勤務時間外だけでしかピーー【自主規制】してないから!」
憐太郎「え?なんですか、ピーー【自主規制】?」
一樹「それはだね…」
瀬上「やめろ!憐太郎にはまだ早い!」
憐太郎「そ…そうですよね…僕にはまだ早い…」
瀬上「しまっ…」
憐太郎「僕は紀子に恋人らしくできるのかな…」
一樹「(あーあ、瀬上さん失言だなぁ)」
凌「んんっ…男の子だからリードしないといけないっていう気持ちは分かるけど、焦りすぎて自分を見失うのも好きでいてくれている紀子ちゃんに悪いんじゃないかな」
瀬上「そうだな、時間が経たないと進歩しない事だってあるんだから」
一樹「そうそう、男らしくいこうとする意気込みは分かるけど、あまり背伸びしすぎるのも時にはマイナスに見られる事もあるからね」
憐太郎「皆さん…」ぐすん
一樹「まぁお堅いのはナシにしてさ、普通に猥談でいこうよ。レン君に経験を語る的なさ」
瀬上「はぁ?猥談?」
凌「仕方ないなぁ(これは…瀬上さんを出し抜くチャンス!)」
憐太郎「じゃああの…凌さんの恋人、彼氏らしいエピソードを聞いてみたいです。年齢差、環境的に一番参考になりそうなので」
凌「いいよいいよ(どれを話そう…憐太郎君を教育させつつ瀬上さんに敗北感を与えるエピソードは…あれだ!)」
仕事終わりのディナー後
帰り道、綾の賃貸マンション(オートロック)前にて
綾『ここまで送ってくれてありがとう』
凌『いえ』
綾『楽しい時間はすぐに過ぎるなんて言うけれど本当だったみたい』
凌『俺もそう思います』
綾『もうこんな時間ね。終電なくなっちゃったんじゃない?』
凌『いえ、まだ最後の一本が…』
綾『私のせいで終電を逃してしまって申し訳ないわ』
凌『終電まだありま…』
綾『この後はどうするの?』
凌『…どうしようかな』
綾『私の部屋に上がってく?ネカフェかカラオケで始発を待つのも辛いでしょ』
凌『!…じゃあお言葉に甘えて』
瀬上「ん?彼氏…らしい…?」
一樹「あー、ちょっと強引な感じだね。綾さんこういうのなんだ…」
瀬上「いや東條お前これ完全に押されてただろ。異性を受け入れやすくなった憐太郎みたいになってんぞ」
憐太郎「なんだか将来の僕を見ているかのような…」
凌「そうかな?じゃあ…」
休日午前10時半
デート開始30分経過
綾『なんだか歩き疲れたわね』
凌『うん』
綾『どこか座れる場所に行こうか』
凌『じゃああそこのス●バに入りま…』
綾『それよりももう少し行けばホテルがあるから』
凌『…まだお昼前ですよ?』
綾『夜じゃなければダメなのかしら』
凌『(それもそうだな…)』
憐太郎「うん?名前の誤植ですか?」
一樹「なんか台詞が男女逆な気がするね」
瀬上「凌と綾って漢字が似てるからな。きっと間違いだろ」
凌「そのままだけど。原文ママ」
瀬上「いやこれだとお前抱かれる側だろ?なに論破されてるんだ。それもそうだな…じゃねえよ!」
一樹「まな板に置かれた魚的なね」
憐太郎「ますます将来の僕を見ているかのような…」
凌「え?」
一樹「くく…お前、他にはどんなのがあるの?」
凌「えーと…」
週末仕事終わりからの泊り
凌の賃貸マンションにて
綾『新しい下着を買ったの』
凌『見てみたい』
綾『見たければ脱がさないとね』
憐太郎「!」
一樹「これで鼻血拭きな」つ
瀬上「ここまで来るとなんか誘い方が雑だな」
一樹「考えるの面倒くさくなったんすかね」
凌「今の場合、お互い仕事着であるスーツを着ていたんだ。あえて日常的に目にする機会の多い服を着ながら致そうとする背徳感がゾクゾクするよね。それと男女に限らずワイシャツってボタンだから外すのが焦れったいんだ。それを徐々に自分の手で外して脱がしていく高揚感や、俺の表情を見て勝ち誇る綾さんに服従している状況がまた堪らなくて…」
瀬上「いらんわそんな解説」
一樹「お、おう…(とんでもない話を引き出したな…)」
憐太郎「これが…大人の会話…」ゴクリ
瀬上「シラフでよくこんな事を喋れるな…」
凌「あー、憐太郎君には刺激が強かったかな」
憐太郎「だ…大丈夫ですこれくらい!」
一樹「鼻血は止まった?」
憐太郎「はい。じゃあ質問を変えて…(ヘヴィーな話題は避けなきゃ…)やっぱり女の子同じ部屋で寝るのはドキドキしますよね…?」
凌「そりゃするよ。初めてのお泊りで同じべ…瀬上「でもこういうのは男にその気はなくても女の方が意識しまくってたりするんだぜ」
一樹「あー、そういう事あるかも。まだ手を出すには早いと思ってても、向こうは既にOKだったりするからね」
凌「デートを何回重ねればお泊りOKなのか、女の子によっては回数が様々だけど平均で言えば…」
瀬上「おいそれ、憐太郎に言っても仕方ない話じゃないか?」
凌「ぐ…(そういえばそうだ…既に紀子ちゃんと同棲している以上は…)」
憐太郎「いや、僕の場合何でも参考になりますから!色んな話を聞かせてください!」
凌「憐太郎君…」ぐすん
一樹「そういえば瀬上さんて旅でホテルや旅館を利用するのが多いから羨ましい!毎回フレッシュな気分でしょう?」
瀬上「…あれ本当にいらない配慮なんだが、風呂上がりに浴衣で帰ってきたら布団が隣り合って敷いてあるのは最初驚いたぜ」
一樹「ちょっと離して敷いてあるのも逆に意識してるようで困るんじゃないすか?」
凌「いやいや、実年齢はともかく若い男女が同じ部屋を取れば仲居さんだって忖度するでしょ。察するでしょ。サービスするでしょ」
瀬上「あぁ?いちいち二部屋取ってたら旅費が馬鹿にならないだろうが」
凌「旅費を言い訳にされる菜奈美さんが不憫ですよ。変なところで意地を張るなんて男らしくない」
瀬上「お前…今日は妙に攻撃的じゃねえか」
凌「素直になった方が楽だと言ってるんですよ。憐太郎君のように、素直に愛を叫べていればどれだけ潔いか。見習ったらどうですか」
瀬上「こいつ…」
凌「憐太郎君、瀬上さんみたいに捻くれちゃいけないよ。愛情表現は大事だからね」
一樹「そうじゃないと、相手が不安になっちゃうんだ。女の子って愛を確かめたがるからさ」
憐太郎「愛情表現…ですか?いまいちピンと来ないなぁ」
一樹「愛情表現は人それぞれだけど手っ取り早いのは『好きだよ』とか『愛してる』とか言葉に出して言う事だね」
憐太郎「そ、それは!…たまに言ってますけど…」
瀬上「なっ…」
凌「おやおやどうされました瀬上さん?俺なんかより幾多の修羅場を潜り抜けてきた電磁の爾落人にも怖いものがありましたか?」
瀬上「お前…言えるわそんくらい!」
憐太郎「……」
一樹「……」
凌「……」
瀬上「ぐっ……」
憐太郎「……」
一樹「……どうぞ」
凌「……さぁお早く」
瀬上「な…み…ぁ…してる…」
凌「さぁ?聞こえませんねぇ!」
憐太郎「あのぉ…瀬上さん…」
瀬上「くっ…菜奈美!愛してる!…これでどうだ!」
菜奈美「え?」
綾「え」
凌「え?」
瀬上「は?」
菜奈美「今なんて…」
瀬上「お前…なんでここにいるんだ?」
憐太郎「あー、言うのを忘れてたんですけど、菜奈美さんと綾さんにも話を聞いてもらおうと呼んでいたんです。後で会う予定だったけど男性陣の話が長引いたからバッティングしちゃって…」
瀬上「なん…だと…」
菜奈美「ちょっと…皆の前で恥ずかしいじゃない…」
瀬上「恥じらってんじゃねぇ!」
一樹「この見せつけてられてる感ね」
憐太郎「これまでにないくらい菜奈美さんが満足そうな顔してる…」
一樹「レン君、凌を見てみて」
綾「…」
凌「あの…どこから聞いてました…?」
綾「全部よ」
凌「えぇ!?」
綾「ちょうど今、菜奈美さんの力で時間を遡って帰ってきたところなの。私達の恥ずかしい話を嬉々と語って楽しそうだったわね」
凌「うぅ…」
綾「あんな話やこんな話、まるで私まで丸裸にされた気分だわ」
凌「すいません…」
綾「男の人は平気であんな話題を話すのね。暴露される側の気持ちを考えたのかしら?まだこれからの憐太郎君の教育にもよろしくないし」
凌「…何でもしますから…」
綾「…どうしようかしらね」
凌「うぅ…」
綾「…本当に何でもする?」
菜奈美「それくらいにしてあげればどうかしら?反省してるみたいだし。凌君はちゃんと言葉にして言うみたいだしね」
綾「でも恥ずかしがってあまり言いたがらないかしら。それを言わせるのも楽しみだけど。でも自分からも要所要所ではちゃんと言ってくるから及第点ね。菜奈美さんは言ってもらえないのかしら?」
菜奈美「全然!あいつの口から今まで聞いた事もないの!」
瀬上「何回かは言っただろ!」
菜奈美「忘れるくらい前の話でしょ!でももういいもん!」
瀬上『菜奈美!愛してる!』
瀬上「てめぇ!俺の時間巻き戻したな!」
菜奈美「そうよ!今まで蚊の鳴くような声でしか言わなかったし、これで私の溜飲も下がるってもんだわ!」
一樹「レン君、彼氏として一番必要な事はね、危機管理能力だよ」
憐太郎「危機管理?」
一樹「言い換えれば危険予測だね。考えてもごらん、「G」クロ女子は男勝りな子が多いじゃない?そんな女の子と上手くやっていくには相当な実力がいるんだ。例え銀河さんばりに強力な爾落人でも振り回される時はされるがままなんだ」
憐太郎「そ…そうです」
一樹「車の運転と同じ。状況判断と危険予測。いかにして可能性を潰して危機を回避していくか。その一言に尽きるわけなのよ。瀬上さんと凌もね、その辺りは同レベルだからあんな事になるんだけど」
憐太郎「勉強になります…」
一樹「(まぁ、亜衣琉ちゃんの場合は何枚も上手そうだから今のレン君に回避は難しいと思うけどね)あー、楽しいな」
憐太郎「何がですか?」
一樹「自分より強い爾落人が尻に敷かれているサマがだよ」
瀬上『菜奈美!愛してる!』
瀬上『菜奈美!愛してる!』
瀬上『菜奈美!愛してる!』
瀬上『菜奈美!愛してる!』
瀬上『菜奈美!愛してる!』
瀬上「って、もうやめろぉぉ!」
fin