‐GREATEST‐応の超獣と七体の大怪獣







そして、志真達が転送装置を使って巫子達の所へ向かったビルの一室に、「彼女」が戻って来ていた。
耳には彼女が結晶を元に「想造」した、インファント島の紋章が描かれた耳飾りが付いており、これで志真達にメッセージを送っていたようだ。
更にその隣には「もう1人」の・・・正しくは「G」の世界から来た隼薙・弦義、加えて福江島に現れた少女・チェリィがいる。



『はい♪猫ちゃん達、お返しするね~。』
『タマ、ミケ、クロ!みんな、げんきデスね!』
『緊急事態が起こったから、ちょっとだけ戦わせちゃったけど・・・ごめんね。』
『ううん。べつにけがもしてないし、だいじょぶデス。』
「んじゃあ、さっさと元の世界に帰るぞ!お前の実験に巻き込まれたせいで、半年も別の世界にいる羽目になったじゃねぇか!」
「俺は元々、終わりの無い世界を巡る旅をしていた。だから問題は無い。」
「お前は問題無くても、こっちは問題あんだよ!妹の穂野香を放っておきっぱなしのままなんて、耐えられるか!」
『確かに穂野香様の事は心配だ。しかし、転移に支障があれば隼薙は置いて行って構いません、主。』
「おい、アーク!お前が勝手に決めんじゃねぇ!」
『ワタシもそろそろかえりたいデス。ガバラたちもまってるデス!』
『そうだね~。でも今のところディメンション・タイドを使ったら変な事が起こるかもしれないんだよねぇ・・・むしろ、その時に起こる次元の歪みを攻撃に使えそう!それこそ、ブラックホールが作れちゃうかも!』
「いいから戻れんのか、そうじゃねぇのかどっちなんだよ!」
『う~ん、リスクの方が高いしやめよっか♪新しい装置を造った方が良さそうだし、もうちょっとこの世界も楽しみたいしね☆』
「マジかよ・・・」
「なら、俺は京都に残ろう。向こうでは壊滅してしまったが、こちらではまだ健在だ。目に焼き付いておきたい。」
『それにこういう「ワープ」って、もどってきたらあんまりじかんがすすんでなかったとか、よくあるはなしデス!』
『新しい装置、どんなのにしよっかな~?やっぱり先に「時間」と「空間」の子に会っとくべきだったかなぁ~?』
「では、俺は壊滅する前の京都をこの目で見て来る。」
『穂野香様なら大丈夫だ。元の世界に帰りたいのなら、主の邪魔をしないように私達もこの場を離れるぞ。隼薙。』
「わあったよ!はぁ、早くお前の所に帰りたいぜ、穂野香・・・」
『ワタシもいっしょにいくデス!みんなできょうとかんこうデス~♪』
「お、おい!俺はまた岩屋寺に行きてぇんだって・・・」
「あいにく、俺はその寺に今は興味は無い・・・静かに京を巡りたかったが、今はお前達と行動を共にするのも、悪くは無いかもしれない。」
『それでは、暫くの間私達は外に出ます。食事に行きたいなど、何かあればその思念伝達装置で知らせて下さい。』
『じゃあ、いってくるデス~!』
『うん!行ってらっしゃ~いっ☆』



3人は部屋を出て行き、残された「彼女」は新しい次元転移装置のイメージを思案し始める。
これまで幾多の物を造って来た「彼女」にとっても、今回の発明は屈指の難題であった。
だが、それとは逆に「彼女」の頭は爆発しそうな程のインスピレーションと、発明意欲に湧いていた。



『さぁ~て♪絶対に造ってみせるわよ~!だってあたしは「創造」の芸術家にして、「G」を求め続ける探求家のパレッタだもんね☆』



西暦1020年に「想造」と、先天性の「G」使いである不老の者「爾落人(じらくびと)」として目覚め、数々の通り名を使いながら千年もの間、世界中の「G」を探求し続け・・・今もなお、好奇心のままに飽くなき「G」への探求の日々を生きる、「彼女」の本名はパレッタ。
今もまた、彼女の好奇心を具現化する「想造」の時が始まった・・・







「ただいま、父さん。」
「樹!よく無事で帰って来た・・・!」



『つるぎ!ただいま~!』
「おかえり、ジュリア。」



「お兄ちゃん!ただいま!」
「ほ、穂野香~っ!」



そして、巫子達はそれぞれのありふれた日常に戻って行った。
しかし、再び世界を脅かす存在が現れた時、巫子達は平和の為に立ち上がるであろう。
東西南北を守る獣・四神と共に・・・



「レン。いつか、ガメラが守護神じゃなくていいくらい、平和な時代が来るといいね。」
「うん。でも、ガメラはずっと僕達の友達だし、僕はいつまでも君の隣にいるよ。紀子。
さっ、帰ろう。僕達の家に・・・」



ヴォウァァァァォォオン・・・!






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好釦