‐GREATEST‐応の超獣と七体の大怪獣




「・・・終わったのね。」
「あぁ。勝ったんだ、あいつらが。」



ディガァァァァァァァァオオン・・・


グウィゥゥゥゥゥゥゥゥウウン・・・


カクィォォォォォォオン・・・


ヴォウァァァァォォオン・・・


ギャァオォォォォ・・・


ヌゥガァゥゥゥ・・・


グウィウォォォォォウン・・・



街に平和が戻り、七体の大怪獣は勝利の咆哮を上げた。
それを背にして、巫子達と志真達がGnosis達の元へ歩み戻って行く。



「「い、やったぁ~~っ!!」」
「この激闘・・・駄目だ、メモしようにも、しきれない!どうすればいいんだ!」
「深呼吸しなさい、蓮浦さん。過呼吸みたいになってるわよ。嬉しいのは分かるけどね。」
「大怪獣軍団の勝利だ!やったぞ!弟よ!」
「うん!やっぱり怪獣って凄いよ、兄者!」



「やったな、みんな。」
「はい。僕達の手で、平和を守れました・・・」
「みんな、ごめんなさい。士気を削ぐような事を言ってしまって。でも私、どうしても・・・」
「いや、遥ちゃんのお陰で気付けたよ。ゴジラ達はあくまで、平和の為に戦ってるんだって。」
「力を振りかざすだけではただの暴力と同じだ。黄龍と変わらない。」
「妃羽菜さんは、『愛』の信念を貫いただけです。ボク達にも黄龍にも、分け隔てなく。やはり貴女は、強い人です。」
「私達は黄龍を倒す事に必死だったし、それしか考えて無かった。でも、私達まで優しさを失ったら駄目よね。頭を冷やせたし、逆にありがとう。遥。」
『はるかって、やさしいね!はるかのこえをきいて、わたしたちもあったかくなったよ!』

――わたくし達もガイアを哀れむ事もせず、敵としか見ていませんでした・・・
心底恥ずかしく思うと共に、それを教えて下さった遥様に心から感謝致します。

「遥さんの言葉があったから、僕も怒りだけであいつを倒さずに済みました。」
「黄龍も、最後は安らかに消えて行ったように見えました。だから、気にしないで下さいね。遥さん。」



黄龍に情けをかけた自分を戒める遥に寄せられた、晴れやかな顔をした仲間達からの言葉。
感極まるあまり涙を流しそうになりつつ、遥は彼らを心配させない為に、精一杯の微笑みを見せるのだった。



「みんな・・・ありがとう。」






『みんな、おかえり~!お疲れ様だね☆』
「全く、信じられん事の連続だったな・・・色々な理由で頭が痛い。」
「そんな事を言わずに、瞬さん!バランもあなたもかっこ良かったですよ!」
「おっ、いいねぇ!この色男!」
「うるさい。」
「・・・!」

――・・・あの、穂野香。
蓮浦様が何やらわたくしを見ながら、ずっと書き取りをしていらっしゃるようなのですが・・・?

「えっと、気にしない方がいいかも・・・特にアンバーは。」



「引田さん、岸田さん。只今戻りました。」
「本当に頑張ったわね。樹さんも遥さんも。」
「男の顔になったな、樹君!誰がなんと言おうと、君は男の中の男や!」
「そ、そんな。」
「もう、岸田さんったら樹さんが困っているじゃない。それにいい加減、関西弁過ぎよ!めっ!」
「ちょ、ちょっと深紗さん!それはっ!頭をヒヤシンスして下さい、お願いしますっ!」
「妃羽菜さん、何で岸田さんはあんなに『めっ!』を恐れているんでしょうか?」
「な、なんでだろうね。トラウマがあるの・・・かな?」



『たっだいま~!』
「おかえり、ジュリアちゃん。」
「挫けそうでも、信じる事さ!最後に愛は勝つ!その通りだな!」
「・・・懐メロ?」
「ジュリアちゃんが絶対分からないような古いネタを使って、勝手に納得しないでよ、兄者・・・」
『でも、わたしもマンダもぜったいまけないっておもってたから、みんなのところにかえれたんだよね!』
「そうだ。その気持ちがあるジュリアちゃんが巫子だったから、マンダも勝てたんだ。約束通り、あとでゴジラと話しながら色んな所を回ろうな。」
『やった~♪』



「よくやったな、レン。紀子。これでお前らも、黄龍との因縁から解放されるってわけだ。」
「もう2人が傷付く必要は無いわ。普通の中学生に戻っても・・・」
「ううん。またみんなを脅かす存在が現れたら、僕と紀子はガメラの力になるよ。」
「他の巫子も同じ思いよ。だって、私達は神様に選ばれた『巫子』で、みんなを守り続けたいって言う意志があるの。」
「・・・そう。それなら私達は止めないわ。」
「だが、お前らにはオレ達がいる。オレ達もどこまでも付き合うぜ。」
「「うん!」」






グルルルル・・・


グァヴウゥゥゥン・・・



夕日を背にして、ゴジラとガメラはお互いの顔を向き合せ、固く強い握手を交わす。
それはこの世界を愛し、守る為に戦った大怪獣と守護神による、賛美と感謝と絆の印であった。
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好釦