‐GREATEST‐応の超獣と七体の大怪獣




怪獣達が巫子達から、志真達から力を受け取り、それは怪獣達すら見えなくなる程の勢いを持つ、七色の煌めきとして現れる。
そんな中、遥はこの直前にファンロンに投げかけた、一つの質問に関する回答を思い出していた。
どれだけ傷付き、倒れ、自我を失ってもなお破壊を止めない黄龍を見続ける内に感じた、ある「感情」が生んだ疑問の答えを・・・






『あの、何故黄龍は突然「雷」の元素や暴走してまで、八咫鏡を使ったのでしょうか?』
『四神は黄龍の体から出来てるらしいから、それの恨みもあるだろうけど、あらゆるものと戦って壊したいって言う本能。それに尽きると思うわ。試作品だから、ちゃんとした自意識や心はそんなに無いだろうし、本能に従った結果ね。」
『そう、ですか・・・分かりました。』






「行くぜ、遥ちゃん!瞬!」
「モスラ・・・!」
「バラン!」
「ゴジラーーーーッ!!今度こそ往生しやがれぇ!!黄龍っ!!」



この場にいる全ての者達の思いと共に、七色の光は光線状となって黄龍へと向かって行き、ブラックホールごと黄龍を光に包み込んで行く。



ギャァヴォァァァァオォォン・・・!






――・・・可哀想な黄龍。
いえ・・・ガイア。
力だけ与えられて、全部壊す事でしか自分の存在を示せない。
ちゃんと「心」もあげていたなら、四神みたいになれたはずなのに・・・今も昔も、人間は勝手だよね・・・

――妃羽菜・・・?

――でも、あなたがした事は許されない。
あなたは街を壊して、たくさんの人の命を奪った。
ゴジラ達を、仲間になれた筈のガメラ達を、巫子のみんなを傷付けた。
だから・・・私達が、あなたを眠らせる!
あなたの破壊は怒りと、悲しみを生み続けるだけなの・・・もう、あなたが何も壊さないように・・・!

――遥ちゃん・・・

――これが、「愛」の結晶を託されるって事なのね・・・遥。

――あたたかい。
でもきっと、その愛は届くと思います。

――黄龍って、かなしいかいじゅうだったんだね・・・

――私達、そんな事を考えもしなかった・・・

――・・・僕はまだ、黄龍を許せないけど・・・僕は誤解したまま、憎しみのまま倒したくない。
だって、ガメラはみんなの守護神なんだから。

――レン・・・!うん。
黄龍を、破壊の苦しみから解放しよう!

――全く、妃羽菜らしい。

――けど、それが妃羽菜遥って言う子なんだ。
俺達もそれに応える!

――さぁ、ガイア!

――ボク達の!

――このちからで!

――安らかに眠りなさい!

――お前の事を、忘れはしない!

――だから・・・っ!






「「いっ、けえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」」



ヴォウァァァァォォオン・・・


ディガァァァァァァァァオオン・・・



志真と憐太郎の絶叫が、ゴジラとガメラの咆哮が橿原の街にこだまし、七色の光が消えると同時に空に途方もない衝撃が響く。
そして、対消滅によってその衝撃と化した黄龍の姿は何処にもなかった。
その最期は、未練を残す事なく人生の最後を迎え、誰かの祝福と愛と共に天に召されて行った者のような、安らかな表情をしているようにも見えた・・・



・・・ヌゥガァウォォォォウ・・・



・・・ギャァヴォァァァ・・・オォォォォ・・・
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好釦