‐GREATEST‐応の超獣と七体の大怪獣




ディガァァァァァァァァオオン・・・


ヴォウァァァァォォオン・・・



ゴジラとガメラの咆哮を合図に、七大怪獣の猛攻は始まった。
黄龍は雷電光線を発射するが、それをゴジラの熱線とガメラの火炎が受け止める。



「ゴジラ!」
「「ガメラ!」」



熱線だけでは押し負けてしまった雷電光線も、ガメラの火炎が加わる事でみるみるうちに押し込んで行き、軽々と打ち勝って黄龍にカウンターアタックを与える。
怯んだ黄龍をモスラの光子ネットが捕らえ、ギャオスの閃光が黄龍の全身を攻撃する間に、ゴジラとガメラは黄龍に歩み寄って行く。



カクィォォォォォォオン・・・



ゴジラとガメラが近距離戦を挑もうとしていると察した黄龍は大地の鎧を纏おうとするも、モスラ・バラン・アンバーの風がそれを許さず、更に槍状になったギャオスの突撃とマンダの噴水流を受けた隙にゴジラとガメラは黄龍と距離を詰める。
二体は怪力で黄龍を押して突き離し、ゴジラが尾を叩き付け、続けてガメラは両肘から出した刃のような骨「エルボー・クロー」で勾玉ごと黄龍の胸を切り付けた。
これに怒った黄龍は尾を水に変え、ガメラとゴジラを攻撃しようとする。



「あの攻撃、もしかしたら・・・バラン、岩流を使え!青龍は『地』の元素でコーティングして防げ!」
『えっ!?う、うん!』



グウィゥゥゥゥゥゥゥゥウウン・・・



瞬の指示でバランは地面を両手で叩いて岩塊を出し、マンダは硬質化して尾をぶつける事で黄龍の攻撃を防ぐ。
黄龍の尾はバランの岩塊と、「地」の元素に包まれたマンダの尾に当たるやすぐに液状化が溶け、黄龍は翼を広げて今度はバランとマンダに突風を浴びせようとした。



「・・・そうだ、モスラだって色んな力を使えるわ!モスラ、『ファイヤー』体に変身して!」



カグィィィィオウン・・・



遥のひらめきを聞き、モスラは体を炎に包んで「ファイヤー」体に変化すると、ガメラの火炎噴射に合わせて火球を発射し、黄龍の両翼を攻撃して突風を阻止する。



「そうか!モスラも大地の力を借りて形態変化が出来るんだ!」
『他の怪獣達に比べたら、モスラは最も四神に近い存在かもね。調べ甲斐があるかも♪』



黄龍は勾玉状エネルギーを二重で出し、両手に持ってガメラとモスラに投げつける。
それに対してガメラは甲羅に隠れて受け止め、モスラは「フェアリー」体になって回避する事で対策を取り、小さくなったモスラは黄龍の背後に回り込む。



クィキウィィン・・・



「あれ、モスラがいなくなった・・・?」
「紀子、モスラならあそこにいるよ。小型になって攻撃を避けて、不意を突こうとしているんだ。」



再びゴジラとガメラが黄龍を押さえ付け、バランとアンバーはお互いに皮膜を広げて飛び上がり、空気を吸い込む。



――バラン。こうして同族と出会い、同じ志を持って共に戦える事が、わたくしは心から嬉しく思います。
・・・えっ?正義の為に戦っているわけでは無い、と?
ふふっ、分かっております。ですが、その返答は穂野香曰わくは「ツンデレ」と言うらしいですよ?
・・・すみません、つい口が過ぎてしまいました。とにもかくにも、今は力を合わせて黄龍を倒しましょう!



同族同士の会話を挟み、バランとアンバーは真空圧弾を発射した。
先にアンバーの弾丸が牽制代わりに黄龍の首元に当たり、続けてバランの弾丸が同じ箇所を突く。
黄龍はよろめき、そこへガメラのバーナーが追い打ちを加え、黄龍を転倒させた。



「やった!バラノポーダ同士の攻撃、抜群のコンビネーションですね!瞬さん!」
「そうだな・・・!」



ヌゥガァウォォォォウン・・・



なおも起き上がる黄龍は四大元素の波動を放って怪獣達を後退させ、飛翔してバランとアンバーに火球を放つ。



クィオオオオオオン・・・



だが、それは「ノーマル」体を介した「アクア」体になったモスラとマンダの水流によって打ち消され、ジェット噴射で飛んだガメラとギャオスが黄龍を追う。



「くそ、あいつ空飛びやがって・・・これじゃあゴジラが攻撃しにくいじゃねぇか・・・いいなぁ、ガメラ。」
『マンダもおいてきぼり・・・あっ!そうだ!それならこっちもとんじゃおうよ!』
「えっ?」
『いっくよ~!マンダ!』



ヌゥガァゥゥゥ・・・



マンダは尾を振るわせ、これまでに無い勢いの激流を地下水脈から引き出すと、自身とゴジラを激流で覆い、空中目掛けて発射した。
ゴジラとマンダは水中を泳ぐように空を飛び、ペットボトルミサイルの如く、放射線を描きながら黄龍を目指す。



「そう言う事か!ナイス、ジュリアちゃん!」
『よ~し!ガメラ!ギャオス!よけて~っ!!』
「これがゴジラとマンダ流、アクアジェットだぁ~っ!!」



慌ててガメラとギャオスは回避し、二体はそのまま黄龍と激突。
重力のままに黄龍を地面に叩き付け、ゴジラは更にぶつかりざまに体を回転させ、背鰭で黄龍に傷を付けた。



「お前達はまた無茶な事を・・・」
「だってさ、飛べる連中だけで空中戦なんて卑怯だろ?」



墜落した黄龍へゴジラが殴り掛かり、マンダは尾に噛み付いて攻撃する。
しかし、黄龍は二体を力ずくで振り払い、ゴジラ目掛けて地割れ攻撃を向かわせながら胸の勾玉を光らせ、マンダへ雷電光線を発射しようとする。



「ゴジラはやらせない!アンバー!ゴジラを風で守って!」



グウィウォォォォォウン・・・



地割れ攻撃に対しては、アンバーがゴジラの周囲に気流の壁を張り、ゴジラも右足でコンクリートを踏みつけ、グランド・プレスで地割れの勢いを軽減する。
地割れも全てアンバーの気流に受け流され、ゴジラにダメージはなかった。



「ギャオス、モスラと一緒にあの光線を阻止するんだ!」



雷電光線の方はモスラが黄龍に鱗粉を撒き、すかさずギャオスが閃光を鱗粉に向けて発射し、閃光を鱗粉に乱反射させて黄龍の全身を攻撃する事で防いだ。
直角に反射する閃光は黄龍の体の至る箇所に傷を付け、黄龍は苦しみながらも、四元素の波動を放とうとする。



「四大元素には、四大元素で対抗しよう!」
「ガメラ、火炎噴射だ!」
「アンバー!ギャオスと一緒に風の一撃よ!」
「頼む、ギャオス!」
『マンダ!やっちゃえ!』
「モスラ!もう一度、水の攻撃をお願い!」
「バラン、お前は岩流を使え!」
「行けっ、ゴジラ!グランド・プレスだぁっ!!」



四大元素を斉射しようとする黄龍をガメラの火炎、アンバーと風とそれに乗せたギャオスの鎌鼬、マンダとアクアモスラの水流、そしてゴジラの震撃とバランの岩塊が飲み込んだ。
黄龍の体は四元素の暴発による爆発に巻き込まれ、黄龍は悲鳴を上げる。



「っしゃあ!」
「もう、験司ったら子供みたいにはしゃいじゃって・・・男子全員か。」
「そうね。特に岸田さんは関西弁どころか、素に戻り過ぎているわ。」
「やったれ!あともう一発、かましたるんや!」
「決まったぁ!いける、これはいけるぜぇ!」
「数だけでは無い、怪獣達と彼らの気迫が黄龍を押している!」
「負ける気がしないね、兄者!」
「そうだ!悪は必ず滅びる!そして正義のヒーローは絶対に負けないんだ!!」
『いつまで経っても、男って男の子のままだよねぇ~。』


――気になる事はあるけど・・・黄龍にはこのまま勝てそうだね♪



ガァウィウォゥゥ・・・



「よし、だいぶ弱って来たな。」
「これでようやく、戦いが終わるのですね・・・」
「とどめだ!ゴジラ!」
「「ガメラ・・・!」」
「私達の・・・!」
「思いを!」
『力にっ!!』



ゴジラとガメラが黄龍の前に並び立ち、ゴジラは背鰭をより青く光らせ、ガメラは全身を紅蓮の炎に染めて行く。
その間に液状化したマンダが黄龍を激流で押し上げ、尾を叩き付けて黄龍を空へ弾き飛ばす。
そこへアンバーの旋風が黄龍を包み、バランの真空圧弾が旋風に反射しながら何度も黄龍の全身を襲う。
更に槍となったギャオスが黄龍に旋回突撃し、突撃を阻止する翼を突き破って黄龍を地面に叩き付け、続けてモスラの鱗粉が黄龍をその場に固定させる。



「僕と紀子の!」
「私とレンの!」
「「想いをその手に!」」



憐太郎と紀子の意志がガメラの力に相乗し、それを示すように2人を包む緑の光が空へ伸びて行く。
ガメラは全ての力を炎に変え、両手に集めて重ね合わせると、空に掲げる。
すると両手から凄まじい猛火が吹き上がり、まるで天空を貫くかの如き炎の柱が出来上がった。



「ゴジラ!ハイパー・スパイラル熱線だっ!!」
「バニシング、スォーーーーードッ!!」



そして、ゴジラは素早く一回転して「ハイパー・スパイラル熱線」を放ち、ガメラは「バニシング・スォード」を黄龍に叩き付けた。
青い螺旋の熱線と、赤い猛火の大剣が黄龍を飲み込み、後に残ったのはボロボロになった黄龍だけであった。



ギャォグゥゥゥン・・・



最後まで戦う意志を見せながら黄龍は地に伏し、森羅万象の超獣は遂に敗れ去ったのだった。
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好釦