‐GREATEST‐応の超獣と七体の大怪獣








ヌゥガァウォォォォウン・・・



奈良・橿原市。
バイラス円盤を完全に破壊した黄龍は、四神全員を標的に入れ、再び波動を放とうとしていた。
新たなる神の獣を作る為、自らを作った者達に鱗を、体毛を、甲羅を、翼を奪われ、その激怒からの破壊の末に、奪われたパーツから生まれた片割れ達・・・後に「四神」と呼ばれる四体の獣によって、深淵の底に封じられた太古の昔。
何者かによって再び目を覚まされるまでずっと、黄龍は自分を封じ込めたあの片割れ達への復讐の時を、再び破壊の衝動のままに振る舞える時を待ち続けていた。
そしてそれが今、達成されようとしていた。



「まずい、黄龍が動き出した!」
「ですがまだ、モスラ達の存在が・・・!」
「それでもやるんだっ!0.1秒でも早く、あいつらを見つけるんだあっ!!」



だが、黄龍の理不尽な暴威を許さない者達がここにいた。
黄龍を倒す為、志真達は黄龍によって引き裂かれた「絆」を取り戻そうとする。



「くううっ・・・!」
「紀子の分まで、せめて僕が・・・はっ!微かにだけど聞こえた、紀子!」
「ええ!間違いない、この叫びは・・・!でも、もう時間が無い・・・!頑張って、ガメラ・・・!」



グァヴウゥゥゥン・・・



志真達に力を貸す憐太郎と紀子はとても小さくも、力強い三つの叫びを結晶の中から聞いた。
無論、それは他の巫子達にも聞こえ、阻む黄龍の雷を跳ね返さん勢いで、彼女達は力の限りを尽くす。



「もう、ちょっとなんだ!諦める、ものか!!」
「届いてっ!私達のこの思い!!」
『ゴジラ!バラン!モスラ!おねがい、おきてーーっ!!』










・・・!

・・・!

・・・!



――っ・・・!!
俺にも聞こえたぜ・・・お前の声が!
もっと強くだ!もっと、力強く叫べ!ゴジラ!


――そこにいるんだろう、答えろ・・・!バラン!


――モスラ・・・私の声を聞いて!
私達の言葉に、耳を傾けて!






・・・ァァオン・・・

・・・ゥゥウン・・・

・・・クィォオ・・・



――モスラ、今この世界を守る怪獣と子供達が、あなたの助けを求めてるの。
あの龍によって、世界が滅ぼされようとしている・・・だからお願い、今こそあなたの力を貸して!


――・・・バラン、このまま地の底で消えて行くお前では無いはずだ。
今、四神と巫子がお前をそこから出してくれる。
だから、あの龍を山神の誇りに賭けて、倒してみせろ!


――・・・チャイルドが、俺が、みんながいるこの世界を・・・あんな龍の好きになんてさせたくねぇよな。
今、お前の為に力を貸してくれてる怪獣達が、少年少女達がいる。
俺はそいつらの思いを、頑張りを、無駄にしたくない。
だから、立ってくれ。
もう一度だけ、戦ってくれ。
あいつらが、俺が、そしてお前がいれば!絶対に負けない!
だろ・・・ゴジラ!






「こんのぉっ・・・!!お前が、どれだけ強く押さえつけても、僕達は、絶対!諦めたりなんてしないっ!!お前なんかに、負けないぞぉぉぉぉっ!!」
「・・・今ですっ!志真さん!瞬さん!遥さん!」
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好釦