拍手短編集







この短編を見ている皆様、本当にお久しぶりです。ジャバンテレビアナウンサーのホニャララです。
2010年振り返り短編以来、2年8ヶ月振りの登場となりますが・・・えっと、その辺りの事は黙示録扱いとなっておりますので、無闇に掘り返さない方がよろしいかと思います・・・本当に。



さて、気を取り直しまして私は現在2019年9月の「「G」chronicle」世界、愛媛県・岩屋寺前に来ています。
いやぁ、この石段を見ているだけで悟りが開けそうな雰囲気です・・・
今回私は巷で有名なフリーの運送屋「RuRi」の仕事に同行して頂く事になり、ついでに「あの質問」をしてみようと思います。
なお、プライバシー保護の為に以降は音声のみとさせて・・・あっ、来ました!



『どうも~♪貴方がホニャララさんですね?私が「RuRi」代表のラピス・F(フォルス)・スピリーズです♪』
『わたしは妹のラズリー・T(ティエル)・スピリーズです。お姉ちゃんのお手伝いをしてます。』
「ジャバンテレビのホニャララです。ラピスさん、ラズリーさん。今日は宜しくお願いします。しかし、本当に貴方達姉妹だけで運営しているのですね。」
『その方が色々と楽ですので♪さぁ、では早速行きましょうか。』






「・・・と、言うわけで私はトラックの後部座席にいるのですが、まさかあの岩屋寺駐車場までの狭い住宅道をトラックで通るとは・・・」
『これくらい、お姉ちゃんの「そーだぎじゅつ」なら楽勝ですよ。』
『あら?ラズリーったらソーダが飲みたいの?』
『「操舵技術」、だよっ!』
『そう♪それは失礼しました~。』
「お2人とも、仲が良さそうですね。ところで、今は何処に向かっているのですか?」
『京都の臥龍町です。』
「臥龍町?」
『そこ、最近アクアマ・・・アクアリ?とにかくおっきな水族館が出来て、京都の新しい観光スポットになってるとこなんです。あぁ~、わたしも行きたいなぁ~。』
『そうねぇ・・・折角京都まで行くんだし、この依頼が終わったら行ってみましょ♪ラズリー。』
『やった~!ありがと、お姉ちゃん!』
「それは興味深いですね。その水族館はそんなに有名な場所なのですか?」
『はい♪名前は「アクアマリン・アクアリウム」。様々な水の生物の展示と、受付のカヲルさんが有名ですね。でも、今は「ダガーラ事件」で有名かも。』
「ダガーラ?」
『なんでも、アトランティスより前に存在した「ニライ・カナイ」と言う文明が国を守る為に造り出した巨大「G」で、約一ヶ月前にそのダガーラが水族館に現れたんです。』
「なるほど・・・」


――えっと、「G」クロ超全集は・・・あっ、ありました。
2019年・8月、「アクアマリン・アクアリウム」で爆破テロが発生。それに怒った青年・浅月戴波が・・・


『う~ん!こう話してたらあたしも水族館に行きたくなって来たわ!それなら飛ばして行くわよ!』
『わぁ~っ!お姉ちゃん、いきなり加速しないでよぉ~!』
「こ、こんなにスピード出して大丈夫なんですかラピスさん!?」
『大丈夫♪法定ギリギリ速度で走ってますから~。』
『もう!そう言うもんだいじゃないよ~っ!』
「ひ、ひとまずこのタイミングですが、例の質問に参ります!無人島に一つ、持って行くと・・・」

[・ラズリーさんの回答『わたしは・・・そう、このふでっ!』]






「・・・さて、ラピスさんの法定ギリギリ速度運転により、あっという間に高知県を抜けてしまいました。流石の操舵技術です・・・んっ?ラズリーさん、絵を描いているのですか?」
『はい。これは次のコンクール用のイラストで、「シダール弾きのカルナ」をイメージしたイラストなんですよ~。』
「『シダール弾きのカルナ』?」
『あれ?しらないんですか?インドの童話で、平和の国「スーリヤ」をぶたいに幼なじみのカルナとウシャスが力をあわせて、アグニ国の「邪龍」のガジャ・ナーガにたちむかうファンタジーな童話なんですよ~。それで、さいごはカルナとウシャスがむすばれて・・・』
『ラズリー、熱くなってるとこ悪いけど、その話を全く知らない人にネタバレしちゃっていいの?』
『はうっ!』
『それにその童話、元になった伝説から結構改変されてる事で有名なのよね。本当はガジャ・ナーガはアグニ国が飼ってる悪いドラゴンじゃなくて、話に登場するアグネアって言う原爆みたいな兵器で被爆して、恐竜から変わり果てちゃったむしろ被害者側で、カルナも実は・・・』
『もお~っ!お姉ちゃんっ!それ以上夢をこわすの、きんし~っ!!いいんだよ、これはこれで夢があるんだから!』
「とりあえず、その童話は本当の日本昔話やグリム童話のような感じなのですね。」
『そう言う事ですね。あっ、でもこれって天照大神の話にも似てるかも♪』
「天照大神の話、ですか?」
『にわかに信じにくい話でしょうけど・・・実はあたし達、その天照大神と会った事があるんです。』
「天照大神と!?」
『はい!アンバーって言う、も~すっごい美人で~、昔「ひみこ」の子供といっしょに旅してた時の事が「あまてらす」の話に・・・』
「えっ、卑弥呼に子供が!?しかも天照大神と!?」
『ストップ、ラズリー。いきなり話しても、あの人が混乱するだけでしょ?まぁ、この話は本当です。数ヶ月前、あたし達は初之兄妹と言うちょっとした有名人と会いまして、兄の隼薙君は右手に物言う機械の風車を付けた、風を自在に操る「風使い」。妹の穂野香ちゃんは心を失った「白虎の巫子」。それで、その穂野香ちゃんの体を借りてたのが白虎の心にして、それはそれは昔に卑弥呼の子孫と共に「天照大神」とか、「白山権現」とかのルーツになった存在「アンバー」なんです。』
「白虎、アトランティスが生み出した巨大「G」、『四神』の西方守護獣ですね。その白虎の心が、巫子に宿っていたとは。」
『そうなんです!それで、わたしがそのはやてとほのか、アンバーをモデルに描いた「心との出逢い」が、コンクールで優勝したんですよ~!!これでやっとわたしもプロの画家のなかま入りに・・・』
『けどそれもまだ、夢のまた夢の状態よね~?』
『それは今もこうして、お姉ちゃんのてつだいしてるからだよっ!わたしだって、やればできるんだからねっ!』
「ラズリーさんも大変そうですね。そうだ、そのお2人は何処にいらっしゃるのですか?」
『それがですね、中々にややこしい事になってまして・・・あたし達も今何処にいるかは知らないんです。ごめんなさい。』
「そうですか。四神絡みの人となれば、是非ともお会いしたかったのですが・・・それは仕方ありませんね。ですが、本当に「G」は遥か昔から、この世界に存在しているのですね。」
『そうそう、一説によればあのジャンヌ・ダルクも爾落人で、オルレアン陥落とパリ奪回には爾落人同士の抗争が絡んでいたらしいって、凄くお偉いさんなお得意様が言ってましたね~♪』
「なんと、百年戦争にまで「G」の影が!」
『信憑性とかはともかく、それならジャンヌがあんなに長期化してた戦争を勝ち抜いて、革命に成功したのもなんとなく合点がいきますよね?』
『「じらくびと」を相手にしてたなら、きっと「G」を消す「G」だったんじゃないかって、そのおとくいさまが言ってました。なんか、ジャイガーをふういんしてたあの「あくじゅんかん」な笛に似てるなぁ・・・』
『「悪趣味」ね、ラズリー。』
「ふむふむ・・・それで、話に出た『ジャイガー』とは?」
『あたしが知る中で最悪極まりない巨大「G」です。さっきの白虎と初之兄妹の話とも関係してるんですが・・・まだまだ長旅になりますし、ついでに聞いていって下さいな♪』
「は、はい。」


――困りました・・・
この2年9ヶ月で、すっかり「G」クロについて忘れてしまって、着いて行くのに精一杯です・・・
ここに来る前に「G」クロ超全集で予習しておけば・・・


「・・・はっ!忘れる所だった、ここで突然ですがあの質問に参ります!
無人島に持って・・・」

[・ラピスさんの回答『あたしは・・・ひ、み、つ♪』]






「・・・さて、ラピスさんの話を聞いている間に、目的地の臥龍町に到着してしまいました。この辺りで依頼者の方と待ち合わせているようですが・・・」
『・・・あっ、依頼者はあの子ね。と言うわけで、とうちゃ~く♪』
「どうやら、依頼者の元に到着したようです。私も早速取材に・・・!?」



『どうも、「RuRi」で~す♪麻生春華さんですね?ご依頼の品を届けに参りました♪』
『これでまちがいない?』
「はい。本当にありがとうございます。」



「・・・え、ええっ!?あ、貴方は、「‐」シリーズの妃羽菜遥さんではありませんか!!」
「えっ?いえ、私の名字は麻生と言うのですが・・・」
「い、いえ!その顔に声!そして胸に下げている、そのペンダントは!」
「あっ、貴方も『モスラ』をご存知なのですか?」
「ご存知も何も、貴方はモスラの・・・!」










・・・あれ?
私以外の人が、急に動かなくなりました・・・


「それは、わたしの「G」で時間を止めたからよ。異世界からのアナウンサーさん。」
「じ、時間を!?と、と言う事は、貴方はもしや・・・!」
「多分貴方は知ってる筈よ?わたしは時間の爾落人、桧垣菜奈美。」
「知ってるも何も、「G」クロ屈指の超有名人ではありませんか!そんな貴方が何故こんな事を!」
「それ以上のお喋りは『禁則事項』だから、かな。この春華って子は、貴方の知る「遥」じゃなくて、この世界にいる『モスラ』もちょっと違う存在なのよ。」
「ちょっと違う?」
「「G」クロ超全集って言う便利な本があるんでしょ?時間は止めたままにするから、読んで確かめてみたら?」
「そ、そうですね。では、お言葉に甘えて・・・」






「・・・承知しました。この世界にいるモスラは『紺碧』と言う、モスラ一族や「G」とも似て非なる、別の意識体なのですね・・・もし春華さんに「‐」世界の事を話してしまったら、どうなっていたか・・・」
「そう。余計な情報は、時に時空の混乱や歪みを招いてしまうの。別世界に割り込むなら、そこは絶対気を付けてね?」
「分かりました。申し訳ありません・・・ですが、何故貴方がここに?」
「本当はもう少し後に出てくる予定だったんだけど、貴方が余計な事をしようとしてたから。」
「もう少し後に?」
「まぁ、もうしばらくしたら分かるわ。私も『作者』に言われてるだけだし・・・と言うわけだから、またね。」
「ま、待って下さい!その前にあの質問を・・・!」






「・・・はっ!」
「・・・?私とモスラが、どうかしたのですか?」
「い、いえ。何もありません。気のせいの勘違いでした。忘れて下さい。」
「は、はい。」
『まっ、今は依頼を果たしましょうか♪麻生さん、依頼の品をどうぞ!』
「ありがとうございます。やっと届いた・・・!」
『あの、ちなみにこれの中身がなにか聞いてもいいですか?』
「はい。是非ご覧になって下さい。」
「・・・えっ!?」
『まぁ♪』
『わぁ~!きんきらきんの、指輪と・・・弾?』
「知り合いへのプレゼントで、特注で作って貰ったんです。」


――こ、これはどう見ても勇気と知恵の「結晶」・・・!
やっぱり、偶然と言うには出来過ぎて・・・


「あっ、もしお時間がありましたら『アクアマリン・アクアリウム』に行きませんか?これから友達と行く予定なのですが・・・」
『もちろん♪次の依頼まで時間があるし、あたし達も行こうと思ってたんです♪』
『わたしもわたしもっ!イルカとか見て、インスピレーションを「かっせいたん」させるよ~!』
『「活性化」ね、ラズリー。ホニャララさんも、当然行きますよね?』
「はい。最先端の水族館となれば、この目で確かめなければいけませんからね。」
「それでは、決定ですね。水族館までの案内は、私がしますね。」
『ありがとね~。それで、待ち合わせしてるともだちって?』
「この町に住んでいる、五条葵ちゃんと青木火輪君です。私は子供の頃からこの町に通ってまして、その時からの。」
『「マブダチ」ってやつね♪それで、春華ちゃんの家族ってどんな人?』
「祖父は陸上自衛隊の将官をしていまして、弟も自衛隊を目指してます。それから弟って凄く賢くて・・・」






ええ~、今回も中々に前途多難な取材となりましたが、無事に終わる事だけを祈ります・・・
と、言うわけで今週はこの辺りで失礼させて頂きます。
また来週、この時間にお会いしましょう。
ではでは・・・

[――やっと、これをお渡し出来ますね。志摩さん。駿さん。]
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好釦