‐GENOCIDE‐「負」、再ビ ダイジェスト版










『・・・ここは、何処だ?時空の狭間の先の・・・』
『因果地平の果て、だよ?』
『!!』



時空間の狭間より遥か彼方、「事象」と言う地平線を越えた先にある、全ての世界から断絶された「場」・・・因果地平の果て。
バガンとしての体を失い、「レリック」に戻った彼の前に現れたのは、謎の女・鳳朱夏であった。



『お前・・・もしや、「因果」の女か?』
『ピンポ~ン!せいかいっ♪ねぇ、簡単に三次元宇宙には戻れないここに追放された気分はどう?』
『気分は、だと?最悪に決まっているだろう!私の、「殺ス者」としての殺戮ゲームを、よくも邪魔してくれたな!「G」の宇宙からの連中も蛾雷夜も、全てお前の差し金だろう!』
『う~ん、残念!ちょっとだけ正解、かな?パレッタさんをあの世界に辿り着ける「因果」は紡いだけど、それ以外の人達の乱入は「何かを守りたい」とか、悪・・・例えばあんたなんか絶対許さない、って言うみんなの意志が具現化した結果だよ?だってあんな自己チュー過ぎるゲーム、スーパーヒーローなら余所の世界でも許せるわけ無いじゃん?』
『ゲームとは、常に身勝手なものだ!必ず勝つ側と負ける側に分かれ、矮小なモノはゲームの駒としてのみ存在が許される!お前さえいなければ、私は勝者になれたのだ!爾落人ですらない、たかが能力者の分際で・・・』
『・・・あのさ?「ヒーローは必ず最後に悪に勝つ」、それが「真理」と言うか、世界共通のお約束なんだけど?それに舐めプしまくった挙げ句に勝手に負けフラグを立て続けたのって、あんたの「因果応報」でしか無いし、余所の世界で勝手に殺戮ゲームをするなんて、論外中の論外だし・・・
って言うか、ねぇ!能力者の分際とか言うけどさ、北条翔子さんとか二階堂綾さんとか、あたしが今でもリスペクトしてる超強い能力者だっているんですけど!』
『なら、示してみせろ!「最強の能力者」の強さとやらを!私は「因果」をも「殺ス」ぞ!』
『まぁ、確かにそう言う意味じゃあたしはメタ張られまくってるから、超不利かなぁ・・・あっ、でもその前にあんたに会いたい、って人がいるからその人倒したら、あたしのとこに来て!
じゃっ、バイバ~イ♪』
『待て!散々私を一方的に侮辱しておきながら、逃がさ・・・』










『・・・世界の終着点へようこそ、平行同位体の私よ?』
『なっ・・・!?』



飄々と去って行く朱夏を追おうとする、「バガン」だったレリックの前に現れたのは、自分に瓜二つ・・・否、もう一人の自分とも言える存在・・・「G」の宇宙のレリックであった。



『お、お前が・・・お前が何故、ここにいる!!』
『私も知らぬ。強いて言えば、運命の衝突と言った所か?まぁ、理由などどうでもいい・・・まさか、自分を「殺ス」日が来ようとはな・・・!実に愉快!実に痛快!こんな愉悦、いつ以来だろうか・・・?私を殺してくれた「時空」に、感謝せねば!』
『何だと!?何を言う!私が私に殺されるなど、決してあってはならない・・・!屈辱そのものだ!』
『ならば、私に殺される前に私を殺してみせろ!最後に残った方が、真(まこと)の「殺ス者」だ!』
『ふざけ、るなあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』



「バガン」だったレリックは、追放前でさえも見せなかった激情の叫びと共に体をみるみると肥大化させ、全身が天体一つ創造・破壊するも思うがままな程の莫大なエネルギーに満ちた真紅のクリスタル「プラズマソウル」を身に纏った、黄金の「G」キラーザウルス・・・「プラズマ「G」キラーザウルス」へと姿を変える。
が、「G」の宇宙のレリックは不敵な笑みを全く変えず、むしろ更に喜びの感情を昂らせながら、プラズマ「G」キラーザウルスをその鮮血の如く紅い眼に捉えた。



『フフフ・・・お前はまだ、「破壊」の真髄を知らないようだ・・・ならば、お前にも教えてやろう。「殺ス」と言う事が、如何なる事なのかを!』



「G」の宇宙のレリックもまた、両手を広げながら高々と掲げ・・・自らを金の装甲を纏った、ナイフを持った右手と左手の鉤爪、緑色の胸元の結晶体、ヒイラギの葉に似た独特な形状の仮面を付けたかのような顔が特徴的な、赤い巨人・・・まるで、「G」キラーザウルスが人間の姿をしているかのような姿へと変身する。
そう、「G」キラーザウルスとはまた違う、「G」の宇宙のレリックの新たな「殺ス者」としての姿・・・名を「エースキラー」。



――ハハハハハ!
さぁ・・・私を、愉しませてくれ!!










バガン撃破より、少し経ち・・・
怪獣被害によって破壊された各所の再建や、行方不明者の捜索が続く中、世界の人々は再び復興の為に逞しく歩き出していた。






「あっ、志真さん。おはようございます。」
「おはようございます!潤さん。」



そんな中、日東新聞本社に志真が出勤し、受付で潤が出迎える。
いつもと変わらない光景だが、志真は何処か嬉しそうな様子だ。



「今日は、どんな取材ですか?」
「えっと、今回は怪獣絡みじゃないんですけど、神奈川の美術館にあった『獅子の瞳』って言う宝石が盗まれたらしいので、その取材に。」
「そうなんですか・・・宝石泥棒の取材って、志真さんにしては珍しいですね?」
「・・・いえ、そいつはただの宝石泥棒じゃありません。そいつ、わざわざ自分の名前を書き残して行ったらしいんですが・・・」






その後、世界各地の秘宝を続々と盗み出す謎の盗賊が、世界を騒がせる事となる。
その名は・・・










我、来たるなり。
「我来也」
がらいや







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好釦