‐GENOCIDE‐「負」、再ビ ダイジェスト版







戦いと言う名のゲームが終わった事で、物語はエンドロールを迎え・・・異邦人達が去る時が、蘇りし魂が戻る時が、怪獣達が帰る時が訪れた。



「おいこら、瀬上!帰ったら、俺とも決着付けようぜ!宇宙の風の力、見せてやるよ!」
「なんかの歌の歌詞みたいな事、言ってんじゃねぇよ!ってか、こっちは東條の相手でうんざりしてんだ、お前にまで構ってられるか!」
『・・・その凌殿は、世莉・菜奈美殿と共に既に元の世界に帰ったようだ。』
「ホントだ、あいついねぇ!?はぁ、オレと綾さんと八重樫さんとつるんでた頃なら、黙ってフケるなんて絶対しなかったってのによ・・・まっ、いつかは会えるよな?凌!」
「また、この世界を護れて良かった・・・」


――やはり、争い無き世界が一番だ。


『・・・そうだな。』
「長居は無用だ。帰るぞ、ハイダ。」
『はい。帰りましょう、ダイス。私達のあるべき世界へ。』


――俺も帰らせて貰おう。
もう二度と、俺を呼ぶんじゃないぞ・・・


「颯霊剣よ、俺の次の行き先は・・・」








――・・・ねぇ、凌。本当に黙って帰って良かったの?
せめて一樹には一言くらい・・・


「必要無い・・・それは、あいつも分かってる筈だ。」


――言葉にする気が無いなら、もっと態度で示してやれよ?
例えば・・・もっと助けてやるとかな。


「・・・考えておく。」








ズゥジャアアアアアアアウウウン・・・

ガギュヴウウウオウゥゥゥ・・・

グィドオオオオオオオウン・・・

ヴヴォオオオオオオウウゥン・・・



『「従者」達よ、よく戦ってくれた。ありがとう。特にダガーラ、お前にとっては「故郷」への恩返しになったな。初めてお前と出会い、戦った時に共にお前を止めてくれた、この世界のガメラとマンダに対してもだ。
さて・・・俺達も、帰るとしよう。』







「・・・さよなら、ぼく達の『くに』。ぼくの、ご先祖様達。」
『また、会える時を楽しみにしてるわね!』



キィイィィィィィィ、ングッ・・・








『いや~!!まさかオカ研再結成の日が来るなんて、元顧問としてサイコー過ぎる~!!』


――僕達も、同じ気持ちなんだな。パレッタ先生。


――もし次があったら、もっともっと暴れたるけぇのぉ!先生、楽しみにしときぃやぁ!


――いいや、部長のオレが一番アバレんだァ!デコは髪の毛と一緒に引っ込んでろォ!!


――なんじゃと、タダシぃ!
やっぱお前からいてこましたろかぁ!!


――も~、タダシもシュガも折角パレッタ先生とチェリにゃんにまた会えたのに、喧嘩はやめなよ~。


――でも、こう言う感じが僕達オカ研らしくもあるんだな。僕は、とっても嬉しいんだな・・・!


『そうデスね・・・あのころに、タイムスリップしたみたいデス・・・』


――そうだね。チェリにゃん。
わたし達、そろそろあの世に帰っちゃうけど・・・今日のコト、忘れないよ。
あっ、でもマイトレアとか言う女神様になびいちゃったのは、ちょっといただけないな~?


『ご、ごめんなさいデス!ワタシにとっては「親」みたいなひとでもあるので・・・でも、いつまでもワタシはあなたを、あいしてるデスよ・・・アキ。』


――わたしもだよ♪チェリにゃんっ♡


――よっしゃァ!!
チェリィ!アキ!ダイコー!デコ!そんでパレッタ先生!
オレ達、「LU(ロンドン・ユニヴァーシティ)オカルト研究部」は・・・!


『永久不滅、だよっ!!』








キィンォォォォォォォヴヴヴッ・・・



「あのレギオンとか言う怪獣達、本当に駆逐しないで大丈夫なのですか?」
「せやなぁ・・・うちらに協力はしとったけど、脅威になる事に間違いはないんやけどな・・・」
「えっ?特定の電磁波で誘導して、とにかくシリコン食わせて、酸素濃度と兵隊レギオン共の動きには注意しながら、『草体』って言うマンモスフラワーを植え出したら始末すりゃいいんだろ?瞬殿がそう言ってたじゃんか。」
「・・・悟藤特佐は、瞬殿の言う事が信じられないと?」
「そもそも、今のラゴウに駆逐なんか無理じゃぞ?てめーら若造が無茶ばっかさせるせいで、ラゴウの体はボロボロじゃぞい!」
「うるさいなぁ!全部分かっとるわ!大人しく帰ったらええんやろ!ったく・・・でもあいつ、なんであんなに初めて出現した筈のレギオンに詳しいんやろ?誰かから聞いたんか?」
「そんな事、どうでもええですわ・・・それより今の内に、沢山言っとかんと!雪菜艦長!雪菜艦長!雪菜かん・・・」
「コラ、みなみ!うるさい言うたやろ!」
「は、はいっ!お許し下さい雪菜様!」








ギャァヴォァァァァオォォン・・・



「「ガイア、ありがとう。」」
「まさかあんたと一緒に戦える日が来るなんて、これって最高ねっ!」
「昨日の敵は今日の味方、ってコト?まぁボクも、嬉しいのは嬉しいけど。」
『また、みんなを助けに来てね!ガイア!まってるよ~!!』


ヌゥガァゥゥゥ・・・

ギャァオォォォォ・・・

ヴォウァァァァォォオン・・・


――わたくし達四神の長として、再び共に戦える機会を、心よりお待ちしています・・・ガイア。




グィドオオオオオン・・・

グィドオオオウン・・・



「ラドン・・・それに、ガイア!お前らにまた会えて、俺もゴジラもすっごく嬉しかった!これだけは、レリックに感謝してやる・・・!ほんとに、ありがとな!」
「ラドン、ガイア・・・お前達の最良の助力に、深い感謝の意を送る。」
「・・・安らかな眠りを覚まされたのに、私達の為に傷だらけになっても戦ってくれて・・・ごめんなさい。でも、貴方達がいてくれて・・・また貴方達に会えて、本当に良かった・・・!
ありがとう・・・さようなら。
そして、また・・・おやすみなさい。
ラドン。ガイア。」









「そして、まだいるな・・・哀悼を捧げるべき存在が。」
『『はい。あの存在が無くして、私達はバガンには勝てなかったでしょう・・・』』
「貴方が、レリックの駒としてこの世界に蘇ってしまった事は、不幸なのかもしれない・・・でも、私達にとって貴方に出会えた事は、不幸なんかじゃないわ。」



グウィゥゥゥゥゥゥゥゥウウン・・・

カクィォォォォォォオン・・・



「・・・助けてやれなくて、本当にごめん。けど、俺達を・・・こいつを救ってくれたのは、間違いなくお前だ。お前は、レリックに勝ったんだ!」



グルルルル・・・



「お前って言う存在がいた事、いつまでも忘れないから・・・!どうか、今は安らかに眠ってくれ。
じゃあな・・・『ゴジラ』。」



ディガァァァァァァァァオオン・・・



再び冥府へと還った「負」の、もう一体のゴジラへ追悼の意を込め・・・志真達は夕陽に染まる海に敬礼し、ゴジラは咆哮を茜色の空へと響かせるのだった。



「・・・やすらぎよ。」
「悲しみよ・・・」
「とく・・・かえれ、かし。」
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好釦