‐GENOCIDE‐「負」、再ビ ダイジェスト版







「いっけぇ!!今のお前は、ゴジラを超えたゴジラ・・・『超(スーパー)ゴジラ』だぁ!!」



ゴオォディガァァァァァァァヴウオオン・・・



世界中の人々の、今まさに物語をこの画面から見守る者の「正」の思いが籠った激励と、「負」のゴジラの魂と怒りをその身に纏い、志真の溢れ出る願いが「想造」の粒子を介して顕現した、摂理と戒律を超越せし、最高・最善・最大・最強のゴジラ・・・「超ゴジラ」が爆誕した。
超ゴジラはバガンへ咆哮を上げると共に跳び上がってその百km級の巨体を舞い上がらせ、バガン目掛けて飛んで行った。



――「超」が付こうとも、巨大になろうとも、ゴジラになぞ私は負けぬ!
何故なら、私は総てを「殺ス者」!
私は怪獣王をも「殺ス」のだ!!


「だったら、試してみやがれ!!」



バガンは破壊光線を超ゴジラに放つが、超ゴジラは破壊光線を逞しき胸で受け止めながらバガンの元に辿り着き、バガンに強烈な右ストレートを浴びせる。
バガンは少々怯むも、返しに「破壊の波動」を纏った一本角で超ゴジラを真っ二つに切り裂き、超ゴジラを両断した。



――ハハハハハ!!
超ゴジラが、実に呆気ない!
この程度で私を・・・!?



・・・が、引き裂かれた超ゴジラの体は瞬時に元に戻り、超ゴジラは即座に強烈なストレートキックをバガンの腹に食らわせる。
完全なる不意を打つ一撃によろめくバガンへ、更に超ゴジラは高速で振り返ってのテールスマッシュで畳み掛け、バガンからの反撃のダブルパンチを顔面に受けながらそれを諸ともせず、超ゴジラはボディブローでバガンへ続けざまに攻撃。
しかし、バガンもまた両手の爪を伸ばして超ゴジラの体を切り裂き、禍々しい突起ごとショルダーアタックを浴びせて超ゴジラを後退させ、鼻先の一本角で超ゴジラの首を貫かんと迫る。
だが、負けじと超ゴジラも王冠に似た角が付いた頭を勢い良く突き出し、両者共に鮮烈な頭突きをぶつけ合い・・・野獣の闘争のような、ひたすらに力で物を言わせる打撃の応酬へと移る。
空間・・・いや、この世界そのものを激しく震わせながら、超ゴジラとバガンによる正しく人知の及ばない、神々の争いの如きスケールの戦い・・・「天外魔境頂上決戦」が、繰り広げられていた。



「お前は、そこまでしてまで何もかも壊してぇのか!全部壊した所で、最後に残るのはお前一人だけなんだぞ!」


――だからどうした?それなら、次は他の世界の総てを「殺ス」まで!
私は「破壊」そのもの!何かを「破壊」する事に、「殺ス」事に意味も大義も理由も不要!
「殺ス」事こそが、私の存在意義なのだ!!


「そうかよ・・・!だったらこっちも、遠慮なくお前をぶちのめしてやる!お前と違ってな、俺達にはこの世界を守る・・・お前をぶちのめす意味も大義も理由も、沢山あるんだ!!
やっちまえっ!!超ゴジラ!!」



志真の叫びを合図に、超ゴジラは背鰭をモノクロームに激しく光らせながら尾先から順々に伸ばし、再び背鰭を戻すと同時に口を開き、白と黒が交差する極太の熱線「超越放射熱線」を、至近距離からバガンへ放った。



――ぐおおおおっ!!
これは「負」の、奴の置き土産か・・・!!



バガンをターゲットにしていなければ、間違いなく小国一つが平気で焦土と化す威力の超越放射熱線を、熱線そのものを自身に当たる寸前で「殺ス」事でどうにか防ぎながら、バガンは超ゴジラの中に潜む、もう一つのゴジラの存在を察した。



「そうだ!お前が勝手に甦らせて、勝手に殺した・・・あのゴジラの力だ!
いい加減往生しやがれ!!バガァン!!」


――黙れ!調子に乗るな、人間め!!
私は、誰にも殺されはしない!!
殺されるのは、お前だ!!ゴジラァ!!



バガンは超越放射熱線を受けながら、「破壊の波動」を全身から解き放ち、超ゴジラの全身にぶつける。
さしもの超ゴジラも、存在そのものを「殺ス」波動に苦しみ、超越放射熱線を止めそうになるが・・・ 



「負けんな!超ゴジラ!!お前には俺が、「負」のゴジラが・・・世界中のみんながいる!世界中が、お前を信じてるんだ!
だから・・・あんなふざけた奴に、絶対負けちゃ駄目だ!お前の限界を越えた最強のパワーを、あいつに見せてやれ!!
いっけえぇぇぇぇぇ!!超ゴジラァァァァァ!!」



ゴオォディガァァァァァァァヴウオオン!!



志真の言葉と願いに奮起した超ゴジラは、「破壊の波動」を諸共せずにバガンへと超越放射熱線を放ち続け、バガンを赤い時空の裂け目の奥へと押し出して行く。








「俺達も行くぞ・・・バラン!」


グウィゥゥゥゥゥゥゥゥウウン・・・


「モスラ・・・あと少しだけ、力を貸して!」


カクィォォォォォォオン・・・


グィドゥウウウウウウン・・・



超ゴジラに手を貸さんと、続々と加勢する者達。
瞬・遥と心を一つにしたバラン・モスラとクリムゾンラドンが、



ギャァヴォァァァァオォォン・・・


「私達も行くわよ!アンバー!」


――はい!心得ました!


「ギャオス、やろう!ボクもまだ、いける!」


ギャァオォォォォ・・・


『いっけええええ!!マンダ~!!』


ヌゥガァゥゥゥ・・・


「僕と紀子の・・・!」
「私とレンの・・・!」
「「『愛』と共に・・・!ガメラ!!」」


ヴォウァァァァォォオン・・・



ガイアを「央」に据えて東西南北の陣を組む四神達、ガメラ・アンバー・ギャオス・マンダと巫子達が、



『「従者」達よ!今こそ、その力を束ね・・・この世界に平和を!』


ズゥジャアアアアアアアウウウン・・・

ガギュヴウウウオウゥゥゥ・・・

グィドオオオオオオオウン・・・

ヴヴォオオオオオオウウゥン・・・



ヤマトの号令と剣の元に再び集まった「従者」達、ゴモラ・ソドム・ラドン・ダガーラが、



『ワタシたちも、もっとやってやるデス!いきますよ、みなサン!』


ガァバァハハハハッ・・・


――よっしゃァ!!
黒幕野郎は、このオレがぶちのめしてやらァ!!


ゲェハアアアアウウン・・・


――ちょっと待てぃ!
あいつ倒すんは、このワテじゃあ!!


ギャキュキュキュウ・・・ 


――喧嘩しないで、みんなであいつを倒すんだな。


ングウゥゥェェェェッ・・・


――とにかく、いっくよ~!みんな~!チェリにゃ~ん!



「影」のモスラ・・・チェリィの元に再結成された「オカ研」メンバーの「KAIJU」、ガバラ・ゲハラ・ガンQ・ギロンが、



『・・・よしっ!予想より早く直ってくれて偉いわよ~!ワンセブンちゃん♪オカ研のみんなも、遥ちゃんの願いのお陰で帰って来てくれたし・・・じゃあ顧問のあたしも、もう一発かましちゃうわよ!!
ネオマキシマ砲、スタンバイッ!』


「当然、オレも乗っかっちゃいますよぉ!
ナースデッセイ、マキシマナースキャノン発射用意っ!」


「なんか知らんメカとか怪獣とかおるけど、うちが艦長任されたからには好きにさせて貰うで!とりあえずはあんのデカブツに、メーサーも竜鱗ミサイルも爆雷も全部ぶち込んだる!」
「いよっ!雪菜艦長!素晴らしい采配ですわ!」
「何が素晴らしい采配、じゃぞい!若造がまた無茶言いよって、ワシとこいつの負担も考えんか!」
「でも、ここでやらなきゃ男じゃねぇ!瞬殿だってそうするぜ!」
「瞬殿の分まで・・・自分達が、行く!」
「やから今はうちが艦長や、言うとるやろぉ!」



パレッタの「想造」と人類の叡智の結晶たる存在、ワンセブン・ナースデッセイ・ラゴウの必殺の一撃が、



――間に合ったようだ、ハワード。


――なら加勢するぞ、ネクスト。


「ついでに、俺の風も食らっとけ!!」
『私の風である事も忘れるな。』
「・・・鳴神龍神流剣術、秘奥義・・・!」
「おいおい、俺とレギオンも忘れんなよ?」


キィンォォォォォォォヴヴヴッ・・・


「瀬上・・・!見ろ、これが今の俺の全力の『光撃』だ!」
「俺のレールガンに、お前のパイロキネシスを乗せる。問題無いな?」
『勿論です。いつでもどうぞ!』
「颯霊剣(ふつのみたまのつるぎ)よ・・・魔なる巨獣を、斬り裂け!!」
 

――「殺ス者」、と言ったな?
前々から実に不愉快な存在だと思っていたが・・・特別に、俺が直々に引導を渡してやる。


『ソウ、アタシ達も行くわよ!』
「勿論さ、ネウ!」
「『変身!』」
「っしゃあ!」


キィイィィィィィィ、ングッ・・・



ネクスト・マザーレギオン・魏怒羅に連れられ集結した、「G」の世界の異邦人達が、力を合わせ・・・



「すげぇ・・・!こいつは、ナイスな展開じゃねぇか!おい、レリック!リンチだなんか言うんじゃねぇぞ!お前がやらかした事は、敵に回したのは・・・こう言う事なんだよ!!
だからいい加減に・・・くたばりやがれ!!レリックッ!!」



ゴオォディガァァァァァァァヴウオオン!!



一斉に解き放たれた、バラバラの「力」達は、超ゴジラの超越放射熱線と共に一つとなり、バガンを圧倒。
何の抵抗も出来ないバガンは、時空の裂け目の中に完全に吹き飛ばされ、宵闇迫るこの世界の空から追い出される形となった。



――うおおおおおおおおおっ!!
何故だ!!何故、殺せない!!
何だ、その力は!何だ、その抗いは!
これがゴジラの・・・この世界の、人間と怪獣共の、力だとでも言うのかァ!!
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好釦