‐GENOCIDE‐「負」、再ビ ダイジェスト版







「・・・朗報だ。ラドン兄弟は、阿蘇山のメガギラス達を攻撃しているようだ。」
「それって・・・まさか・・・!」
「ああ・・・!遥ちゃん、あいつらは『帰って』来たんだ!」









グィドオオオオオン・・・



キィキュウ・・・

キィキュウ・・・

キィキュウ・・・



グィドオオオウン・・・



キィキュキュ・・・

キィキュキュ・・・

キィキュキュ・・・



兄ラドンの回転突撃が宙のメガニューラを、弟ラドンのソニックブームが地上のメガヌロンを、続々と駆逐して行く。



ギィキィィィィン!



怒ったメガギラスは鎌を突き立て、超高速でラドン兄弟に向かって行くが、ラドン兄弟はすんでの所で左右に別れて超高速で回避し、合流するや背中合わせの体勢で一気に雲の上まで舞い上がった。
メガギラスもラドン兄弟の後を追い、超高速でぶつかり合っては離れるヒットアンドアウェイを繰り返し、阿蘇山上空で何者も追い付けない、音速を超えた戦いを繰り広げる。








グィドゥウウウウウウン・・・



メガギラスに立ち塞がる、阿蘇山をも飲み込まん程に巨大な焔の翼・・・ラドン兄弟がその魂を融合させて生まれた紅蓮不死鳥超獣・クリムゾンラドンを前にして、メガギラスが戦意を完全に失った、その刹那。
クリムゾンラドンは口からウラニウム熱線を放ち、メガギラスを塵一つ残らず焼き払った。








ズゥイイイイン・・・

ギュオギュオン・・・



チャイルドの元に馳せ参じた、最高の助っ人、バラゴンの登場にチャイルドはその場で飛び跳ね、溢れる喜びを全身で現す。
バラゴンにやや臆しながら、ラゴネークはバラゴンより弱いと判断したチャイルドに狙いを定め、再度両手を伸ばしながら猛烈な勢いでチャイルドに迫って行くが、ラゴネークに待っていたのはバラゴンの存在によって勇気を取り戻した小さき勇者・チャイルドによる決意の淡射熱線であった。



ヌゥグブォァァ・・・



完全に侮っていた弱者からの手痛い反撃にラゴネークは倒れ込み、バラゴンも口から出した熱核光線でラゴネークを攻撃し、チャイルドに加勢する。








「ドルゴ・・・!いい加減、おとなしくしてっ!!」



ドルゴの首根っこの祠に、穂野香が御神体を突き刺した・・・その瞬間。
今までの大地震を起こしかねない暴れっぷりが嘘のように、ドルゴの動きが止まった。



ドォゴオオオォォォォォォ・・・ウン?



もう少し進めば村を壊し、破壊者となりかねなかったすんでの所で、半目をぱちくりとさせながらドルゴは怒りを収め、今まで自分を必死に制止していたアンバーと、果敢にも自らを止める為に背中の山を登った穂野香の存在を確認し、ゆっくりと足を曲げて座り込む。
その間にアンバーは両手から出した涼風を穂野香に向かわせ、まるで彼女を両手でくるむかのように風で穂野香を包み込み、素早く自分の左手に回収する。



ドォゴオオオオウォォォォウ・・・



そして、穂野香とアンバーに一礼するとドルゴは足元の地盤を沈下させ、大地に埋もれながら背中の岩塊を引っ込め、再び眠りに付き・・・新たな山となった。



「・・・アリガトウ、か。
ドルゴー!!もう、みんなに迷惑掛けちゃ駄目だからね~っ!!」


――わたくしからも、お礼を申し上げます。穂野香。
貴女のお陰でドルゴ様を倒さず、鎮める事が出来ました・・・やはり貴女は、わたくしの最高の心友です!


「それはお互い様でしょ?さぁて、まだ鎮める・・・と言うか止めないといけないのがいるわよね?最短で寄り道、行くわよ!アンバー!」


――はい!心得ております!









――目障りな鳥めが・・・!



クリムゾンラドンの突撃を左方へ流しながら、バガンは苛立ちの言葉を溢す。
「影」のモスラに続き、またしても高次元の存在に昇華した自らに傷を与える、忌まわしき存在が現れたからだ。



グィドゥウウウウウウン・・・



「クリムゾンラドンの攻撃が、バガンに効いてるぞ!」
「・・・そうか。クリムゾンラドンは謂わばアストラル、霊体の存在・・・この世界の理から外れた存在。原理は兎も角、似通った存在のバガンに攻撃が通じると言う『理屈』には、合点が行く・・・!」
「だから、貴方達は『心』を取り戻してくれたのね?ラドン・・・」








『みんな~!あたしにとっては超超おひさ~!元ファンロンの、パレッタだよ~♪』
『パレッタ!?このせかいまで、わざわざきたんデス!?』
『そうだよ!もう、チェリィったら黙っていきなり反物質世界使ってこんな所まで来るなんて、探すのに苦労したんだから!』
『スミマセン・・・なるべく、パレッタたちをまきこみたくなくて・・・』
『とにかく!みぃちゃん並みのお説教は後にして、まずあいつを懲らしめるわよ!隼薙君とアークちゃんも弦義君も、それからカズっちも連れて来たから百人力だし、もしかしたら他にも色々来てくれるかもしれないし☆』








すると、その時。
XVⅡからおびただしい数の白銀の粒子が発せられ・・・東京を、関東を、日本中へと粒子は拡散され、全てを包んで行く。



「何だ、この粒子は・・・?」
「何だか・・・活力が湧いて来ます!」
「何にせよ、あのパレッタさんが何かしてくれたんだろ?何でも出来る気がするぜ!」
『その通り!あたしが今ばらまいた粒子はね、あたしの「想造」を再現した粒子!その名も「クーソーゾー」!みんなの願望を形にする力・・・こうしたい、って言うのをほんとにしちゃう力なの!そしてそれは、思いを込めた度合いが強ければ強い程、どこまでもスゴくなるんだ!この粒子の元を作った、あたしの自慢の後輩だった関口君が言うんだから、間違いないっ!』
『そんで、そんなスゲえモノをばらまけたのもオレの「電脳」のネットワークのお陰ってワケ!見てるか~い!!何処かの星を救ってるオレのワイフ・・・』
『そんな事より、さぁみんな!力の限り願って、この世界を救うわよ!』
「そ、そんな事ってひどい!」








――いくら小細工をしようとも、私は蛾雷夜とは違う!
「複製」にも及ばぬ「想造」程度に、私が負けるとでも思うか?片腹痛いわ!



『うるさぁ~いっ!!あたしは「G」を争いの道具に使いたくないけど、あんたは超例外よ!いい?他人の空似だろうとね、あたしの大好きな菜奈美ちゃん、それにコーちゃんに酷い目遭わせた落とし前・・・絶対取らせるんだから!
XVⅡ、チェ~ンジッ!!ワンセブンモ~ドッ!!』



パレッタが叫ぶと共に、人口衛星のような形状だった宇宙戦艦は高速で変形し、黒銀の巨人の様な出で立ちにその姿を変える。
彼女が行き着いた最高の「想造」の形の一つにして、彼女の17番目の子(ロボット)故に、「G」の宇宙におけるコードネームの「XVⅡ(エックスブイツー)」ではなく、パレッタ自身は頑なに愛称で呼ぶ、その機神(スーパーロボット)の名は・・・「大鉄人ワンセブン」。







『ブラックホールが吹き荒れるわよっ!!
ネオマキシマ砲・・・てぇーーーーっ!!』



ワンセブンの胸元が開き、かつて想造した「ディメンション・タイド」を元にした砲頭が姿を現すと共に、無尽蔵の相転移エネルギー「ネオマキシマ」を元に作り出された真っ暗な虚空・マイクロブラックホールが、激しく渦を巻く。
そしてパレッタの怒りの叫びを合図にして、マイクロブラックホール砲「ネオマキシマ砲」が、バガン目掛けて発射された。



――暗黒空間など、消し去ってくれる!



マイクロブラックホールを両手で受け止め、バガンは自らを飲み込まんとする虚空をも「殺して」行く。








「さぁて、蚊帳の外なオレはとりあえず安全にヒーロー活動しときましょっか・・・ナースデッセイ号、はっし~ん!」



周囲で未知数の戦いが繰り広げられる中、一樹が乗るプロメテウス級試験型航宙戦艦の下部が開き、中から一機の艦艇が現れた。
まるでグレーの機械の龍がとぐろを巻いているかのような、独特的なデザインのこの艦艇の名は「ナースデッセイ」。
パレッタがこの世界に来る少し前、地球で一樹と再会した際に彼との再会記念として「想造」した、一樹にとっての護衛手段の一つにして、パレッタの傑作の一つである。



「まだ誰も手を付けてない怪獣は・・・こいつか?よ~し、ナースデッセイ号・・・ネオマキシマエンジン、MAXパワーでMAXスピードだぁ!
マックス!マックス!!マックス!!!」



一樹の音声コマンドを認識したナースデッセイ号は、閃光と共に音速を軽々と越えた超高速航行「マキシマオーバードライブ航行」で東京湾を一瞬で離れ、何処かへと向かって行った。
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好釦