アキキャン△










「・・・よし、次はあそこにしよう。」



帰り道、次のキャンプの行き先を思案しながらバイクを走らせ・・・行き先が決まった時にはもう昼になり、阿乃護路市まであと少しの所まで来ていた。
帰りの時間まで、あっと言う間か・・・まぁ、行き道とルートは一緒だから特に代わり映えが無いのもあるのかもしれないが。
与物山方面にある秘密の通路から我が家に入り、バイクを屋敷の裏の駐車スペースに置き、荷物を持って玄関の戸を開け・・・






「ただいま・・・」
「アキミお姉様、お帰りなさいませ!」
「アキミちゃん、お帰りなさ~い♪」
「アッキー、おつかー☆」
『アキミ様、お帰りなさいなのです!』



「お帰り、アキミ。」
「・・・ただいま。」



こうして家に帰ったあたしを出迎えてくれる、温かい言葉と場所と大切なみんな・・・そして、世界で一番愛しい人。
いつも当たり前にあるのに、たった一日離れていただけで、こんなにも愛おしく感じる。この瞬間も、あたしは好きだ。
・・・もしかすると、あたしはこの一瞬の感情を感じる為にキャンプへ、自然の中へ1人向かうのかもしれない。
ふと、そう思った。





FIN
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好釦