the After 「G」 ~「G」が導く明日~











「よし、到着っと!」
「いよいよですね・・・!」
「あぁ。そうだな。」



2019年・6月。
新潟県某所の結婚式場を、礼服を着た志真・瞬・遥が訪れた。
目的は勿論、約10年前の「ある事件」を切欠に知り合った知人の結婚式が、ここで執り行われるからである。



「それにしても、遥ちゃんとプールで会った日から8年も掛かるなんてなぁ・・・しかも、好きだったのはもっと昔からみたいだし。」
「プラトニックな節はあったからな。」
「相手が幼馴染みで年上のお姉さん代わり、と言うのもあるかもしれませんね。」






「あっ、瞬特佐!妃羽菜さん!それから志真さんも、お待ちしていました。」



入口で受付を済ませた直後、真っ先に敬礼しながら3人を出迎えたのは、今やGフォース特務遊撃隊隊長補佐になった麻生将治だった。



「こんにちは、麻生君。」
「おっ、麻生君じゃん!」
「久方振りだな、麻生。しかし、この場はそんなにかしこまらなくて良い。」
「了解しました!」
「麻生君、Gフォースの隊長補佐になっても生真面目なところは変わらないね。」
「8年前に東京で会った時みたいに、もっとラフにいけばいいのにな。」





「あっ、遥さんだ~!こんにちは!」
「こんにちは、遥さん!それにお2人さんも!」
「皆さん、こんにちは。」
「こんにちは、お邪魔します。」
「美歌ちゃん!翼君!それに、さくらちゃんと真君も!」



続けて、昨年末に結婚を果たして今や夫婦となった青木翼・桐城美歌と、遥を介して健・美歌と知人になった「飛梅伝説」に纏わる2人、嵯峨野さくら・麻野道真がやって来た。



「よっ!青木夫妻に麻野道夫妻!」
「ま、まだおれとさくらは結婚してませんよ・・・」
「もう、志真さぁん・・・」
「私としては、何で結婚しないの?って今この時も思ってるけど。翼もそう思うでしょ?」
「まぁ、それくらい親密なのは事実だけど、あんまり急かしちゃダメだよ。美歌。」


ーー・・・僕もそろそろ、婚活するべきだろうか?


「積もる話は後だ。他の参加者達への挨拶もある、ひとまず控え室に行くぞ。」







それから数十分後。
志真達が入場した会場となる教会には、結婚式の主役2人の親族の他にこの祝辞を祝うべく駆け付けた、各方面でその名を知らない者はいないであろう壮々たる面々が、一堂に会していた。



「功二さん、やっとこの時が来たのね。」
「そうだな、未希。俺も本当に嬉しいよ。」
「ホント、どこぞの司令官殿と違って8年で済んだだけマシだよなぁ?」
「そうね。結婚するチャンスなんて何度もあったのに、未希ったら・・・」



昨年に漸くの結婚を果たしたものの、姓を統一する余裕も無い程の多忙を極めているGフォース司令官・新城功二及び超能力開発センター所長・三枝未希夫妻と、その同行者である司令官補佐・佐藤清志と、未希の盟友のサイキッカー・小沢芽留。



「しっかし、健君は是非ともGフォースに欲しかった所だなぁ!」
「そうなったらなったで、将治と激しくぶつかるだろうな・・・」
「私見ですが、彼は組織で統率するよりも自由にやらせる方が良いかと思いますね。瞬もそう言っていました。」



佐々木拓也、麻生孝昭、黒木翔・・・自衛隊・Gフォースの重鎮達。



「この祝事は、志真と一緒に必ず記事にするぞ・・・!」
「ルール違反、って未来の人達に止められない範囲でね?」



ノンフィクションライター・寺沢健一郎と、その妻の千晶。



「こうして、正しい歴史は紡がれて行くのね・・・」
『Yes、my Boss・・・感激デス。』
「この瞬間に立ち会えた事、私は誇りに思うわ。」



エミー・カノー、M11、遠野亜弥香の未来人達。



「まともに会ったのは10年前くらいだけど、それでも万感の極みだね・・・」
「これからは、夫婦の先輩として2人を支えて行かないとね。」
「・・・」



三神小五郎・優夫妻と、何故か無言の山根健吉。



「いやはや、歴史の分岐点にまた立ち会えるとは・・・藤戸君にも、感謝せねばな。」
「先生、今は『手塚』姓ですよ?」
「早く始まらないかな・・・これ、早く食べたいんだけど。」



北川敦教授と、助手の神埼玲奈・中村真一一行。



『イヤー、コレゾマサニオメデ鯛!!イワイノタイホウ、撃チマクルゾー!!』
「そうですね・・・翼に続けて、この光景が見られるなんて・・・」
「ええ。きっと、あの子もアドノア島で喜んでくれているわ・・・」



セバスチャン博士と、青木一馬・梓夫妻。
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好釦