拍手短編集






どうも、ジャバンテレビアナウンサーのホニャララです。
何だか私の出番が年に一度の恒例になりつつありますが、皆様はこの一年をいかがお過ごしでいらっしゃいましたか?
私の方は・・・まぁ、色々とありましたが、話すと非常に長くなりますので、割愛します。
ちなみに今年については、私と会う機会が何度かあるかと思います。
理由はまた追々・・・





さて、例にもよって前回の「the Next『G』」の世界からいつの間にか脱出した私は今回、「G chronicle」の世界に参りました。
今私がいるのは2016年の11月、防衛省の前です。
今回、私は防衛省所属の国家機密組織「Gnosis」の調査に同行させて頂く事になり、ついでに恒例の「あの質問」をしようと思います。
もちろん防衛省内は撮影禁止ですので、音声とテロップのみでお楽しみ下さい。






『どうも~、ジャバンテレビのホニャララと申します。』
『どうも。自分はGnosis記録担当の蓮浦賢造と言います。本日は、宜しくお願いします。』
『早速取材に取り掛かりたいのですが、その前に・・・』
『待って下さい。取材をして頂く前に、貴方に伝えておかなければならない事があります。』
『えっ?』
『聞いた所、貴方はこの世界に来たばかりだそうではないですか。なら、「G」の事について全く分からないのでは?』
『い、いえ、私の手元には「『G』クロ超全集」と言う資料ががありまして・・・』
『そんなムック本では、あてにならない!我らGnosisやこの世界について知って頂くにも、自分がこれまでに記録した情報をお教えします。いいですね?』
『ええっ・・・は、はい・・・』

[「G」クロ超全集、近日発売予定!]






『まず「G」について。「G」とは基本的にこの世界にとって場違いな存在全てを指す呼称であり、名の由来は2010年の初めに南極で見つかった巨大な二体の生物、「GODZILLA(ゴジラ)」と「GHIDORAH(ギドラ)」の頭文字から採っています。この生物に名を付けた、考古学者の桐生教授は・・・』
『はい。』



『こうして「G」は人々の前に姿を表しましたが、その前にも「G」による騒動は散発的にありました。例えば2005年、三重県の蒲生村でクマソガミと言う怪物が現れており、クマソガミは蒲生村の村人数人の恐怖と魂を喰らった後・・・』
『は、はい。』



『「G」の影響は時に、国家の規模で起こってしまいます。2012年に韓国をも巻き込んだ、大規模な革命運動が北朝鮮でありました。革命には「G」の力を宿した数名の人間、つまり能力者や爾落人が関わっていたとされ、中でも「天河三十郎」と名乗る爾落人は・・・」
「は・・・はい。」



『「G」を調べているのはGnosisだけではありません。個人の小規模な企業の他にJ.G.R.C、「日本『G』リサーチ株式会社」と言う大規模な企業があります。2010年の起業から僅か二年で株式上場を果たしたこの会社では主に「G」の調査、技術開発や提供を行っており、2012年にも・・・』
『・・・はい。』



『「G」には様々な形があり、その中の一つに「巫子」があります。巫子は先天的に「G」を体内に受け入れられる素質を持っている者の事で、産まれた時から「G」を持っている爾落人とは性質が少々異なります。「G」がダウンロード可能な端末装置のような存在、と言えば分かりやすいでしょう。特に四神の力を受け入れられる巫子、アトランティス人の遺伝子を受け継いでいる巫子は極めて特殊で・・・』
『・・・あの、すみません。ちょっとトイレに行かせてもらってもよろしいでしょうか・・・?』
『これからが重要な話ですのに・・・分かりました。早く済ませて下さい。』
『あ、ありがとうございます・・・』





よ、ようやくあの部屋から脱出出来ました・・・
訪問してからかれこれ、2時間が経とうとしています・・・
あの質問が出来なかったのが残念ですが、いつまでもあの部屋にはいられません。
まことに独断ではありますが、私自ら出向いてGnosisの方々へ質問しようと思います・・・!

[その前に、CMです。]






さて、この曲がり角の先には・・・



『おおっ!?』
『わあっ!』
『な、何だよ、お前!』
『わ・・・私は本日Gnosisの方々の調査に参加させて頂く事になった、ジャバンテレビの・・・』
『ああ、お前がか・・・俺はGnosis撮影担当の、首藤秀馬だ。』
『おお、早速発見致しました!この場で何ですが、貴方に質問です。無人島で・・・』
『ってか、こんな所にいていいのか?お前。』
『えっ?』
『ここから先は政府要人にも立ち入りを許してねぇ場所だ。見つかったらお前、アナウンサー辞めさせられるどころじゃねぇかもなぁ。』
『え、えぇ・・・ですが・・・』
『まっ、仕方ねぇ。俺が特別に話付けといてやるから、それまでそこの部屋に隠れとけ。』
『わ、分かりました!ご協力、感謝です!』



――・・・よし、これで水差し作戦成功!
とんだ役者が来てくれたぜぇ・・・!





ふう、とりあえずこの部屋にいれば・・・!?



『・・・むにゃむにゃ、のり・・・こ・・・』
『・・・レン・・・』



・・・な、何故、この防衛省に子供が2人いるのでしょう・・・?
しかも女の子の膝を男の子が枕にして、揃って熟睡・・・
様子から見ても、かなり親密な関係なのは確かです。
もしかすると、Gnosisの一員である可能性も!
えっと、「『G』クロ超全集」によると・・・



『・・・う、うぅん・・・?』
『・・・んんっ。』



・・・おっ、発見しました!
男の子の方は、能登沢憐太郎さん。
女の子の方は、守田紀子さん。
お2人は・・・



『・・・おじさん、誰?』
『どうして、私とレンの名前を知っているのですか・・・?』



・・・ば、バレた!?

[続きは、また来週!]
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好釦