夏の日の君に・・・in真地町




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???「んっ、穂野香じゃないか。なぁ、ひなたが何処に行ったか知らないか?」



穂野香「・・・えっ?私?」
遥「あの人、穂野香の知り合い?」
穂野香「ううん、私あんな子知らないわよ?なのになんで私の名前を知ってるの?しかも変に馴れ馴れしいし・・・」
???「おい、惚けるなよ。アタシの事を一方的にライバルにしときながら、そんな冗談通じないからな?」
穂野香「いや、冗談なんか言ってないわよ!ほんとに私、貴女なんか知らないって!」
???「まだ惚けるか。その気の強さは、間違いなくアタシの知る穂野香なんだがな。」
さくら「あの人、何だか男の人みたいだね。キリっとした感じとか、喋り方とか・・・」
ジュリア『つるぎみたいなかんじで、かっこいいね!』
亜衣琉「樹君とはまた違うボーイッシュキャラ、ってわけね♪」
紀子「・・・もしかして、ドッペルゲンガーと間違えたとか?」
樹「ドッペルゲンガーってあの、自分と同じ姿をした人が世界で3人いるって言う都市伝説?まさか?」
蛍「でも、ここは異世界・・・パレッタさんが元からいる世界に、私達と全く同じ存在がいるらしいから・・・」
引田「あの人、もしかするとこの世界・・・パラレルワールドの穂野香さんと知り合いなのかもしれないわ。」
パレッタ『うーん・・・あの子、なんとなく「爾落人」っぽい感じがするな~?普通の人、と言うより本当に「人」じゃない、みたいな?』






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ひなた「あっ、純子さ~んっ!お待たせしました~っ!新しい浮き輪を買うのに、悩んでしまいまして・・・あれ?穂野香さんに樹さんに珠理亜さんに・・・紀子さん?お体は、大丈夫なんですか!?」



穂野香、樹、紀子「「「・・・えっ?」」」
ジュリア『あれ?わたし、あの人しらないよ?』
パレッタ『そもそも「珠理亜」、ってなってない?読みは一緒だけど。』
純子「ひなた!全く、お前はいつもそうやってアタシに心配を掛ける・・・浮き輪くらいで、そんなに時間を掛けるな!それより、その水着を何とかしろ!お前はもっと、可愛い水着じゃないと駄目じゃないか!」
ひなた「は、はいっ!申し訳ありません、純子さん・・・」
純子「い、いや・・・アタシもついムキになった。すまない。その浮き輪自体は可愛いお前に良く似合ってるから、機嫌を治してくれ。」
ひなた「いえっ、純子さんにご心配をお掛けしたのは事実ですので・・・ですが、わたしは純子さんの事を嫌だとは全く思っていませんので、ご安心下さいっ。」
純子「そうか・・・なら、良かった。」



さくら「・・・やっぱり純子さんって人、何だか男の人みたいだね。」
遥「あのひなたって子にもっと可愛い水着にしろ、って怒っていると言うかダメ出しをしたり、さりげなく可愛いって褒めていたり・・・」
さくら「あの人の水着なら、わたしは十分可愛いと思いますよ?フリル付きの無地のピンクの水着はこれぞシンプルイズベスト、と言う感じです!」
亜衣琉「しかもあの子って地味にスタイル抜群だから、それがシンプルなデザインでより際立つのよねぇ♪純子ちゃんって子もだから変に警戒してるのかな?そ・れ・と・も、女の子同士の百合百合な関係・・・なのかしらぁ♡」
さくら、遥「「ゆ、百合百合・・・」」
パレッタ『じゃあ、チェリィみたいな感じって事?確かにあの子もチェリィみたいな褐色娘だね~♪』
純子「そこ、アタシは別に同性愛者じゃないぞ?アタシはただ、ひなたの事を可愛いと信じて疑っていないだけだ。」
ひなた「え、ええっと・・・」
純子「それより、樹と紀子と珠理亜とか言う名前なら穂野香から聞いた事があるし、全員がひなたと知り合いとも聞いた。なのにお前ら、ひなたにまで惚けるのか?ドッキリやサプライズにしても、少し悪質だぞ?」
樹「いや、ボク達は本当にそのひなたなんて人、知りませんよ。ドッペルゲンガーとは言わないけどもしかして、誰かと間違えてません?」
ひなた「いえっ、わたしのお知り合いの樹さんは性同一性障害でご自分の事を『ボク』と呼びますし、珠理亜さんは日本人とイギリス人のハーフなので黒い髪に青い瞳をお持ちで、穂野香さんはその美しいお脚と快活なご振る舞いを含めて、間違いなく穂野香さんですっ!ただ、紀子さんは今も俟ち総合病院にご入院されている筈ですが・・・」
樹「えっ?ボクが性同一性障害だなんて、全く話して無いんだけど・・・?」
ジュリア『わたしも、イギリス人とのハーフだって言ってないよ?』
穂野香「そうよね?けど、ひなたって子まで私の事も含めて詳しい・・・なのに紀子は入院してるって、どう言う事?」
紀子「入院した事があるのは、一応事実よ。でも、それは巫子に目覚めてしばらくの間だけ・・・だから多分、ドッペルゲンガーと言うよりさっき蛍姉ちゃんと引田さんが言った通りなのかもしれないわ。」
引田「それなら、わたし達がちゃんと説明しようかしら。」
蛍「信じられないかもしれないけど、落ち着いて聞いて。私達、実はね・・・」






純子「・・・つまり、お前達は異世界から来た他人の空似、と言う事なんだな?」
ひなた「い、異世界・・・に転生する作品が最近流行っているのは知っていますが、まさか本物にお目に掛かれるとは・・・」
引田「転生はしていないけれど、平行世界から来たのは事実ね。他人の空似、が一番近いかしら?」
蛍「ここにいる穂野香ちゃんは純子さんの知る穂野香ちゃんじゃなくて、紀子ちゃんも樹君もジュリアちゃんも、ひなたさんの知るみんなじゃないの。だから、改めて自己紹介をお願いしていい?」
ひなた「わたしが無知なので、まだ事情を全て理解出来ていませんが・・・とりあえず、改めて皆さんにご挨拶しますっ。わたしは戸枝(こえだ)ひなたと申します。宜しくお願い致しますねっ。」
純子「アタシは宇佐美(うさみ)純子。ちなみにひなたは16歳の高校一年、アタシは17歳の高校二年だ。」
穂野香「高二?私より年下じゃない。いや、この世界の私がまだ高二って事?」
ひなた「そう言う事ですねっ。ちなみに、紀子さんは入院されてはいますがわたしのクラスメイトさんで、樹さんはクラスは違いますがわたしと同じ真地高校の一年生、珠理亜さんは真地小学校の小学6年生ですっ。」
樹「ここのボクと紀子、高校生なんだ。」
ジュリア『わたしはもう、ちゅうがくせいだよ?ためになったねぇ~♪』
紀子「さしずめ、学園パロみたいな感じになってるのね。」
ひなた「それに、名字は違いますが蛍さんは今真地小学校の先生をされていますし、深紗さんは俟ち総合病院で医師をされていますっ。」
引田「病院の医師・・・そう。この世界のわたしは、医師のままでいる道を選んだのね。」
蛍「じゃあ、Gnosisは存在していないって事かしら?世界が違うから、おかしくは無いけど・・・ここの私も、験司と添い遂げていて欲しいわ。」
ひなた「ですが、遥さんとさくらさんと亜衣琉さんとパレッタさんとは、まだお会いした事がありませんね・・・紀子さんのボーイフレンドの、乾(いぬい)憐太郎さんは一応知っているのですが・・・」
亜衣琉「あら?じゃあ、私とは会って無いの?私、その憐太郎君のお姉ちゃんなんだけどぉ・・・」
ひなた「えっ?貴女、憐太郎さんのお姉さんなんですか!?」
純子「このホルスタイン女が?」
ひなた「じ、純子さん、その言い方は失礼ですよっ!亜衣琉さんは・・・グラビアアイドルさん、ですよね?」
亜衣琉「残念♪私はグラビアアイドルじゃなくて、ただのレン君の小悪魔なお姉ちゃんよっ♡」
純子「小悪魔?サキュバスの間違いだろ?」
ひなた「純子さんっ!?あ、あのっ、憐太郎さんにお姉さんがいると聞いた事はありますが、町の外の大学に通っているみたいでして、まだお会いした事は無いです・・・」
亜衣琉「分かったわ。ありがとう、ひなたちゃん。じゃあ、これから私・・・異世界のレン君を、私のモノにしに行こっかなぁ♡」
ひなた「私のモノ・・・え、ええええ~っ!?」
蛍「もう、亜衣琉ちゃんったらこれ以上身勝手過ぎる事をするのは止めなさいっ!」
純子「あの女、実の弟に手を出す気か・・・?やはり、サキュバスで正解じゃないか。」
紀子「まぁ半分冗談だと思いますし、悪魔とまでは言いませんけど・・・フォローは出来ないですね。」
樹「それでも半分は、本気なんだね・・・」
穂野香「こっちの亜衣琉さんは、もう少し色々とマシな事を祈るわ・・・でも、こっちの私達はどんな感じなのか、気になるわね!」
さくら「そうですね~!ここのわたしも、桜の精なのかな~?お梅さんやバラン様、それに真ちゃんと一緒にいるのかな?」
引田「気持ちは分かるわ。でもドッペルゲンガーやタイムパラドックスでは無いけれど、平行世界の自分同士が出会うとどうなるか分からないから、あまりお勧めは出来ないわね。」
蛍「生きて別の道を歩んでいるならまだいいけど、もしかしたら死んでいたりするかもしれないし、自分も近い内にそうなるかも・・・って思って生きて行くのは、辛いのは辛いわ。」
遥「私も近い事を経験した事がありまして、その時も思ったのは・・・別の世界にも『私』がいるのなら、私は『私』が元気に過ごしている事を祈る。それしか出来ないのかな、と。ただ、わがままを言っていいのならこの世界にもモスラがいて、この世界の私と縁があったらいいな・・・と思います。」
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好釦