その後、家の中でこれまでの十二使獣に関する事を聞いて・・・夕方頃にひなたさん・斗真さんに連れられて第十一地区に行って、「バーガーギドラ」で目玉メニューの「三頭(さんず)バーガー」を食べた。
牛・豚・鳥・・・三つの肉のパティが入ったハンバーガーはすごく食べごたえがあって、いい意味でファーストフードを食べてる感じがしなかった。
また食べたいなぁ、これ・・・
「ん~っ!おいしいですねっ♪斗真さんっ、
章造さんっ。」
(はい!おいしいです!こんなに食べごたえのあるハンバーガー、始めてです!)
「だよな!やっぱ連れて来て、良かったぜ!」
「わたしもそう思いますっ・・・さて、では皆さん食べ終わったと言う事で、牛さんと豚さんと鶏さんに感謝しながら・・・」
「「(ご馳走さまでした。)」」
・・・それにしても、「ギドラ」って何なんだろう?ドラゴン的な?
「・・・斗真さんもひなたさんも、いい感じで案内出来てるみたいでいいっすね~。あの子、次はおれっちが案内しようかな?」
「謙介、どうした?バーガーギドラをジロジロ見てさ?行きたいのか?」
「いや、何でも無いよ~?ちょっと品定めしてただけ~。」
「品定め?どうせ、あのスカート短めな店員でもチラ見してたんでしょ?」
「てへっ、バレちゃった~?」
「大丈夫だケンケン、俺も品定めしてたから!」
「うわ、サイアクなんですけどこの男子共!」
「いや、オレはあそこに座ってる戸枝ちゃんを・・・」
「あんまり変わらんて、それ!」
「ほんと、男ってああ言う感じの女が好きよね~。まぁ、戸枝センパイはこの町の人気者なんだけど。」
「つうか、竜宮先輩も一緒にいるし。最近、よく戸枝先輩と一緒よね?」
「付き合ってるとか、もう同棲してるとか、噂は絶えないわよねー。あの2人。」
「マジか!?やっぱ美男美女で落ち着くのかぁ・・・」
「ケンケン的には、戸枝ちゃんってどうなのよ?」
「おれっち?まぁ、付き合うならひなたさんみたいな女の子がいいっすね。でも、ひなたさんには斗真さんこそがお似合いだと、おれっちは思うかな~。」
「あれ、以外とストイック。」
「何か、悔しくない?この町のマドンナみたいな女の子が、いきなりやって来た男に取られたみたいでさ・・・」
「・・・斗真さんは、いきなり来たわけじゃないよ。ずっと昔から、ひなたさんみたいにこの町を愛し続けてる、凄い人なんだ。」
「さようなら~っ!
章造さ~んっ!また来て下さいね~っ!!」
「じゃあなー!
章造ー!また会おうぜー!!」
「はぁ、はぁ・・・あっ、
章造~!!バイバ~イ・・・」
そして、第六地区の真地駅に戻って、電車に乗って・・・僕はひなたさんと、斗真さんと、真地町と別れた。
あっ、最後に叫んでたのは僕の親戚の来造義兄さん。バイトがあって来れなかったらしいけど・・・ほぼ忘れてたから、別にいいや。
(ひなたさーん!斗真さーん!さようならー!!)
『次は~、王座駅~、王座駅・・・』
電車は真地町を出て、僕は椅子に座りながら今日の事を思い返す。
普通の観光だと思っていたら、デストロイアに襲われて・・・ゴジラに会えて、助けられて・・・ゴジラに関する真実まで知った。
それも全て、ひなたさんが僕を案内してくれたから・・・ひなたさんのお陰で僕の願いが叶って、真地町が好きになった。
だからひなたさんと、僕を助けてくれたゴジラ・・・斗真さんには、ありがとうしか言えない。
・・・まぁ、元は来造義兄さんが招待してくれたのもあるから、そこは後でありがとうメールを送っておこう。バラゴンにも会えたし・・・
ーー・・・
章造さんっ、これをどうぞ。俟臨神社オリジナルの、「海神祈願」のお守りですっ。
おみくじと一緒にこれを持っていれば、きっと「わだつみ様」・・・ゴジラさんが、貴方を悪い事から守ってくれますよっ。
ゴジラさんが大好きな貴方に、特別に差し上げますねっ♪
ーーもうお前は、この町の住民みたいなもんだからな。
これはこれからも、俺がお前を守ってやるって言う証だ。
だから、帰っても色んな事を頑張れよ!
章造!
ーー
章造さんに、幸あれっ。
俟臨神社を去る前にひなたさんから貰った、波にも炎にも見える柄の青色のお守り「海神祈願」をポケットから出して、僕は俟臨神社でお願いした事を思い出す。
きっと・・・いつか、その願いは叶うと信じて。
(・・・また、ひなたさんとゴジラに、会えますように。)
第0話・おわり