「Twelve Beast」第0話「ようこそっ、真地町へ!」
主人公名変更
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「やりましたねっ!章造さんっ、これでもう安心ですよっ。」
(はい!ひなたさんの言う通りでしたね!ありがとう、ゴジ・・・)
僕がゴジラにお礼を言おうとした・・・その時。
またしても周りに揺れが起こったかと思うと、空き地の地面から突然もう一体のデストロイアが現れて、ゴジラに背後からハサミで攻撃した。
〈ぐあっ・・・!〉
(あっ!!)
「ゴジラさん!!」
デストロイアの不意打ちにゴジラは体のバランスを崩しながら、尻尾で攻撃しようとした。
でもデストロイアは尻尾をかわし、口から紫の光線を吐いてゴジラを攻撃。
今度はゴジラも光線を胸元に受けてしまい、苦しそうにしながらもデストロイアに近付こうとする。
〈ぐおおおおおっ・・・!
こんの、やろう・・・っ!〉
「こんちきしょう!後から不意打ちなんてセコいぞ!」
「ゴジラー!!がんばってー!!」
「そんな奴、一捻りにしろぉ!」
またしてもピンチになったのに、みんなゴジラを励まし続ける。
みんな信じているんだ・・・ゴジラの事を。
ゴジラなら、やってくれるって。
だから・・・僕も信じる。ゴジラを。
僕の憧れ・・・今こうやってあきらめずに戦う、目の前の怪獣の王を。
「ゴジラさん・・・!」
(ゴジラ・・・!)
「(負けないで・・・!!)」
〈・・・ゴジラさん!今、助太刀します!〉
すると、ひなたさんの十二使盤からまた光の粉が出て、すぐにまた違う鳴き声が聞こえて来て・・・デストロイアの足元の地面がいきなり崩れた。
デストロイアはまるで落とし穴に落ちたみたいに崩れた地面に落ち、その隣から新たな怪獣が現れた。
大きさはデストロイアより小振りで、一本の角と大きな耳が付いた狛犬みたいな顔の、ヒダヒダな感じの背中に尻尾も生えた、薄い赤色の四つ足の怪獣・・・
これって、まさか・・・
〈助かったぜ、バラゴン!〉
「バラゴンさんっ!来てくれたのですね!」
そうだ、バラゴンだ。
ゴジラとよく一緒に目撃されてる、ゴジラの忠犬のような怪獣。
ゴジラだけじゃなく、バラゴンまで生で見れるなんて・・・本当なら喜んだらいけないのかもしれないけど、やっぱりバラゴンもスゴい・・・!
「あっ、バラゴンだ!」
「かわいい~♪」
「バラゴーン!ゴジラと一緒にあいつをぶっとばせー!」
「バラゴンもがんばれ~!!」
そう言えば、他の怪獣もゴジラと一緒にいる事が多いけど、バラゴンはその中で一番多くゴジラと一緒に目撃されている怪獣だった。
じゃあ、やっぱりバラゴンも・・・
(あの、ひなたさん。バラゴンも『十二使獣』ですか?)
「はいっ。ゴジラさんが十二支で言う『辰』なら、バラゴンさんは『戌(いぬ)』・・・ゴジラさんと最初に力を合わせた『十二使獣』さんなんですよっ。」
(やっぱり・・・バラゴンって、一番ゴジラと一緒に目撃されていますし、もしかしてと思いまして。)
「はいっ。章造さんは、本当にゴジラさん達にお詳しいですねっ。では・・・いつもと少し違う姿のゴジラさんを、見た事はありますか?」
(いつもと違う姿のゴジラ・・・?あっ、そう言えば手足の形が違うゴジラの写真を、少しだけ見た事があります。どの写真もはっきりと写ってませんでしたけど、何だか体の一部が変わったみたいな感じで・・・)
「・・・では、『十二使獣』さんと・・・『十二使獣』さんの頂点に立つ『獣王』のゴジラさんの、更なる力をお見せしましょう!章造さんっ、ゴジラさんとバラゴンさんを・・・よく見ていて下さいねっ。」
ひなたさんに言われた通り、ゴジラとバラゴンを見る。
ゴジラに駆け寄って無事を確かめるバラゴンに、ゴジラは信頼の眼差しを向けながら頷き、バラゴンがゴジラの前に立って一緒に咆哮を上げると・・・
〈行くぜ・・・バラゴン!!〉
〈りょっ!行きますよ~!!〉
(・・・えっ!?)
バラゴンの体が、さっきの斗真さんみたいに光の粉に変わって、ゴジラの右手に集まって・・・
〈・・・バラゴン、「獣装」!〉
・・・大きなグローブみたいになった。
いや、グローブと言うよりバラゴンの顔みたいな拳が付いて・・・
と言うか、バラゴンが・・・武器になった!?
「びっくりしましたか?あれは『獣装(じゅうそう)』。なんとゴジラさんは、他の『十二使獣』さんを武器にする事が出来るんですっ!」
ほんとに・・・バラゴンが武器だった。
「きた~!ゴジラとバラゴンの合体だ~!!」
「これで、もう絶対に負けないねっ!」
『ゴジラと、バラゴンで、パンチ!パンチ!パ~ンチ!!』
「やっちまえええええええ!!」
〈ゴジラさんに不意打ちしたからには、覚悟はいいよねっ!〉
〈デストロイア!バラゴンと一緒に、お前をぶちのめす!くらいやがれ!!〉
そう僕が驚く間に、ゴジラはデストロイアに走り寄ってバラゴンの武器・・・ナックルでデストロイアにアッパーを食らわせ、これまでで一番思いっ切りぶっ飛ばされたデストロイアは宙を舞った。
そのまま空き地に落ちたデストロイアはすかさず光線を吐いてゴジラに反撃・・・するけど、ゴジラはナックルから赤い光線を出して受け止め、デストロイアにまた走り寄る。
デストロイアは背中のツメでゴジラを攻撃しようとするも、ゴジラはナックルに付いたバラゴンの耳を広げてシールドのように防御して、更にナックルの後ろにしまっていたバラゴンの角を伸ばすと、デストロイアの背中のツメを切り裂いた。
「バラゴンさんの武器はパンチする以外にも、ああして角を刃のようにしたり、光線を出したり、耳で防御したりと色んな使い方が出来るんですっ。すごいですよねっ!」
(はい!まさに「鬼に金棒」ですね!)
ゲームで言うマルチウェポン・・・かな?
バラゴンを「獣装」する前はデストロイアも反撃出来ていたのに、今は反撃すら出来なくなってるのが、バラゴンの武器の強さの証拠になっていた。
ゴジラは角を元に戻すと、デストロイアに素早くボディブローを浴びせる。
強烈な一発にデストロイアはうずくまり、ゴジラがナックルを振りかざすと、ナックル全体が煙が出るくらいの高温に、まるでマグマをまとったみたいな感じになって・・・
〈行くぞ!バラゴン!〉
〈行きましょう!ゴジラさん!必殺・・・!〉
〈〈G狗(ジーク)、パンチ!!〉〉
灼熱の右ストレートが、デストロイアの体を思いっきり殴り付けて・・・マグマに包まれたデストロイアはチリになって、消え去った。
今度こそ・・・ゴジラの、勝ちだ!
「よっしゃあ!ゴジラが勝ったぞぉ~!」
「やっぱ、合体したゴジラは無敵だぜ!!」
「今日も助けられたわ・・・ありがとう、ゴジラ・・・!」
『アリガトウデス!!ゴジラ!!』
「バラゴンもありがと~!!」
「ああ・・・わだつみさま、これからもこの町をお守りください・・・」
バラゴンは元の怪獣の姿に戻って、ゴジラと一緒に感謝する人々を見つめる。
こうやって見るゴジラとバラゴンは、僕にとって本当に神様のように見えた。
〈ありがとな、バラゴン!〉
〈いえいえ、ゴジラさんと一緒にこの町を守るのが今のおれっちの使命ですから。〉
「バラゴンさん、今日もありがとうございましたっ。」
〈へへへ~、ひなたさんにそう言われたなら、駆け付けた甲斐がありますね~。あっ、そう言えばゴジラさんって今ひなたさんと一緒に、あの男の子の案内をしてるんでしたっけ?じゃあ、おれっちはお邪魔にならない内にそろそろ退散しますね~。〉
〈何かすまねぇな・・・なら、明日の放課後にまた遊ぼうぜ。じゃあな、バラゴン。〉
〈あざっす!じゃあゴジラさん、ひなたさん、さよなら~。〉
「さようなら、バラゴンさんっ!」
バラゴンはゴジラとひなたさんと少し話すと、右手を振って地面に潜って行った。
ひなたさんって、バラゴンとも仲がいいんだ・・・と言うか、放課後?
(あの、バラゴンも斗真さんみたいな人間の姿になれるんですか?)
「はいっ。『剣崎謙介』さんと言う名前で、中学校に通っています。なので、わたしが中学生だった時の後輩さんなんですよっ。」
(そうなんですか・・・じゃあ他の怪獣と言うか、「十二使獣」も?)
「そうですね。わたしと斗真さんのクラスメイトさんだったり、隣のクラスにいらっしゃったり、一つ上の先輩さんだったり、いつも町をぷらぷらされている自由な方だったり・・・まだ、十二使獣の皆さん全員とはお会い出来ていないのですが、他の十二使獣さんも人としてこの町の何処かにいるのは、間違いありませんっ。」
(す、すごい・・・!じゃあ、まさにこの町は怪獣と共に生きる・・・「怪獣が住まう町」、なんですね!)
「はいっ!とっても素敵ですよねっ!さぁ、それでは章造さんっ。斗真さん・・・ゴジラさんに、お礼を言いましょうっ。」
僕はひなたさんと一緒に斗真さん・・・ゴジラの足元に行って、ゴジラを見上げる。
僕とひなたさんを見つめる、すぐ近くで見るゴジラは・・・
〈お前が無事で、良かったぜ。章造。〉
・・・やっぱり、かっこよくって。
僕の「憧れ」が・・・目の前にあった。
(ありがとう・・・ゴジラ!)