「Twelve Beast」第0話「ようこそっ、真地町へ!」
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「では、真地タワーの中に入りましょうっ!」
タワーの中に入って、エレベーターで5階へ。
5階はこの町の歴史資料館になっていて、歴史が書いてあるパネルや色んな物が展示されていた。
でも、歴史についてはひなたさんからここまで来る間に大体聞いたなぁ・・・まぁ、それだけひなたさんがこの町について知ってるって事だけど。
それにしても気になるのが、ひなたさんが一番力説してた「わだつみ様とたたら神」って言うこの町に伝わる寓話と、「第四地区」の工場地帯の永久閉鎖が同じ頃の話である所。
「たたら神」は人々が捨てたゴミや汚れが寄り集まった悪い神様らしくて、「わだつみ様」は人々の願いで海から現れて、「たたら神」の汚れを全て払ってくれた神様らしいんだけど・・・第四地区は真地湾沿いにあって、工場なんてゴミや汚ればかり出る所だし、さっきひなたさんはゴジラの事を「海神様」って言ってたけど・・・
もしかして「たたら神」も怪獣で、「わだつみ様」ってもしかして・・・
「どうした?そんなに第四地区が気になるのか?」
(あっ、はい。何か、「たたら神」でも出そうだなって。)
「確かにな・・・でも、『たたら神』も人々がゴミや汚れを押し付けなければ、普通の神様だったんだ。今でこそ、この町は人々が手を取り合ってより良い町にしてるけど、昔は顔を合わせればケンカしてるような、人々同士で争ってばかりの町だったんだ・・・第四地区に工場を建てまくっていたのも人々の対立が主な理由で、今は工場は全部動いて無いのにわざとそのままにしてるのは、『たたら神』の事を忘れないようにしているからなんだぜ。」
(そうなんですか・・・何だか、その場に居たみたいな迫真さですね。)
「そ、そっか?」
「えっと、章造さんもこの町に更に興味を持って下さったと言う事、ですねっ!ありがとうございますっ!」
(は、はい。)
「では、もっと興味を持って頂く為に1階に戻って・・・『ワダツミーとタタラン』ショーを一緒に見ましょうっ!」
(・・・えっ?)
『タタラーン!これいじょうのゴミのポイすては、やめるんだー!』
『や~だヨ~!だってみんなも、ポイすてしてるも~ン!』
・・・思っていた以上に、遊園地の着ぐるみショーだ。
「ワダツミーとタタラン」。
この町のゆるキャラで、ひなたさんのカバンに付いていたよく分からないぬいぐるみの正体。多分、元ネタは「わだつみ様とたたら神」。
コワモテだけどいいやつの恐竜みたいな「ワダツミー」と、かわいいけどちょいワルなお椀みたいな「タタラン」が繰り広げる、のほほん教育作品・・・
やはりと言うか、周りにいるのが親子や子供ばかりだから、ちょっと恥ずかしいけど・・・
『こうなったらー!おれがおまえをとめるー!きずつきたおれても、かまわなーい!』
『なんでだヨ~?わるいのはぼくだけじゃなくって、みんななの二~!』
・・・思っていたより、意外と深い内容だ。
「ひなた!今日の『ワダツミーとタタラン』ショーも面白かったな!」
「はいっ!きっと皆さんも、ゴミのポイ捨てはいけない事だと分かって・・・あっ、章造さんは楽しくなかったですか・・・?無理に連れて行ってしまい、ごめんなさい・・・」
(い、いえ!そんな事は無いです!考えさせられる話だったなぁ、と振り返っていただけで・・・)
「それは良かったですっ・・・『ワダツミーとタタラン』はこの町の良い所の一つですので、章造さんにも分かって頂けましたら、わたしも嬉しいですっ!」
「ちなみにな、『ワダツミーとタタラン』ってひなたのママが考えたんだぜ。」
(ええっ!)
「あっ、斗真さんっ!それは手前味噌になるので聞かれるまでは言わないって、約束したじゃないですか・・・」
「げっ、そうだった!ごめんな、ひなた・・・」
「いえいえ・・・それならもう、章造さんにはこの事もお話ししますね・・・『わだつみ様とたたら神』は、わたしのおばあ様が作者なんです。」
え、ええっ!?
ひなたさんのお母さんが「ワダツミーとタタラン」の、おばあさんが「わだつみ様とたたら神」の作者・・・す、すごい家系だ。
そんな家に生まれたら、確かにこの町を大好きにならないわけが無いし・・・じゃあ「ワダツミーとタタラン」は、本当に現代版「わだつみ様とたたら神」って事なのか・・・
(す、すごいです!)
「あ、ありがとうございますっ。わたしもおばあ様やお母さんのような作家になる為に、小説の勉強をしていまして・・・」
(そうなんですね!頑張って下さい!)
「はいっ♪」
「じゃあ、次は展望台に行こうぜ!この町を、空から見渡して欲しいんだ!」
12階までエレベーターで上がって、展望台に到着。
6階以降は太陽光発電の施設があって階層自体が高いみたいだから、12階はほぼタワーの頂上に近い場所だった。
「では、章造さんっ。真地町を一望してみて下さいっ!」
「俺とひなたが、みんなが大好きなこの町の全部を見てくれ!」
窓から見えた真地町は・・・本当に「まちまち」で、色んな色が混ざった鮮やかな場所だった。
繁華街、空港、高級住宅街、工場跡、緑、海、そして青空・・・電車の窓から見た時も思ったけど、本当に違う場所にいるみたいにそれぞれがバラバラで、それが一つの町としてまとまっていて・・・何だろう、僕が怪獣になったみたいな・・・
不思議だけど、親しさや憧れが湧いて来る・・・
「・・・章造さん。どうですか?」
(・・・最高でした。何だか、怪獣か神様になった気分で、みんながこの町が好きだって言う訳が分かった気がします!ありがとうございます!)
「いえいえっ。この町をもっと好きになって下さったのでしたら、わたしと斗真さんからもお礼を言わせて下さい。」
「ありがとな、章造!この町を、好きになってくれて!じゃあ、それそろ次の地区に行こうぜ!」
(はい!)