史上最大のラジオ番組「ゴジラジオ」! in令和











3、2、1・・・






『ゴジラ、65回目の誕生日おめでとう!!』









11月3日、1時3分・・・



遥「はい、さくらちゃんと真君の分のイオちゃんコロッケ。」
さくら、真「「ありがとうございます!」」
遥「どういたしまして。それはやっぱり、映画を見ながら食べるの?」
真「はい。おれは映画の中でコロッケが出て来たら、開けるつもりです。」
さくら「わたしもです。だって、これはイオちゃんのコロッケですから!あっ、バランパーカーの人も買ってますね~。」
バラン『否、此の揚げ物・・・袋に何か英文字が書いて有るが?』
お梅『そこ突っ込むんは禁句やで?バランはん。これは「ゴジラ2000」の篠田イオはんのコロッケや、ええな?』
バラン『然し、此れは恐らく付近の店の・・・』
お梅『鈴木麻由はんがわざわざ喜多川2tomはんの話が終わるまで待って、「揚がったよ~♪」って言うて来たコロッケや、やからこれは誰が何と言おうとイオはんのコロッケや、ええな?』
バラン『・・・』
さくら「鈴木さん、イオちゃんがほんとにそのまま大人になったみたいな人だったね!サインお渡し会も参加出来たし、近くで見ると可愛かったな~♪」
お梅『べっぴんさんやったねぇ、麻由はん。お喋りしてる時も茶目っ気あって、聞いてて楽しかったどすなぁ。』
真「長台詞も何も見ずに言ってたし、鈴木さんは女優業を引退してるのが本当に勿体無いって思った。喜多川さんも今もニチアサで名前見るけど、近くで握手したら本当に凄かった・・・!」
バラン『「顔の見え無い主役」、彼らも敬意に値するニンゲンだ。今尚裏方でトクサツを支える男、キタガワ・ツトムか。覚えて措こう・・・』
遥「喜多川さんもトークが上手かったですし、鈴木さんと一緒に裏話をたくさん話してくれましたから、この後の上映がとても楽しみです。トークショーの間にやったゴジラ65周年のカウントダウンも、凄く盛り上がりましたね。」
さくら「はい!みんなでお祝いするのって、テンション上がりますね♪歴代ゴジラさんの画像と一緒にカウントするのも良かったです!」
真「個人的には、エメゴジとアニゴジもカウントしてるのが良かったですね。この二つって公式の作品カウントで無かったりする事が割とあって、モヤモヤしていたんで・・・」
お梅『流石は怪獣王、盛大な祝賀やったわぁ。バランはんも、自分の誕生日にこれくらいやって欲しいって思うたやろ?』
バラン『何故、私に振る?其れ寄り、ハルカの隣の男が寫眞(しゃしん)撮影の際に顔を隠して居たぞ。』
お梅『そう言えば、そやったなぁ?自分の顔が写るんが不味いって、やっぱし何か怪しいどすなぁ?』
遥「えっ?さっき頼み込んで休みにして貰ったって言ってましたから、別の理由で休んだのを知られたく無いだけなのでは・・・?」



岸田「おっ、やっぱ春華ちゃんもイオちゃんコロッケ買ってんな?俺は特撮くじもやってんけど、これあげるわ!」
遥「えっ、これって『最珠羅の封印石』のオーナメントですか!?」
岸田「春華ちゃん、さっきこれ欲しそうにしてたし、俺は別にどっちでもええから欲しがってた春華ちゃんが持っといた方がええと思ってん。やから、遠慮せんと受け取ってな!」
遥「で、ですがくじは一回300円しますし・・・」
岸田「ええよ、お金なんて。正直、仕事の都合で金にはあんま困ってへんし・・・」
お梅『あんさん、何しとるんや?口説きの次は、贈り物かいな?しかも目ざとく、遥はんが欲しい物を差し出すなんて・・・遥はん、そんなんもろたらあかんで?それを口実に、遥はんを思い通りにするつもりどすえ?』
岸田「ちょ、そんなんとちゃいますよ!単に春華ちゃんが欲しがってたこれを、一回だけくじ引いたら偶然手に入れたから、迷惑かけたお詫びに・・・」
バラン『詫び?御前、先程金には困って居ないと言ったな?大方ハルカに取り入る為に、金の力を使って強引に入手したのだろう?其れに御前は集合寫眞の際、顔を隠して居たな?顔を知られたく無いのは、後ろめたい仕事をして要るからでは無いのか?』
岸田「はいぃ!?俺を麻薬の売人みたいに言わんで下さいよぉ!確かに顔は仕事の都合で、あんまSNSで拡散されるんはマズいかなって思って隠しましたけど、くじの件ならロビーにおるキャストさんに聞けば分かりますから!」
遥「わ、私もそんなに目くじらを立てて岸田さんを責める事は無いと思います。いい人なのは知ってますし。」
岸田「あ、ありがとう春華ちゃん!!やっぱ、春華ちゃんは優しい娘やわ~!!」
遥「い、いえ・・・」
さくら「あの~?遥さんがどうかしましたか?」
お梅『えっ?なんもあらへんよ~?やから、さくらはんは真はんとイチャイチャしとき?』
さくら「へえっ!?も、もう。お梅さんったら・・・」
お梅『・・・とりあえず、遥はんの寛大さに免じて大事にはせんといたるわ。やけどなぁ、これから暗がりに紛れて遥はんに少しでもお触りしようもんなら・・・』
バラン『御前を容赦無く、此処から退場注せる・・・肝に銘じて置く事だな?私達は何時でも、御前の不審な行為を監視して要るぞ?』
岸田「わ、分かっとるっちゅうねん!こうなったら俺が無害って事を、あんたらに証明したるからな!やから安心してな、春華ちゃん?」
遥「は、はい・・・それにしても、岸田さんの私の名前の呼び方に違和感があるんだけど、どうしてなんだろう・・・?」






「ゴジラ2000」上映中・・・



イオ「揚がったよ~♪」






真「よし、コロッケ開封っと。やっぱりほとんどの人が開けてる・・・」
さくら「イオちゃんコロッケ、おいしいね♪真ちゃん♪」
真「うん・・・何だろう、いつもより美味しく感じる。」
さくら「わたしも・・・だよ。」



お梅『こんなんいつ以来食べたか分からへんけど、美味しいどすなぁ♪』
バラン『・・・悪くは無い。』
遥「そろそろ、私も食べよっかな。」
岸田「イオちゃんコロッケ、いただきま・・・」



遥、岸田「「・・・あっ。」」



遥「す、すみません。手に当たってしまいました・・・」
岸田「ええよ~、別に。俺は全然気にしてへ・・・っ!?」
お梅、バラン『『・・・!』』
岸田「あ・・・あかん、かった?」
お梅『上映終わるまで、おとなしゅうしとき・・・な?』
岸田「おうっ!?」
バラン『絡まれば、カイジュウの姿の私すら解くのは困難なウメの蔓だ、無駄な抵抗はしない事だな。』
遥「あの、コロッケを食べようとしたらお互いの手が当たっただけなので、本当に不可抗力なんですが・・・」
バラン『不可抗力?』
お梅『それもほんまか怪しいから、一応このままにしとくわ。別に手が使われへんだけやし、追い出されへんだけええやんなぁ?』
遥「え、えっと・・・」
岸田「いや、コロッケ食うんもジュース飲むんも無理やねんけどっ!?こんなミレニアンみたいな事せんと・・・」
お梅『ミレニアン?うちが?じゃあ、うちはオルガナイザァなんちゃらの代わりに、あんさんの生気吸うたろかいなぁ?』
岸田「ひいっ!?」
お梅『それが嫌やったら、おとなしゅうして観よか?』
岸田「は、はぁい・・・」
バラン『・・・ウメに捕らえられた事だけは、同情掏るぞ。』






3時7分、「ゴジラ2000」上映終了後・・・



真「『ゴジラ2000』、凄かった。終末感と言うか・・・音楽や雰囲気はまさにそんな感じだし、ラストもミレニアンを倒したって喜べない、ゴジラって言う存在の凄さと恐ろしさがひしひしと伝わって来た。」
バラン『ニンゲンの科学の暴走と過ち、其の最たる象徴こそがゴジラだ。ゴジラを打倒掏る事も、吸収して体を奪還掏る事も、出来る筈が無い。ニンゲンとミレニアンの傲慢だ。』
遥「篠田さん達はゴジラを自然災害みたいに解釈して、何とか被害を抑える事しか自分達には出来ないって言ってたけど、それが一番無難な選択だったのかな。でも、ゴジラだって生物・・・だから生きる為に人間にもミレニアンにも敵対したって、私は思う。」
お梅『オルガナイザァなんちゃらも、結局はゴジラはんしか使われへん宝物みたいなもんやったもんなぁ。「ゴジラはんはうちらの中におる」、ゴジラはんは手が届きそうで届かへん、まさに「神」みたいな存在なんやなぁ・・・』
さくら「ミレニアンさんもだけど、ゴジラさんも可哀想だね・・・わたし、最後に東京を火の海にするゴジラさんを見て、何だか悲しそうに見えたんだ・・・だから、ゴジラさんがもう怒らなくていい世界になって欲しい・・・わたし、変かな?」
真「ううん、変じゃない。さくらのそう言う所、おれは本当にいいって思う。ゴジラ映画は色々あるけど、どの作品も本当に伝えたいのは平和への願いだと思うから、最高の理想はゴジラと平和に共存してる世界だとおれも思う。」
遥「さくらちゃんの意見は、どのゴジラ作品でも根底では尊重されてるって私も思うわ。」
バラン『御前は御前だ。其れを他人の思惑に捻じ曲げられる権利等無い。』
お梅『うちはそう言うさくらはんが、ほんまに素敵やと思うどすえ。』
さくら「皆さん・・・あ、ありがとうございます!えっと・・・そうそう、イオちゃんはやっぱり可愛かったです!」
お梅『そやったなぁ。年かさの割にしっかりしとるけど、お父さんが心配で探しに行ったり、地獄行ったかと思うて泣くとことかはほんま健気で可愛ええわぁ。イオはん以外なら由紀はんも最初は正直情けないおなごやったけど、最後はええおなごになったとうちは思うどすえ。』
さくら「由紀さんって、後半からイオちゃんとコンビを組んでるみたいでしたね~。あっ、そういえばCCIの片桐って人・・・『まだ結婚できない男』でしたよね?」
真「そんな事言ったら、『ヤマトタケル』のツクヨミも結婚できない男になっちゃうんだけど・・・偏屈で、態度が大きくて、仕事とルックスは良いんだけど、悪い人なのか本当はいい人なのか分からないのは片桐と一緒・・・かな?ストーリー以外に目を向けるなら、この作品って特殊な戦闘が多いと思う。二回あるUFOとの戦いとか、自衛隊が使ったフルメタルミサイルとか。」
バラン『オルガとの闘争も、彼奴の性質も有って一風変わって居たな。私は闘争では無いが、最初にゴジラが蝦夷(えぞ)を襲撃した所が気に入って要る。彼の時のゴジラは正に、「神獣」と言える存在だった・・・』
遥「神の獣・・・そうだ、『ガメラ3』も同じ年の映画でしたね。完結作と再スタート作、守護神と破壊神、敵は超古代から地球にいた存在、主役怪獣のルーツに迫った内容、炎に包まれるラスト・・・色々共通点も対比点もあって、どちらも面白いです。」
お梅『あとは次の「オール怪獣大進撃」を待つだけやなぁ。』
岸田「・・・あの~、な~んか忘れてませんか・・・?」
お梅『あっ、そうそう。あんさんの事忘れとったわぁ。上映終わるまでやったな?はいな。』
岸田「うひっ!はぁ、はぁ・・・やっと解放されたわ・・・とりあえず、飲みもん飲みたいっ!ごくっ、ごくっ・・・はぁ~!生き返ったぁ~!」
遥「本当に申し訳ありません、岸田さん・・・」
岸田「ええよええよ、春華ちゃん。春華ちゃんは何も悪く無いんやから。」
お梅『これに懲りたら、遥はんに二度と手ぇ出さん事やな?』
岸田「ええよええ・・・って、なるかぁ!冤罪やぞ、冤罪!春華ちゃんも不可抗力やって言うとるやろ!」
バラン『先に紛らわしい行為をした、御前が悪い。』
お梅『そう言う事や。』
岸田「あんたら、よう平然と言えるわ・・・あんたらの血の色は何色や!ほんまに人間なんか!?」
遥「あ、ある意味合ってるかも・・・」
さくら「あの~、そっちで何かありましたか?」
お梅『なんもあらへんよ~?ほらほら、もう上映始まるで?真大明神と一緒に、ミニラはんを応援するどすえ~♪』
さくら「は、はいっ・・・!」
真「真、大明神?ミニラ大明神のノリ?」
岸田「ミニラでもゴジラでも誰でもええから大明神様ぁ、俺を助けてぇ・・・」
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好釦