拍手短編集








たんじょうび・・・






何だろう、昔聞いたことがあることば・・・






でも、おれには分かる。
「しま」達が教えてくれた。だれにでもある、たいせつな日・・・






いつもみたいにチャイルドとゆうひを見ていたら、いきなりバランとモスラが来て、着いて来てくれって言って来た。
とりあえずチャイルドと着いて行ったら、昔おれが生まれた、あの島が見えた。
びっくりしたけど、来て欲しいのは違う所みたいで、あんないされたのは違う島だった。
そしてそこにいたのは「はるか」と「しゅん」、そして何か白い物を持ったしまだった。
しま達はおれに教えてくれた。きょうはおれが生まれた日、だれにでもある、たいせつな日・・・






今おれは、その時の事を思い出している。
もうだいぶ前の話だけれど、おれは今でもはっきり覚えている。
だって、今までこんなにもうれしい事は無かったから。
おれはずっと、にんげんからきらわれている。それはおれが「かいじゅう」だから。
バランも言ってた。にんげんはじぶんと違う物を受け入れられない、と。
でも、しま達は違った。
さいしょにおれ達を受け入れてくれたのは、しま達だった。
おれだって、おれ達だってこのせかいに生きているんだ、みんなを苦しめるやつらとたたかっているんだ、って。
そんなしま達が、とてもうれしそうにしていた日・・・それがおれのたんじょうび。






さっき、にんげんは違いを受け入れられないって言ったけど、ここしばらくは変わってきているらしい。
バランもその考えを変えようとしてるみたいだし、モスラはずっと前からそれに気付いていたって言ってた。
みんな変わっていく。にんげんも、おれ達も。
前にしまもこう教えてくれた。それこそにんげん・・・いや、「生き物の一番良い所」なんだって。






そういえばしまが持っていた「ケーキ」って言うのは、チャイルドが食べたんだっけ・・・どんな味がするんだろう。
また来ないかな・・・おれのたんじょうび。
おれだけにある日、おれのたいせつな日・・・






・・・ああ、おれのたんじょうびは、すぐ近くだったみたいだ。










「おぉーーい!!ゴジラーー!!」

[ディガァァァァァァァァオオン・・・]
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好釦