史上最大のラジオ番組「ゴジラジオ」! in令和
真「それで、40周年には特に当てはまる作品は無かったと言う事で・・・50周年を迎えたのは、『ガメラ対大悪獣ギロン』と『緯度0大作戦』です。」
遥「かたや反地球のディストピア、かたや地球の中のユートピア・・・これも正反対な作品ね。子供向けと大人向けの違いもあるけど、今も変わらない未来への憧れを映像にしたのは一緒かな。」
バラン『双方も最後、緯度零(ゼロ)から帰って来た男は「ニンゲンは空の彼方許(ばかり)見ていて、此の世界に潜む謎を見ようとしない」と言い、空の彼方の悪人に誘拐去れた小童(こわっぱ)は「空の彼方許見ず、先ず此の世界を平和にしよう」と言った。伝えんと掏る事は似て要るな。』
お梅『うちは「ガメラ対ギロン」は空の彼方で起こった今の世のおとぎ話みたいな話で、「緯度0」は逆にハイカラな話やったわぁ。もしかして、うちらがまだ平安におった頃から緯度0の人らはうちらを見てたんやろか?』
さくら「ギロンちゃんもグリホンちゃんも結構可愛いのに倒されちゃって、ちょっと可哀想・・・」
バラン『御前は宇宙ギャオスを三枚卸しにした怪獣と、脳味噌に使われたニンゲンの都合で愛憎を拗らせ全く役に立た無かった怪獣を、良く可愛い等と言えるな?』
さくら「えっ?可愛くないんですか?」
バラン『当たり前だ。大悪獣に、継ぎ接ぎ怪獣だぞ?然(しか)も双方共に結局制御出来なかった、問題有りの怪獣だ。』
お梅『あら、まぁ?バランはん、やっとさくらはんに物申すようになったんやねぇ?うんうん、やっと松の中で桜と梅の扱いが均等になったんやなぁ。』
バラン『五月蝿いぞ、ウメ。昔も今も、サクラは御前と違って余計な事を言わ無かっただけの事だ。此の雑談を始めてからのサクラは、埜々可笑しいが。』
真「分かりましたから、本題に戻しますよ・・・おれは、どっちにもロマンを感じたかな。『対ギロン』は悪い宇宙人に引っ掛かっちゃっただけで、宇宙には高度な文明のある星があるのかもって思ったし、『緯度0』は謎だらけで終わったけど、緯度0の世界はあるかもしれないって思えた。アルファー号も黒鮫号もかっこ良かったし。」
さくら「わたし、緯度0には行ってみたいな~。銃が効かなくなるお風呂に入って、飛びながら指からレーザーを撃ってみたい!惑星テラにも瞬間移動する装置に、自動翻訳装置もあったし・・・あっ!このドーナッツとジュースも自動で出してたよね。悪い宇宙人や宇宙ギャオスがいないなら、ガメラさんと一緒に行ってみたいのにな・・・はむっ♪」
真「何気に惑星テラって、『ガメラ3』みたいなやばさだと思う。ギャオスが沢山いたり、星全体の環境がまずい事になってたり・・・と言うか、今気付いたけどさくらが食べてるのって、カルピスにシュガーレイズド・・・劇中に出てきたのとそっくりだ。睡眠薬、入って無いよね?」
お梅『その、悪どい空からの人?「フローベラ」と「バーベラ」って名前はええと思ったけど、それ以外は最悪なおなごやったなぁ・・・な~にが「花のように美しい名前」に、「小鳥のように可愛らしい名前」や。傲(おご)り高ぶりよってからに・・・同じ空からの人でも、かぐや姫を見習えっちゅう話や!地獄行きで正解やな!』
遥「そ、それ以前の問題だと思いますけど・・・」
バラン『其う言う点が、御前とサクラとの扱いの違いに直結して要ると言うのに・・・』
真「と、とりあえず次行きましょう!60周年を迎えたのは・・・「日本誕生」と「宇宙大戦争」です。」
お梅『「日本誕生」!うちの大好きな作品やわぁ・・・!うちも知っとる国生み神話から大和武尊はんの最期まで、ほんまに見とったみたいやった・・・素敵過ぎるどすえ・・・!』
遥「日本神話は三國志のように知っている人は多いはずだから、日本で生まれた人や日本文化に興味がある外国の人なら、世代を越えてきっと楽しめる映画だと思います。」
バラン『トクサツの黎明期に、此んなに素晴らしき活動写真が有ったとは・・・感心掏る。ヤマタノオロチとの闘いや最後の大洪水は中々の迫力だった。』
さくら「あれ?その映画って、大きいロボットが出て来た映画?」
真「それは『ヤマトタケル』。『VSスペースゴジラ』と同じ、1994年に公開された方。おれはこっちも好きだけど。」
さくら「あっ、そうだったね。ありがとう、真ちゃん。えっと・・・天照様が岩に閉じこもったり、途中で『休憩』って出て来た映画?」
真「そうそう。公開当時は長過ぎるくらいの上映時間だから、本当に休憩が入ったんだって。その分、忠実かつ豪華に日本神話を再現してるって思った。」
さくら「日本の昔話って、どれも素敵だよね・・・だから『飛梅伝説』も、映像になったものが見てみたいな。」
お梅『そやねぇ・・・ただ、当事者のうちらが見たら駄目出しばっかりになりそうやわぁ。』
バラン『私やウメは兎も角、サクラはヘイアンで枯れた末路しか伝わって居ない。今、此処でニンゲンと成ってドウシンの転生体と添い遂げて要る事等、他のニンゲンは知らぬだろうな・・・』
遥「私は、そこはあえて秘密にしていて良いと思います。もし他の人が知ってしまったら、さくらちゃん達に不幸も起こりそうですし・・・それに、その辺りはあえて秘密にしていた方が、素敵かなって。」
真「おれも、遥さんに賛成。知って欲しいって思った事は無いし、知る人ぞ知るくらいでいい。おれは・・・さくらといつまでも静かに、一緒にいれればいいから。あっ、勿論お梅さんとバラガミ様と遥さんも一緒に。」
さくら「わたしもだよ・・・真ちゃん。生まれ変わる前でも後でも、道真(みちざね)さまでも真ちゃんでも変わらない。『さくら』はいつまでも、貴方と一緒にいたいから。」
お梅『みちまさはんも生きてたら、同じ事言うやろうなぁ・・・うちも一番の願いは、さくらはんと真はんの幸せどす。』
バラン『ドウシンとの誓いだ、私も其の幸せを必ず守る・・・若しも、サクラとマコトを引き裂く者が現れた成らば、私は鬼神と成って出も彼奴を討つ決意だ。』
遥「こんなに思ってくれる神様がいるなら、きっといつまでも幸せだね。さくらちゃん、真君。私も、いつまでも見守るわ。」
さくら、真「「はい!ありがとうございます!」」
遥「ふふっ、お幸せにね・・・でも、あれ?もう一つ何か忘れてるような・・・」
真「あっ、『宇宙大戦争』です!」
遥「本当だ!本格的に宇宙を舞台にした、宇宙戦だったり『宇宙大戦争マーチ』で有名な、東宝特撮初期の娯楽大作なのに・・・」
お梅『あ~、それもあったなぁ。あれやろ?「シン・ゴジラ」の「八塩折(ヤシオリ)作戦」の時に流れてたマァチって、この映画のやったよねぇ?』
さくら「その映画に出て来た宇宙人って、ちょっと小さめで可愛いなって思ったのに、悪い人しかいなかったね・・・」
バラン『確か、月の上も歩いて居たな?ドウシンが其の生い立ちを「竹取物語」として伝えし、迦具夜比売(かぐやひめ)が住まう地をトクサツ黎明期に歩かせるとは、何と言う活動写真だ・・・』
遥「えっ?今、『竹取物語』は菅原道真が書いたって言いませんでした?」
真「恥ずかしながら・・・そうみたいです。確か『明野』って言う、元盲目の使用人から聞いた話を元にしたんですけど・・・自分が書いた事にしたらインパクトが無いって言って、あえて作者は不詳にしたみたいで。」
遥「元盲目の使用人の『明野』?それって映画の『竹取物語』に出て来た、小高恵美さんが演じた『明野』の事なの!?」
真「いや、おれまだ『竹取物語』は見てないんで・・・」
さくら「竹取物語を道真様が書いたのは知ってたけど、特撮映画の方は知らなかった・・・!わたし、見てみたい!」
お梅『うちも見てみたいわぁ~。道真はんが密かに書いたあの話を、どんな風に再現したんか・・・楽しみやねぇ。』
バラン『私も「日本誕生」の様な活動写真に成って要ると言う成ら、期待しよう。』
真「うーん、確か最後に『アレ』が出て来るくらいアレンジがあったりするらしいから、さくらやお梅さんはともかくバラガミ様は難色を示しそう・・・と言うか、『宇宙大戦争』の扱いが軽い・・・ファンの皆さん、ごめんなさい。」