クイズ アンバーの100のコト
「‐」バラン『此処迄来れば、大丈夫か・・・』
アンバー『あの、バラン?そろそろ戻りましょう?もうだいぶ森の中に入っていますし、皆様も心配していたら・・・』
「‐」バラン『戻る気等無い。勝手に招集して、勝手に問答に付き合わされて居たのだぞ・・・此方にも、少しは勝手をする権利はある。御前も正直、迷惑して居たのでは無いのか?』
アンバー『・・・はい。少々ですが・・・』
「‐」バラン『其れに私は闇雲に森に入った訳では無い。此処も私の聖域だ、目を瞑って居ても何処に居るかは把握出来る・・・御前に、見せたい場所が有る。』
アンバー『わたくしに、ですか?』
「‐」バラン『あぁ・・・着いたぞ。此処だ。』
アンバー『・・・湖?』
「‐」バラン『・・・此処は、聖域の奥地たる「神域」。私が「神」として、身を潜めて居た場所だ。』
アンバー『ここが・・・バランが「神」であった所・・・』
ーー何でしょう・・・静粛で、神秘的。
なのに、何処か寂しさも感じる・・・
「神の領域」と呼ぶに相応しくもあって、それでも少し争った跡が残っている・・・
バラン・・・ここで貴方は「神」となり、平穏に過ごしていましたのに・・・ここを追われ、そして・・・
アンバー『・・・ぐすっ。』
「‐」バラン『っ!?な、何故泣く?其んなに無理矢理連れて来たのが嫌だったのか!?』
アンバー『いえ、違います・・・貴方がここで「神」として平和に過ごしていた姿と・・・ここを追われてしまう、貴方の姿を想像したら・・・』
「‐」バラン『そ、其んな事で泣くな!私は、感傷に浸る為に此処に来た訳では無い。此の「神域」に他者を連れて来たのは・・・シュンと、御前だけだ。詰まり・・・御前は・・・』
アンバー『・・・心を許した存在、でしょうか・・・?』
「‐」バラン『・・・其うだ。』
アンバー『そうですか・・・では、此処に来れるのは最高の誉れなのですね。そんな場所で涙を流してご心配をおかけしてしまい、本当に申し訳ありません。』
「‐」バラン『否、原因が私の無理矢理な行動に因る物で無くて安心した。其の涙は、御前の良心の塊。否定はしない。』
アンバー『ありがとうございます。わたくしもここは「神」が座すに相応しい、素晴らしき場所だと思います。なので、来れて良かったです!』
「‐」バラン『其うか。為らば、私も良かった。』
アンバー『それから・・・ここで一つ、わたくしと素敵な思い出を増やしましょう。
3・・・2・・・1・・・』
「‐」バラン『?』
アンバー『・・・ハッピー♪バースデー、バラン。』
「‐」バラン『!!』
アンバー『・・・実は今日、穂野香から時計を借りていまして、10月14日になった瞬間にしようと思っていました・・・少し、羽目を外し過ぎましたでしょうか?』
「‐」バラン『・・・へ、突如変に可愛い子振り拠って・・・!可愛い子振るのは勝手だが、今度からは迂闊に擦るな・・・ヒジュラスやらスケコマシ共が寄って来て、私も迷惑だからな・・・』
アンバー『ふふっ、心得ていますよ。貴方がわたくしだからここに連れて来て下さったように、わたくしも貴方だからした事なのです。』
「‐」バラン『そ、其うか・・・為ら、良し。』
アンバーーー・・・ここまで取り乱す貴方が見れたなら、思い切ってやってみて良かったです。
提案して下さって、本当にありがとう・・・穂野香。
「‐」バランーー・・・漸く、心臓の鼓動の加速が収まったか・・・
此がニンゲンの言う、「モエ」なのか?
全く、私の心を掻き乱し拠って・・・まぁ良い、私だけのモノ為らば。
アンバー『わたくし、来年も貴方とここに来たいです。』
「‐」バラン『何も無ければ、考えて措く。』
???「ここで最後か・・・」
???「私にとって、本当に実りある旅だった・・・ありがとう。」
???「いや、俺にとってもバラダギと言う存在を見直す良い機会だった。誰もかれもが人間の姿を取っていたのは驚いたが、神と呼ばれるだけの風格はあったな。」
???「しかし、マタギのような同族に始まり、僧の様な者や配達員の様な同族がいたかと思えば、千早服の女の同族までいるとは・・・世界は広く、不思議だ・・・」
???「千早服の女は、俺と共に邪神を討ったバラダギと似た感じで懐かしさを感じたな。」
???「その同族とも、会ってみたかったものだ・・・マタギ風の同族は何故か、二回出会ったのも不思議だったな。」
???「俺達の事を知らなかったり、『バラガミ』と呼ばれていたから他人の空似だろうが、怪獣にも当てはまるとは。」
???「不思議と言えば、『電柱組』なる組織も奇っ怪だった・・・奴らが対抗していた『県立地球防衛軍』は一般人としては中々の逸材だった。出来れば我がレジスタンスに入って欲しかったが。」
???「俺としては、その『電柱組』の『バラダギ』は本当にバラダギと数えて良いのか、疑問に思うが・・・」
???「親は羽田なる場所で照明弾を飲まされて爆死したと言っていたではないか。私の名を聞いて親と勘違いする程に、心が傷付いている娘と言うだけでは無いのか?」
???「365日正月にすると宣(のたま)う奴だの、グリコーゲンだのマッスルだの名乗る変人がいる部下に囲まれていたら、精神を病むに決まっているだろうに・・・まぁ良い、次で最後だ。」
???「最後はどんな同族が・・・んっ?」
「‐」バラン『・・・っ!下がれ、アンバー!何者だ!我が「神域」に無断で立ち入る侵入者め!』
???「待て、俺達はあらゆる世界のバラダギの元を訪ねているだけの・・・なっ!?」
???「「またまた、マタギのバランだと!?」」
「‐」バラン『・・・又々?』
アンバー『どうやら、悪意は無いようですね・・・初めまして。わたくしはアンバーと申します。よしなに。貴方達は、バランの事を知っているのですか?』
???「あぁ。俺達は・・・ん?アンバー?聞き覚えがあるな?」
???「・・・そうだ、穂野香とか言う娘が挙げていた同族の名前がアンバーではなかったか?気配もこれまでの同族に似たものを感じる・・・」
???「なら、横にいる三人目のマタギ風のバラダギは瞬が言っていたバラダギか?」
「‐」バラン『シュン?呟きを聞くに御前達、シュンや同志の事を知って居る様だな?何者だ?』
朱雀「俺は朱雀火漸(かぜん)、異世界を渡る旅人。そして、隣にいるのは異世界から来たバラダギだ。」
異世界バラン「バランだ、宜しく頼む。しかし、同志と言う呼び方は異世界共通なのか・・・」
「‐」バラン、アンバー「『・・・えっ!?』」