Made in Maid
都内某所。
大型料理店「冥土の土産」前・・・
志真「おっ、ここが『冥土の土産』か。ゲストとしてこんなに大きな料理店に招待されるなんて、楽しみだな~。」
瞬「・・・嫌な予感しかしない。」
志真「えっ?お前、まだ疑ってんのか?」
瞬「当たり前だ。懸賞等をしていないにも関わらず、突然大型料理店に招待される・・・故意しか感じない。入店するや否や、茶番に付き合わされるのは目に見えている。」
志真「でも、もし本当に何も無かったらどうするんだよ?人の親切を裏切る事になるんだぞ?それに旨い料理は食べられるかもしれないし、料理が微妙か茶番みたいな空気になったら、さっさと帰ればいいんだし。」
瞬「・・・今のお前に、『注文の多い料理店』を見せてやりたい・・・」
遥「お帰りなさいませ♪ご主人様。」
志真・瞬「「」」
遥「ご主人様、どうぞこちらにお座り下さい。今、メニューとお水をお持ちしますね。」
志真、瞬「「は、はい。」」
志真「・・・なぁ、今って絶対遥ちゃんだよな?メイド服着てたけど。」
瞬「そう・・・だな。間違い無い。」
志真「ここ、『冥土の土産』って名前の料理店だったよな?遥ちゃんメイド服着てたけど。」
瞬「メイド喫茶とやらでは無いのは、確かだな・・・少なくとも、店内は確かに普通の料理店と言える。」
志真「・・・遥ちゃん、割とノリノリだったよな。メイド服着ながら。」
瞬「・・・志真、お前はまずメイド服から離れろ!何回言えば気が済む!」
志真「いや、だってさ・・・控えめに言って、超可愛くない?お前も正直に言えよ?」
瞬「・・・似合っていたのは、認める・・・」
遥「お水とメニューをお持ちしました、ご主人様。ご注文がお決まりになりましたら、そのベルを鳴らして下さいね。」
志真、瞬「「は、はい。」」
志真「・・・やっぱ、正統派っていいよな。」
瞬「妃羽菜の事か?まぁ、邪道よりはいいだろう。」
志真「当然!あっ、俺オムライスにしてみよっと。お前も頼んでみろよ。」
瞬「何故オムライスにしないといけない。俺はサバ味噌を頼む。」
志真「だって、メイドが持ってくるオムライスって言えば萌えキュン注入ケチャップだろ?それくらい経験しとこうぜ!」
瞬「意味が分からん・・・とにかく、俺はサバ味噌だ。」
志真「サバじゃねぇ!」
遥「お待たせしました。オムライスと、サバ味噌です。それでは、ごゆっくりとおくつろぎ下さい。ご主人様。」
志真、瞬「「は、はい・・・いただきます。」」
志真「・・・あれ?萌え萌え注入ケチャップが無かったぞ・・・?」
瞬「ケチャップなら、もうかかっているが?」
志真「ちがぁう!萌え萌え注入、ケチャップだ!しかも、萌え萌えジャンケンとかも無かったじゃんか!どうなってんだ!」
瞬「どうかしているのはお前だ。いいから食べろ。」
志真「ちきしょう、騙された・・・!遥ちゃんにメイド服を着せたからには、それくらいはしとかないと駄目だろ!俺と読者の期待を裏切んなよ!マジメかよ!」
瞬「真面目で何が悪い・・・しかし、このサバ味噌は中々美味しいな。」
志真「ん~っ!確かに、オムライスも結構美味しいな~。これで萌え萌え注入があったらなぁ~。」
瞬「いい加減にしろ・・・!お前は今から、秋葉原にでも行け!」