‐Great‐ 2012年の思い出








しばらく経ち、チェリィ登場の一件がようやく落ち着いた一同は談笑に花を咲かせていた。



志真「じゃあ、年末恒例の一年の振り返りをやるか。2012年って言えば?」
憐太郎「はい!ロンドンオリンピック!」
穂野香「あっちゃんの卒業!」
ジュリア『スギちゃん!』
験司「スカイツリー完成だろ。」
瞬「山中教授による、iPS細胞での生物学賞受賞以外に何がある。」
験司「お前、茶々入れんな!小難しい事を言えばいいと思いやがって!」
蛍「もう、験司!年末なのに瞬特佐にいちゃもん付けないの!」
歩「ロンドンと言えば、映画けいおん!」
蛍「歩もいい加減、そこから離れる!」
丈「名作はいつまでも色褪せないな!歩!だが、2012年は特撮ヒーロー映画尽くしだった事の方が重要だ!」
憐太郎「春はスーパーヒーロー大戦にウルトラマン、夏は仮面ライダー&スーパー戦隊、秋はギャバン、冬はMOVIE大戦にバイラス・・・凄い年でしたね!」
志真「しかもほぼ、東映の作品だしな。大変だったと思うけど、ヒーロー好きにはいい年だったぜ。でも、海外ゴジラの新作は結局無かったし、見たかったなぁ・・・」
瞬「有耶無耶になったと言えば、竹島・尖閣諸島問題だ。」
蓮浦「中国・韓国の一方的な反発とは言え、この問題は早期に解決しないといけませんね。」
隼薙「おいおい、楽しい話題してんのによ・・・」
志真「瞬は中国人と日本人のハーフだから、余計この問題は気になるんだよ。海外問題って言えば、ジャーナリストの山本美香さんが撃たれて亡くなったのはショックだったな・・・」
遥「瞬さんはこの問題を、どう思いますか?」
瞬「非常に恥ずべき事だ。尖閣諸島も竹島も明確な日本の領土である事は、歴史が証明している。奴らは地下資源や領海が欲しいだけだ。だが、日本も誇りがあるのなら強気に応じるべきだ。今の及び腰の対応では、いつまでも解決しない。」
亨平「俺も同感だ。気持ちで負けていては、相手の思うがまま。確かな証拠もある以上は、相手を説き伏せる勢いを持って臨まなければ。」

樹――やっぱり、似てるなぁ。父さんと瞬さんって。

遥「そうですか・・・やはり、平和的に解決は出来ないのでしょうか。私達日本人は、中国や韓国の人達と仲良くしたくないわけではありませんのに・・・」
瞬「穏便に解決するに越した事はない。俺達は、戦争をしてまで沈静化する気は無いのだからな。」
亨平「君のような人間がもっといてくれれば、こんな問題にはならないのだがな・・・」
志真「ラブ&ピースの精神だよな、遥ちゃん。」
樹「きっとその思いは叶うと、ボクは信じてますよ。ひう、遥・・・さん。」
遥「ありがとう、樹君。それに皆さん。私、来年は更に世界が平和に近づく事を願っています。」

志真――・・・んっ?
樹君って、まさか・・・



隼薙「まっ、重い話題も刺したって事で、次は楽しい話題にしよ・・・」
亨平「うむ、民主党の大敗は忘れてはならないな。」
瞬「アメリカではオバマ大統領が再選した事を考えると、対照的だ。しかし、一度逸見一佐とはしっかり話してみたいと思っていたが・・・ここまで気が合うとはな。」
亨平「俺もだ・・・おっと、特佐なのに敬語を忘れていましたな。失敬。」
瞬「構わない。年齢や人生経験は逸見一佐が上だ。それに今はプライベート、俺は立場や身分を捨てて接したい。」
亨平「そうか・・・なら、俺もそれに従わせて貰おうか。瞬殿。」
瞬「ふっ・・・」

隼薙――なんか、お堅い男同士で意気投合してるし・・・ほっとこ。



紀子「ぴかぴかぴかりん・・・」
歩「ジャンケン、ポン!・・・うっ、負けた・・・」
紀子「ぴかりんジャンケンなら、歩さんはチョキで来ると思って正解ね。じゃあ、私の番。変化球な話題として『エヴァQ』とか。」
歩「そうそう、それだよ!紀子ちゃん!」
首藤「お前はいちいちアニメの話題に入ってくんなぁ!」
憐太郎「『破』から3年も待たされたしね。完結編、本当に来年に上映してくれるのかな・・・?」
紀子「完結編、わたし気になります。」
歩「僕も・・・」
首藤「言わせねぇよぉ!つぅか、守田も頼むから歩を煽るな!」
引田「そういえば、その『エヴァQ』に岸田さんみたいな新キャラが出てたわね。」
岸田「呼びました?深紗さん?」
首藤「おれもびっくりしたぜぇ。興奮すると関西弁になる所とか、お前にそっくりだったなぁ。」
岸田「あぁ!あのキャラの事やな!僕もなんか、他人に見えなかったですよ!名前もびっくり、なにせ・・・」
引田「岸田さん、それ以上のネタバレはめっ!」
岸田「ひ!」
引田「いい、岸田さん。世の中には言っても問題は無いネタバレと、言ってはいけないネタバレがあるの。『エヴァQ』を観たなら、分かるわね?」
岸田「わ、分かりましたから許してヒヤシンス!」
紀子「・・・ゆっこ?」
首藤「・・・なぁ、能登沢?守田もまさか、アニメオタクなのか?」
憐太郎「本人はまだまだって否定してますけど、今年のアニメはほとんど見てましたね・・・観に行った映画もアニメ映画ばかりでしたし。」
首藤「そんな素振り無かったし、それは知らなかったぜぇ・・・」
紀子「日常って言えば、NHKで再放送した時は驚いたな。でも、これで一般の人達から再評価されて良かった。『氷菓』も『中二病』も面白かったし、やっぱり京アニに外れはないわね。」
憐太郎「・・・あの通りです、首藤さん。」
首藤「なるほどなぁ・・・」

――がっつり超アニオタじゃねぇかよ・・・この、オタクカップルがっ!



ジュリア『ジュリアってワイルドだから、いちごケーキのいちごだけぜんぶたべてやったぜぇ~!』
チェリィ『えっ!そんなことしちゃったのデスか!?』
ジュリア『・・・あとでおこられたぜぇ~。ワイルドだろ~?』
チェリィ『そんなのあたりまえデスよ。だけど、ジュリアもなかなかワイルドデスね~!』
ジュリア『えへへ、でしょ~!あたりまえ~!あたりまえ~!あたりまえたいそ~う!』
チェリィ『またへんなポーズしてるデス!ジュリア、おもしろいデス!』



弦義「あの時の事か・・・ジュリアが本当に屋敷中のケーキの苺を食べていたのを見た時は、テレビの試聴を禁止しようと本気で考えたな・・・」
隼薙「苺の無いケーキなんざ、ただの甘いパンじゃねぇか。しかしお前、親みたいな事言うな?」
弦義「伊達に幼なじみと使用人を兼ねていないのでな。ジュリアの事は、俺が必ず守る。」
隼薙「そんなに過保護じゃ、反抗期が来たらあの子に嫌われちゃうぜ?まぁ、俺も人の事は言えねぇけどな。」
弦義「あいにく、俺はシスコンとやらになる気はない。」
隼薙「んだとっ!」
弦義「しかし、俺とお前は巫子を『守る』と言う所はどうやら似た物同士らしいな。性格は正反対だが。」
隼薙「俺は風のように軽い男なんでな。まぁ、穂野香に手を出した奴は台風みたいにぶっ飛ばしてやるけどよ。」
弦義「・・・同感だ。」



パレッタ『こっちの隼薙君と弦義君も、仲良しになったね~。やっぱり、これって運命なのかな♪』
験司「そういやお前、さっきからあいつらの反応を見て楽しんでるだけだな?一緒に混ざらねぇのか?」
パレッタ『あたしだって、こうやって見てるだけでも楽しいんだよ?黄龍事件の時も、基本的に静観してたしね☆』
蛍「それにしては引田に絡んでいたり、怪獣や円盤を召喚したりして活躍してた気がするけれど。」
パレッタ『まっ、あたしはチェリィがみんなと楽しんでくれてたらいいんだ!ジュリアちゃんとも友達になれたみたいだし♪けどけど、トゲトゲ君がいいならあたしも混ざっちゃおっかな!レッツ、ゴー!カム、ウィズ、ミ~!』
験司「だから、お前はそのトゲトゲ君って呼び方を・・・行っちまった。」
蛍「いいじゃない。年末なんだから、マイペースにいきましょ。私達もね、験司。」
験司「おい、蛍・・・ったく、ほんとに仕方ねぇやつらだな。」
3/5ページ
好釦