‐Going‐ 11月3日の祝誕祭
夜7時、シネパトス2窓口前。
紀子「ゴジラ誕生祭2012、終わったわね。まだこれからガンヘッド上映会があるけど・・・それでも十分楽しめたわ。」
穂野香「GFW、かっこいい男達と演出ばかりで前から好きだったけど、大画面で見たらもう最高っ!」
樹「それぞれの登場人物が自立した強さがあるし、話のテンポもスピーディーだから、ボクは人間ドラマは言われる程気にならないなぁ。」
ジュリア『マンダ、かっこよかった~!わたしのマンダとそっくりだったね~。でも、すぐやられちゃった・・・どうして?』
紀子「それはね、ヘドラも同じなの。昔ゴジラと戦った時は本当に強かったのよ。ガイガンもだけど・・・なのに、カマキラスだけ変に強そうに見えてたのって、おかしくない?」
ジュリア『そう・・・なの?』
穂野香「だから、淡々と純粋な子に言う事じゃないわよ、紀子・・・」
樹「これって、デジャヴ?よく考えたらそもそもマンダ、ゴジラと戦ってないからね。この一戦は、見たかったかな。」
ジュリア『うん!でも、かいじゅうがいっぱい出て来たし、みゅーたんとさんもすごかったし、わたしすっごくたのしかったよ!ゴジラもかっこいいけど、ミニラもかわいかったよね!』
穂野香「そうそう!難しい事は考えずに、豪快な映像を楽しめばいいの!私的には、洋画やアニメみたいな感じの所があったのもツボかな~。」
樹「平成作品の中でも、ゴジラが強く描かれてたのも良かったよね。GFWは怪獣メモリアル映画じゃなくてゴジラ映画だ、って言う北村龍平監督の言葉もあるし。」
紀子「それでいて型破りな斬新な作風。でも最後は平和的な終わり方で、私はゴジラシリーズの中でもすごく好きなラスト。」
穂野香「ゴジラ誕生祭も終わりって事で、次のガンヘッド上映会も楽しみね!」
樹――・・・そういえば、隣が結構凄い行列になってる。
時間が時間だから、かな?
ジュリア『あれ、どれーさんにいっぱい人がきてるね!あそこにいる人もどれ・・・』
樹「し、しまった!」
穂野香「わ、分かったから私達も早く買い出しに行かないと!ジュリアも行くわよ!」
ジュリア『もう!なんでわたしだけいじわるするの!』
紀子「15歳になったら、見ても大丈夫だからね。でも出来れば昼間に見たりとか、誰か人がいる時に見るのは駄目よ。」
穂野香「紀子も余計な入れ知恵しない!」
樹――さっきの川北紘一監督のトークショーの時、ジュリアに「奴隷」の言葉を教えないといけない状況になったからなぁ。
まさか川北監督が出て来るや、隣のあの映画をネタにするなんて・・・
それに乗っちゃう、キャストの人もだけど。
夕方6時35分、シネパトス2館内・・・
ジュリア――ねぇ、「どれー」ってどういういみなの?
かんとくのおじさんが言ってたとなりのえいがって、ほのかたちがわたしだけいじわるしたやつだよね?
穂野香――えっ!?
えっと、それは・・・
樹――監督もキャストの人も、なんて余計な事を・・・
紀子――・・・「奴隷」って言うのはね、何でも言う事を聞いちゃう人の事なの。
ほら、ここにいる人達はゴジラが好きだから、ゴジラの為にわざわざ遠路はるばる北海道から来たりするの。
あの人が言ってた「我々はゴジラの奴隷」って、そう言う意味よ。
穂野香――ちょ、ちょっと!何言ってんのよ、紀子!
ジュリア――そうなんだ~!
じゃあ、わたしのおうちにいるしようにんもつるぎもマンダも、みんなわたしの「どれー」だね!
穂野香――こ、こら!ジュリア!
紀子――でも、この言葉はあまりよくない言葉だから、人前で使ったら駄目よ。
パパとママと、弦義って人に怒られたくなかったらね。
ジュリア――うん。
樹――・・・本当に申し訳ありません。
ジュリアのお父さんにお母さん、それから屋敷の皆さん・・・
樹「・・・おかげでその後の小林夕岐子さんのトークが全然、頭に入って来なかったよ。イベントが終わったら、ほんとに謝らないと。」
穂野香「と言うか、悪乗りする紀子も紀子よ!」
紀子「冗談よ。もう余計な事はしないから・・・ほら、ジュリア。あそこに作者?の人達がいるよ。」
ジュリア『ほんとだ!あれ?また女の人が1人ふえてる!』
樹「いつ知り合ったんだろ。ここまで来ると、旅行に来てるみたいだね。朝からいたあの女の人、旅行鞄持ってるし。」
紀子「・・・その人も入れた、後ろに並んでる女の人3人組、ここで別れるみたい。」
ジュリア『えっ!?』
穂野香「ガンヘッド上映会には参加しないのね。まっ、ゴジラ誕生祭だけでもだいぶ体力使ったし、遠くから来てるなら帰りの時間もあるし。」
樹「あの人達が、一番残念そうにしてるしね。」
紀子「じゃあここに残るのは、アメフトの人に鎧モスラのピンバッチの人・・・それから作者?の3人ね。」
ジュリア『お別れはさみしいけど・・・また、ぜったい会えるよ!おつかれさま!』