‐Going‐ 11月3日の祝誕祭






9時45分、銀座シネパトス2館内。



ジュリア『真ん中だ~!のりこ、映画館って広いね!』
紀子「うん。テレビで見るのと全然違うから、楽しみにしてて。」


穂野香――あれから結局入場まで30分くらいかかって、ジュリアの興味を逸らすのに大変だったわ・・・


樹「ポスターもM.Artsも、すごくかっこよかったなぁ。やっぱり、『VS』シリーズのイラストポスターは至高だね。」
紀子「もしレンが見たら、きっと全部欲しくなるわね。」
穂野香「お兄ちゃんもああ言うの好きだし、同じ事言ってるかも。展示物って言えば、『ガンヘッド』ってどうなんだろ?ぱっと見は男らしい感じで、私好みなんだけど・・・」
樹「ボクも気になる。」
紀子「レンも見た事無いって言ってたし、これは見てみないと分からないわね。」
ジュリア『あっ!あそこにいるあめふとにいちゃん、しらない女の人と話してるよ!』
穂野香「ほんとだ・・・あの人、さっきまでいなかったわよね?」
樹「ここで待ち合わせしてたのかな。」
紀子「どんな話してるんだろ・・・」





昼12時半、シネパトス2窓口前。



樹「『怪獣総進撃』、面白かった。画質も綺麗だったし、やっぱり映画はスクリーンで見るに限るよ。」
紀子「佐原健二さん、すごく貫禄ある人だったわね。」
樹「この後の二作品にも出てるし、東宝特撮には欠かせない人だね。」
ジュリア『マンダ、かわいかった~!へびみたいだったね~。でも、どうしてキングギドラとたたかってた時にいなかったの?』
紀子「それはね、マンダにも色々事情があるからなの。バランとバラゴンもいなかったし、モスラは別にしてラドンとクモンガも最初くらいしか戦ってないわ。」
ジュリア『そういえば、そうだね。さぼっちゃだめなのに!』
穂野香「淡々と言うわね、紀子・・・でも、バランがほぼ出てなかったのがちょっとなぁ・・・」
樹「バランは地味に、冒頭の管制室の監視画面にも出てるよ。」
紀子「司会の円山さんも言ってたけど、集合シーンの時に端に立っていたのは、せめてもの情けかな。」
穂野香「けど、マンダとバラゴンはミレニアムシリーズでちゃんと出れたのに、バランだけ・・・まっ、とりあえず時間も迫ってるし、気を取り直して買い出しに行くわよ!」





12時40分、シネパトス付近・ローソン前。



穂野香「中々気軽に寄れる店がなかったけど、ローソンがあって助かった~!」
ジュリア『からあげクン、いただきます♪』
紀子「・・・氷菓のレシートキャンペーン、逃さないようにしないと。」
樹「あっ、またあの人達だ。」
穂野香「さっきの女の人も一緒に歩いてるわね。結構大所帯になってる。」
ジュリア『みんな、めがねかけてる~。』
樹「それに会話を聞いてたら、お互いに敬語で話してる。同い年同士じゃ、無さそうなのに。」
紀子「きっと、インターネットで知り合った人達なのよ。オフ会を兼ねてイベントに参加してるのかも。」
穂野香「へぇ、そうなんだ・・・でも、ゴジラが好きなのがきっかけで知り合うって、いい感じ!」
ジュリア『じゃあ、わたしたち「巫子」とおなじだね!すんでるところはばらばらだったけど、しまおにぃちゃんたちがつれてきてくれて、そこからなかよしになったもん!』
穂野香「うんうん!そうよね、ジュリア!人類みな兄弟っ!!」
樹「えっと、穂野香。それ、パレッタさん?」
紀子「インターネットって最近悪い点ばかり目立ってるけど、本当はそういう知らない人との交流が魅力だからね。」
樹「偶然なのか、必然なのかは分からないけど、場所や年齢を超えた出会いに感謝だね。もちろん、ボク達巫子の出会いも。」
ジュリア『うんっ!
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好釦