‐Going‐ 11月3日の祝誕祭
2012年・11月3日、朝8時。
東京都・有楽町付近。
穂野香「さ~て!今日は目一杯楽しむわよ!」
紀子「・・・ゴジラ誕生祭に、ガンヘッド再起動上映会。」
樹「こういうのって初めて参加するから、わくわくするなぁ。」
ジュリア『そうだね~!それにしても、とーきょーってほんとにおっきいな~!』
紀子「そうね。9時までに銀座シネパトスに行かないと駄目だけど、それまで観光を楽しもうね、ジュリア。」
穂野香「そういえば、紀子。本当にレンは来ないの?」
紀子「うん。すごく行きたがってたんだけど、バイラスシリーズ最新作の公開試写会の日と被ったから、泣く泣く諦めたの。」
樹「憐太郎はゴジラより、バイラスを選んだんだね。らしいと言えば、らしいけど。」
ジュリア『今日はほのかといつきも来てるのにね?でも、バイラスも早くみたいな~。』
穂野香「それぞれ事情があるのね。事情って言えば、ジュリアはガンヘッド上映会まで参加するって言ってたけど、本当に大丈夫なの?」
樹「1日かけて、家の人達を説得したんだっけ。」
ジュリア『うん!つるぎもいっしょにパパとママにいってくれたし、おうちのヘリコプターをつかうならいいって。』
紀子「だからさっき合流した時、ヘリコプターで来てたのね・・・」
樹「それが条件、って事みたいだけど・・・」
穂野香「流石は元貴族の家系・・・」
8時8分、日比谷シャンテ・ゴジラ像前。
穂野香「そうこうしている間に、やって来ましたゴジラ像!」
ジュリア『わぁ~!ゴジラ、かっこいい!あっ!あそこに足あともあるよ!』
樹「この足跡、有名な人達ばかりだなぁ。」
紀子「『あのゴジラが、最後の一匹だと思えない。』名言ね。」
樹「さっき、ここで男の人が女の人2人を写真に撮ってたけど、あの人達もゴジラ誕生祭に来るのかな。」
穂野香「きっと来るわよ。ゴジラファンの女性人口がまた増えて、嬉しいわね。」
紀子「どことなく、そんな感じの雰囲気も出してたし。」
ジュリア『あの男の人、さくしゃさんだったしね~。』
紀子・樹・穂野香「「「さ、作者?」」」
朝8時50分、銀座シネパトス窓口。
ジュリア『ついた~!』
穂野香「うわっ、すごい人・・・」
樹「前の方にいる人は、当日券を買いに来た人かな。」
紀子「ぴあの予約チケットが1日で無くなったし、窓口の方も数日前に完売したって話だし、きっとそうね。」
穂野香「ジュリアの家の人が素早く取ってくれて、助かった・・・あっ、さっきゴジラ像にいた人達がいる!」
紀子「やっぱり・・・でも、今は最前列にいる大きめの男の人と話してるみたい。」
樹「もしかして、アメフトやってる人かな?ボクの近所にも、あんな感じのアメフト部の人がいるんだ。」
ジュリア『じゃあ、あめふとにいちゃんだね~!』
穂野香「あの人達も気になるけど・・・私達も早く並ばないと!」
紀子「そんなに急がなくてもチケットはあるし、入る順番が変わるくらいじゃない?」
樹「でも色々展示物もあるみたいだし、ボクは出来ればじっくり見たいな。」
穂野香「そうそう!余裕を作る為にも早く並んで・・・」
ジュリア『・・・ねぇ、あれなんてよむの?』
樹「えっ?隣でしてる映画の事?それなら・・・!?」
樹・紀子・穂野香――わ、「私の奴隷になりなさい」!?
ジュリア『あれ?いつきものりこも、ほのかも分からない?それにしてもへんなポスターだよね。女の人がおぱんつ出して・・・』
穂野香「わ~っ!!分かったからジュリアはこれ以上見ちゃ駄目!」
ジュリア『え~っ!なんで目かくしするの~っ!』
紀子「それは・・・ジュリアが見るにはまだ早いからよ。とにかく、隣はもう絶対に気にしないでね。」
樹「そ、それに、『子供は見ちゃ駄目!』って下に書いてあるし・・・」
ジュリア『そんな~!みんなでわたしだけいじわるして、ひど~い!』
穂野香「あっ、ほら!もう少しで入場が始まるみたいよ!もうすぐマンダに会えるから、ねっ!」
ジュリア『う~ん・・・』
紀子――それにしても、今日に限っていかがわしい映画が隣でしてるなんて・・・ジュリア、連れて来ない方が良かったかな?
樹――・・・目のやり所に困るなぁ。
別の意味でドキドキしちゃうよ・・・