くる年!




岸田「・・・ああっ!!」



小さな住宅地が変に騒がしくなって来た中、ざわめきを裂いて岸田の声が響く。



験司「おい、うるせぇぞ岸田!」
岸田「だ、だって、もうあと20秒でこの年終わってまうんやで!」
憐太郎「え、ええっ!」
志真「うわ、ほんとだ!」
健「は、早くカウントダウンだ!」
岸田「じゅ、17!」
首藤「16!」
みどり「15っ!」
引田「14!」
遥「13!」
将治「じ、12!」
蓮浦「11。」
角歩「10!」
角丈「じ・・・9!」
蛍「8!」
験司「7!」
睦海「6!」
瞬「5・・・」
紀子「4!」
憐太郎「3!」
健「2ーっ!!」
志真「1!」
一同「「「ゼ・・・」」」



ヴォウァァァァォォオン・・・!



こうしてカウントダウンは意外な形で終了し、新たな年を迎えたのだった。
しかし、一同の表情は何故か暗く、誰もが下を向いている。



一同「「「・・・」」」



グォウウウウウ・・・?



一同「「「・・・ガメラー!!」」」



グァヴウゥゥゥン・・・



一同からの非難を受けたガメラは慌てて頭と手を甲羅にしまい、円盤回転をしながら何処かへ飛んで行ってしまった。



紀子「何だか・・・急に気力が抜けちゃったわね・・・」
憐太郎「酷いよ、酷過ぎるよ、ガメラ・・・」
健「はぁ・・・何にもしたくねぇ。」
志真「まぁ、とりあえずハッピーニューイヤーって事で・・・んっ?」



辺りの家と裏腹に、この場にいる誰もが絶望感に包まれる中、志真はふとずっと気に止めてもいなかった、集合場所である家を見る。
家の戸はいつの間にか開いており、玄関いっぱいに貼られている和紙には、何か文字が書かれていた。
これを書いた主こそが、今回彼らを様々な方法で呼び出した「何者か」の正体であり、この家はその「何者か」の実家。
そしてこの和紙に書かれた内容を見て貰うのが、今回彼らが呼び出された目的であった。



『謹賀新年!
今年の抱負は、「変」!

作者』




一同「「「・・・えっ?」」」






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好釦