アメリカの空~2人の空戦~ +Passport





おまけ①


今、志真と遥はアメリカ国内の空港に来ていた。月からゴジラとチャイルドが「W‐GⅦ」で帰還した事もあり、いよいよ日本へ帰るのだ。



最初は行きと同様、ゴジラとモスラに乗って日本へ帰ろうとした志真と遥だが、イースとウェイスの計らいにより飛行機で帰る事になったのだ。



『そう言えば二人共、パスポートは持って来ていますね?』
「はい。行きはゴジラに乗ってきたとは言え、一応外国に来ているので。」
『よかった。パスポートが無ければ出国できませんからね。』
『ハルカとシマは帰国したら何をするんだ?』
「ギドラとの戦闘で入院した自衛隊の人の退院祝いを開く予定です。」



雑談をしながら搭乗口まで向かう4人。



「イースさん、ウェイスさん、・・・お世話になりました。」
『気にすんなシマ。ワケの分からねぇ宇宙怪獣に地球が滅ぼされちゃ堪ったモンじゃないからな。』



搭乗口近く。軍服のイースと何故か私服のウェイスに見送られる志真と遥。
別れ際に遥は気になっていた疑問をウェイスにぶつけた。



「あ、ウェイスさん。最後に良いですか?」
『おう?』
「何で今日は私服なんですか?」
『それはだな・・・』



ウェイスはニヤつきながら勿体振り、答えた。



『オレもニッポンへ行くからだ!』
「え?」
「本当ですか!」
『貴様、何を言っているんだ?』



これに驚く志真と遥。しかし彼ら以上に驚いていたのはイースだった。



『止めるなイース、オレは既に休暇願いを出して飛行機のチケットも取ってあるんだ。』
『・・・』
『オレのヤマトナデシコへの想い・・・お前ごときには止められない!』
『・・・貴様のような輩を・・・日本へは行かせん!』



そう言ったイースはウェイスの腹を1発殴り、怯んだ隙に彼のポケットからパスポートを奪った。



『二人共、今の内に!』



そう言ったイースはウェイスのパスポートを持ったまま何処かへ走り出してしまった。遅れてそれを追い掛けてゆくウェイス。



「い、行こうか・・・遥ちゃん。」
「・・・良いんでしょうか?」



2人は戸惑いつつも搭乗口に向かい、案内に従って飛行機に乗った。



飛行機内。離陸を告げるアナウンスが流れ、滑走路へ移動を始める飛行機。



窓際に座っていた遥がふと窓を見やると、空港の屋上で敬礼しこちらを見送るイースが見えた。



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好釦