ゴジラ4‐守護神の祈り‐




・・・そして暫し後、モスラの口から光子ネットが発せられた。
糸は真っ直ぐゴジラへ向かって行き、ゴジラの体に直撃した。



「「!!」」



2人が驚く間にもモスラは静止しながら強く羽ばたき、ゴジラに強風を浴びせる。



「やめてモスラ!なんでそんな事をするの!?」
「ゴジラはチャイルドに会いに来ただけなんだ!危害を加えるつもりはない!」
「ゴジラは悪い怪獣じゃ無いんでしょ!?だったら・・・!」



その時、遥のペンダントが強く光った。
モスラが遥と意思疎通を行う合図だ。



「・・・えっ、そんな事が?でも貴方がなんでそんな事・・・ち、力を試す!?」
「力?」
「数日前、モスラが怪獣を倒しに島を出ていった後に瞬さんが来て、小美人さんにゴジラを退治する為にモスラの力を貸して欲しい、と頼んだそうです。」
「瞬・・・あいつ、ふざけんなよ!」
「いえ、この話にはまだ続きがあるんです。モスラは一度は瞬さんの頼みを断ったらしいのですが、それから今日瞬さんの知り合いが返事を聞きに島に来たらしく、その方達は『ゴジラが歩くだけで多くの人が死ぬ、存在が多くの命を奪う』と言う理由で再度ゴジラ討伐を再度頼んだのですが、そうしたらモスラはゴジラが本当に危険かを見極める、と言って頼みを受けたらしいです・・・」
「・・・歩くだけで、人が死ぬ?その存在が命を奪う?ふざけんな・・・ふざけんなぁ!ゴジラが邪魔だからって、嘘をついてんじゃ・・・!」
「・・・いえ、間違いでも無いと思います。」
「遥ちゃんまで何言ってるんだよ!ゴジラは人々の為に戦ってきた!それこそ人間のエゴ・・・」
「そのエゴで、ゴジラは四ヶ月前に怪物となりました。」
「・・・!」



グアアアア・・・



2人の背後ではゴジラが頭をモスラの足で攻撃され、苦しんでいる。



「もう、あの姿にならないと言う保証はありますか?既にゴジラは、いつ世界を滅ぼすか分からない存在なんです。ゴジラが自分の力を制御出来なければ、またあの姿になってしまうかもしれません・・・」
「・・・」
「あくまでモスラの意見ですが、これは事実でもあるんです・・・!」
「・・・ちくしょう、ちくしょう・・・!」
「志真さん・・・」



志真はやり場の無い悔しさをどうする事も出来ず、ただ震える拳を握り締める。
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