ゴジラ4‐守護神の祈り‐
2009年・9月。
南国の島、インファント島に美しい祈りの歌声が響き渡る。
それと同時に、島から巨大な怪獣が飛び立った。
まるで蝶の様な姿をしたその怪獣は、海を越えて何処かへ向かって行く。
カクィオオオオウン・・・
『モスラ、飛び立ったわね。』
『ええ。』
島の中央の大広間では、二人の小さな妖精が話をしていた。
そう、五ヶ月前に起こったラドン事件を解決に導いた守護怪獣・モスラに使える巫女・小美人だ。
『ミンドロの遺跡で何かあった様だけど、一体どうしたのかしら。』
『私達には解らないけれど、モスラは何かを感じていたのは確か。私達はここでモスラの帰りを待ちましょう。』
『そうね・・・』
『『!』』
するとその時、小美人が突如口を閉ざした。
周りの草花にもざわめきが起こる。
「ここが守護神の住む島、インファント島か。」
『『貴方は誰です?』』
何者かの気配を感じた小美人は洞窟の方に振り返った。
そこにいたのは軍服を着た男、自衛隊特別大尉の瞬であった。
「俺の名は瞬庚。少しばかり守護神モスラに用がある。」
『今モスラは居ません。ミンドロの遺跡に行っています。』
『すみませんが、貴方は何故モスラの力を借りようとなされるのですか?』
「おみとおし・・・か。」
瞬は動揺しながら手を額に置き、目を瞑る。
「分かった、単刀直入に言おう。俺はモスラに同じ『怪獣』であるゴジラを倒して貰う為、ここに来た。」