ゴジラ3‐天空の覇者ラドン‐
地上のゴジラとクリムゾンラドンも戦いをやめ、空に現れたモスラを見る。
「モスラ、お願い。力と憎しみ、苦しみと悲しみに囚われた二体を解放してあげて・・・」
するとモスラの翼が七色に光り輝いた。
そのままモスラは大きく翼を羽ばたかせ、光の雨「エターナル・シャワーズ」を放った。
シュアアアアアアア・・・
光は地上に降り注ぎ、みるみる内に炎と放射能を中和していく。
更に雨を浴びたゴジラとクリムゾンラドンにも変化が起こっていた。
なんと、二体の体が溶け出したのだ。
ゴォガアアアアアアオオン・・・
ゴジラは空へ吠える。
しかしその声は苦しみの声では無く、むしろ苦しみから解放された様な声であった。
ディガアアアアアアオン・・・
そしてゴジラの体内から溢れる凄まじい煙が晴れた時、ゴジラは元の体を取り戻していた。
「ゴジラ・・・本当に、よかったな・・・!」
「はい・・・!あっ、志真さん!」
グィドオオオオオン・・・
更に、ラドン兄弟もまた元の姿に戻っていた。
そこにはラドン兄弟の魂だけが存在していたが、3人にははっきりとその姿が見えていた。
グィドオオオオオン・・・
グィドオオオウン・・・
兄弟は安らかな鳴き声を上げると、共に天へ向かって昇って行く。
還るべき、空の彼方へ。
「ラドーーーン!元気でなーーー!!」
「もう貴方達を邪魔するものは無いわ。天国で、安らかに眠って・・・」
――・・・今、俺は何を見ていたんだ。
これは夢なのか、現実なのか・・・
一方、モスラも元の姿「ノーマル」体に戻っていた。
ゴジラは何かの思いを秘めながら空のモスラを見つめ、モスラもまた地上のゴジラを見る。
だがゴジラは特別なにかするわけでもなく、目線を戦闘機に変えて志真の無事を確認すると、海へと去った。
――やっぱり、今回はちょっとだけお前の力になれたぜ。ゴジラ。
「モスラ、これも貴方のお陰よ・・・本当に、ありがとう。」
カクィオオオオウン・・・
モスラもまた、海の彼方の故郷へ飛んで行った。