ゴジラ3‐天空の覇者ラドン‐
グィドゥウウウウウウン・・・
クリムゾンラドンは飛び立ち、戦闘機に突撃しようとした。
しかし、そこに煙の中から出てきた黒い手がクリムゾンラドンの首を絞めた。
ギィゴゥウウウウン・・・
苦しみの声を上げ、クリムゾンラドンは地面に落下する。
「何だ、あれは・・・」
「黒い・・・手・・・」
「見て下さい、煙が晴れていきます!」
やがて煙が晴れ、段々と黒い足、尾、背鰭が見えて来た。
そして煙を振り払い、街を見下ろす様に巨大な黒色の怪獣が姿を現した。
ゴォガアアアアアアオオン・・・
「あれはまさか・・・」
「・・・ゴジラ・・・」
そこにいたのは、確かにゴジラだった。
だが体は以前の倍近い大きさになり、体からは常に煙が噴き出す。
そして冷たい、白い瞳。
それはゴジラであってゴジラでない、ゴジラを超越した・・・まさに『真(トゥルース)・ゴジラ』とも言える存在。
ゴォガアアアアアアオオン・・・
グィドゥウウウウウウン・・・
二体は咆哮を上げ、互いに威嚇しあう。
まず先にクリムゾンラドンが飛び立ち、ゴジラにソニックブームを浴びせる。
ブュウウウウウウウ・・・
しかし、強化されたソニックブームを受けてもゴジラは微動だにしない。
クリムゾンラドンは再度ゴジラに接近してソニックブームを浴びせるが、やはりゴジラには効かない。
更にソニックブームを浴びせようとするクリムゾンラドンに、ゴジラは太い尾をぶつけた。
ゴジラの一撃はラドンを二つに裂いたが、クリムゾンラドンはすぐに再生し、元の姿に戻る。
クリムゾンラドンは飛び立ち、旋回してゴジラへ攻撃しようとする。
するとその時、ゴジラの背鰭が赤く光った。
「背鰭が、赤く光ってる・・・」
バチッ・・・バチバチッ・・・
クリムゾンラドンはウラニウム熱線をゴジラへ発射したが、ゴジラは逆にその熱エネルギーを背鰭へ吸収していく。
そしてゴジラは口から赤色の熱線を打ち出した。
ビィゴオオオオオオン・・・
熱線は真っ直ぐクリムゾンラドンに直撃し、周囲を吹き飛ばす大爆発を起こした。
しかし、またすぐ周りから炎が集まり、クリムゾンラドンは蘇る。
「凄い威力だ・・・普通の時の二倍以上はあるぞ・・・」
「恐らく水爆の放射能を多量に浴び、全身の組織が突然変異した、と言った所か。」
「だから熱線の威力も高いんだな。それに、あんなに恐ろしい姿になったのも・・・」
「はい・・・ですが、ラドンも強力です。朽ちる事の無い、不死身の体を持っています・・・」
「不毛な戦いだ・・・」
二体は激しく取っ組みあった。
互いに高熱を放出し、街を溶かしながら。
ゴジラはクリムゾンラドンに拳を入れ、クリムゾンラドンはゴジラに翼を叩き込む。
が、パワーはゴジラの方が上の様であり、クリムゾンラドンは飛び上がって急降下しながら、今度は足でゴジラの顔を蹴り付けた。
ゴジラはクリムゾンラドンを振り払おうとするが、足蹴りの応酬は止まらない。
少しずつだが、ゴジラは後ろへと下がって行く。
ゴジラは振り向き、クリムゾンラドンに尾をぶつけようとするもかわされ、再び蹴り付けられる。
するとゴジラは背鰭を赤く光らせ、何とかクリムゾンラドンの足を振り払う。
そして向かって来るクリムゾンラドンに再び熱線を発射した。
ギィゴゥウウウウン・・・
悲鳴を上げながらクリムゾンラドンは背後の大阪城に倒れ込んだ。
半分体は消えかけだ。
ゴジラは唸りを上げ、クリムゾンラドンへと向かって行く。
クリムゾンラドンは熱線をゴジラへ発射するが、やはり全く効かない。
ひとまずクリムゾンラドンは大阪城の後ろに隠れ、再び熱線を発射した。
が、やはりゴジラには効かず、ゴジラも大阪城へ並び立った。
ゴォガアアアアアアオオン・・・
ゴジラは大阪城を破壊しながらクリムゾンラドンに迫る。
クリムゾンラドンも翼を羽ばたかせ、ゴジラを後退させようとする。
グィドゥウウウウウウン・・・
ゴォガアアアアアアオオン・・・
二大怪獣の力は凄まじく、大阪城はすぐに砕け散る。
しかし、それでも二体は闘う事を止めない。
「この戦い、決着が付かないぞ・・・」
「このまま、二体が倒れるのを見ているしか無いのかよ・・・こんなにも虚しい闘いを・・・!」