ゴジラ3‐天空の覇者ラドン‐






それから一時間程走り、2人は無事大阪市に到着した。
とりあえず自転車を降りるも、ここまで全力で走って来たからか、かなり息が荒い。



「ふぅ・・・やっと、到着・・・」
「もう、志真さん・・・少しは、加減を考えて・・・走って下さい・・・」
「ごめんごめん・・・しっかし、誰もいないな・・・」
「避難勧告が・・・出ていたと思いますし・・・」



その時、街に凄まじい振動が起こった。
マグニチュード3以上はあるのか、さっき置いた自転車が倒れる。



「うおっと・・・」
「きゃあっ・・・」



地震の振動で遥は地面に倒れかけたが、すかさず志真が遥を支える。



「ふう、大丈夫か?」
「はい、ありがとうございます・・・」
「でも何ださっきの振動は・・・地震か?」
「いえ・・・どうやら違うようです。」



遥は真っ直ぐ大阪湾を見つめ、指差す。
そこにいたのは、あの巨大な火の鳥だった。
遂に鳥は大阪に上陸してしまったのだ。



「あれが、鳥・・・」
「・・・あの鳥は、只の怪獣ではありません。」
「・・・じゃあ、あれは・・・」
「・・・ラドンです。」



グィドゥウウウウウウン・・・



「ラドン・・・信じたくなかったけど、やっぱりあれは・・・」
「私もです・・・しかしそう考えると、まさに小美人さんの言う通りでしたね・・・体の無い、魂だけの存在・・・」
「『残留思念』って所か・・・浮かばれない兄弟の魂が、桜島の炎に宿った・・・『クリムゾンラドン』・・・」



そんな2人を他所に鳥・・・クリムゾンラドンは街を炎で焼き尽していく。
クリムゾンラドンが歩くだけでビルは焼け、地面からは火炎が噴き出す。
更に口から発する「ウラニウム熱線」はいとも簡単にコンクリートの街を溶かしてしまった。






その頃、自衛隊本部ではいつでも部隊が出動出来る体制をとっていた。



「準備完了しました。いつでも出動できます。」
「ご苦労。」
『ほう、準備だけは早いじゃんか。』
「貴様、水爆の件があるから黙っているものの、もしそれが無かったら即刑務所行きだぞ!」
『あいあい。分かってますよ。』
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