ゴジラ3‐天空の覇者ラドン‐






その頃、志真と遥は既に日本に帰国し、京都行きの新幹線の中にいた。



「もうすぐ京都か・・・今更だけどごめんな、無理矢理関わらせて。」
「別にいいですよ。モスラや小美人さんに会えましたし。」
「でも、もうちょっとで遥ちゃんともしばらくお別れか・・・」
「何だか寂しいですね。あっ、でもこれからも志真さんの記事、期待してますよ!」
「えっ、もしかして遥ちゃんのとこ、日東?」
「はい。そうですよ。」
「おおっ!こりゃ凄い偶然・・・!」



志真は間極まったのか、その場で小さくガッツポーズをとる。
そんな志真を見ながら遥は微笑みつつ、不意にペンダントに手を当てた。
するとペンダントが突然光り、今まで明るい表情をしていた遥が突如動転し始めた。



「ど、どうした?」
「すみません、すぐに大阪へ行って下さい!」
「えっ、でもその次が京都だけど・・・」
「お願いします!ペンダントから何かを感じるんです!」
「・・・よし、分かった。」
「・・・申し訳ありません。送って頂く身なのに我が侭を言ってしまって・・・」
「いや、遥ちゃんはペンダントから何かを感じたんだし、だったらそれをうやむやにせずに確かめないとな。」
「・・・私の都合に付き合って頂いて、本当にありがとうございます・・・!」
「最初勝手に付き合わせたのは俺だから、これでおあいこ!それに俺は、遥ちゃんを信じてる。勘ってのは信じるべきだしな!」
「・・・はい!」






同刻、インファント島ではモスラの繭化が始まっていた。



キュピィィィィ・・・



モスラは月光に照らされた空に向かって、口から白い糸を吐いた。
糸は途中で止まってモスラに降りかかり、静かにモスラの体を包んでいく。
それを小美人は美しい歌声で歌いながら見守る。



キュピィィィィ・・・



しばらくしてモスラは光を瞬きながら糸に包まれ、やがてひょうたんにも似た型の繭になった。



『もうすぐですね・・・』
『待っていて下さい。志真さん、遥さん・・・』





一方、四国中を火の海にした鳥は紀伊水道沖を通過していた。
するとその時、鳥の遥か前方に波渋きが立ち、中から黒い怪獣が姿を現した。
ゴジラだ。



ディガアアアアアアオン・・・



既に背びれは青く光っており、臨戦体勢だ。
ゴジラは鳥を睨み付けるなり、即熱線を放った。
熱線は真っ直ぐ鳥に向かい、鳥の左翼に直撃した・・・が、鳥は熱線にびくともせず、更に加速してゴジラを通り抜けた。



グアアアア・・・



そのあまりの高熱にゴジラは後ろに倒れ込み、海に沈んだ。
鳥の方はと言うとゴジラを気にも止めず、彼方へと去って行く。
再び浮上したゴジラはただ悔しそうに鳥を睨み付け、すぐに鳥を追った。
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