ゴジラ3‐天空の覇者ラドン‐







翌日の夜、桜島にまたも異変が起こっていた。
ラドン出現後噴火する事のなかった桜島が、突如噴火活動を再開したのだ。
周辺に人はいなかった為に特別被害は出なかったが、確実に異変は続いていた。



・・・ドゥウウン・・・



と、その時火口から勢いよく火炎が噴き出した。
だが炎は消えず、そのまま桜島の上空に留まりながら燃え続ける。
炎は段々とその形を変え始め、両辺は翼の様に、下部は足の様に、上部は頭の様に変わっていった。
そして激しい閃光が起こったかと思うと、炎はまるで山を貫く様に大きな火の鳥となった。



グィドゥウウウウウウン・・・



鳥は桜島を飛び立った。
それと同時に桜島は大噴火を起こし、また何事もなかったかの如く活動を停止した。
更に桜島の山壁が崩れ、そこから謎の円形の施設が姿を現していた。





「何だと!桜島に巨大な鳥が?」



この出来事はすぐに自衛隊本部に伝わり、本部は前回のラドン戦と同じ宮崎駐屯地へ監視の指示を出した。



「こちらペッカー4。5、6、応答せよ。」
「こちら、ペッカー5、どうぞ。」
「こちら、ペッカー6、どうぞ。」
「前方2000mにターゲットを補足。これから接近し、威嚇射撃を行う。」
「了解、了解。」



戦闘機は三方に散らばって加速し、鳥に近付こうとした。
だが鳥は速く、なかなか距離が縮まらない。



「こちらペッカー5、距離が縮まりません!」
「こちらペッカー6!ターゲットがこちらに接近・・・わああっ!」



一瞬の内に戦闘機が一機、鳥に撃墜された。
鳥は残りの戦闘機を確認し、その向きを変える。



「こちらペッカー5、ターゲットを肉眼で確認!まるで火の鳥の様な姿・・・うわああ!」



またしても一機、戦闘機が鳥に撃墜された。
鳥は残った最後の戦闘機へ向かって行く。



「ペッカー4より本部へ!只今二機撃墜されました!もはや威嚇射撃は必要ありません!ミサイル発射の許可を!」
「・・・ミサイル発射を許可する!」
「了解、了解!安全装置解除!」



乗組員はコクピットのレバーを引き、ミサイル発射の準備をする。



「ミサイル、発し・・・」



だが、戦闘機はミサイルを撃つ間も無く全て撃墜された。





グィドゥウウウウウウン・・・



鳥はそのまま大分を火の海にすると、更に行く先を九州から四国に変え、日本を東へ進む。





愛媛県・宇和島市・・・



「ねえ、何あれ!空が赤く染まってる!」
「うっそ、ほんと!?」
「あっ、ほんとだ!」
「ねっ、空が赤くなって・・・」





高知県・土佐市・・・



「なぁ、でっかい火の鳥がこっちに向かってるそうだぜ。」
「聞いた。未だに感覚がねぇや。」
「そうだよな、まさかって思っちま・・・」
「どうした?」
「あっ、あそこに、と、鳥が・・・」




その後、どちらの街も全て鳥の炎に焼き尽された。
鳥はそのまま徳島県に向かい、生き残った被災者達は四国で唯一無事である香川県へ逃げるしか無かった。
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