ゴジラ3‐天空の覇者ラドン‐
その頃、志真は京都府・京都駅前にいた。
今や近代の建物が立ち並んでいるが、昔ながらの雰囲気が至る所に漂っている。
「おおぉー!ここが古の街、京都か!」
興奮のあまり、さっき怒られた事も忘れ夢中で周りを見渡す志真。
「せっかく来たんだし、色々観光したいな・・・でもお金おいといた方がいいし。はぁ。」
落胆しつつも、志真はポケットから紙を取り出した。
そこにはあらかじめ調べておいた妃羽菜家の電話番号が書いてあった。
志真は慣れた手付きで携帯の番号ボタンを押し、電話をかける。
しかし、そこに流れてきたのは留守電の応答音声だった。
「何だ、留守か・・・」
ひとまず志真はメッセージを残し、電話を切る。
「これからどうしようか・・・とりあえず、適当に時間を潰しとこ。」
志真は軽い足取りで再び京都駅の中へ入って行った。
一方、桜島の上空を青い熱線が貫いた。
そう、兄ラドンを狙ったゴジラの熱線が外れてしまったのだ。
上空に飛び立ってゴジラの熱線をかわした兄ラドンは高速でゴジラに近付き、ソニックブームを浴びせた。
ビュュュュュュウ・・・
猛烈な衝撃波にゴジラは苦しむ。
が、兄ラドンは容赦なくソニックブームをゴジラに浴びせる。
ゴジラは再び熱線を放とうとするも、たえまなく浴びせられるソニックブームに中々集中できない。
ゴジラは極力集中力を保ちつつ、ソニックブームの猛攻に耐える。
そして、背鰭が青く光りきった。
ディガアアアアアアオン・・・
ゴジラは咆吼を上げ、再び熱線を放った。
兄ラドンは旋回して熱線をかわしたが、ゴジラは熱線を動かし、兄ラドンに直撃させた。
ギィゴオオオウン・・・
兄ラドンは熱線の威力にに耐えきれず、地面に墜落した。
ゴジラはまたもう一発熱線を放つが、直撃する寸前に兄ラドンは飛び立ってかわす。
ゴジラは熱線で兄ラドンを追うが、今度ばかりは兄ラドンに当たらない。
更にそのまま兄ラドンはゴジラに接近し、通り過ぎざまにソニックブームを浴びせると、地面に着地した。
ディガアアアアアアオン・・・
グィドオオオオオン・・・
勇ましい雄叫びを上げ、威嚇しあう二体。
火口の弟ラドンも、二体の動向を心配そうに見守っている。
「二体は攻撃を止め、威嚇しあっています。」
「さしずめ、もう戦う力が少ないんだろう。一斉砲撃の準備だ。」