ゴジラ3‐天空の覇者ラドン‐







その頃、桜島ではある異変が起こっていた。
ここ数日、桜島のふもとの辺りから謎の煙が上がっていたのだ。
その煙を吸った者は何故か体中の白血球が破壊され、続々と倒れていった。
そして今日もまた、2人の登山者が煙に餌食になった。
ふもとにある連絡所では登山者仲間が救出を求めて騒いでいる。



「頼む!早く2人を助けてくれよ!」
「申し訳ありません、こちらも何度も救助隊を出しましたが、誰も帰って来ず・・・」
「そんな事を言っている場合じゃないだろ!」
「早く助けないと、死ぬかもしれないのよ!」
「しかし・・・」



その時、ふもとに地響きが鳴り響いた。
連絡所もぐらりと揺れ、机の上に置いてあるペンが落下する。



「わあっ!」
「何だ何だ!?」



連絡所にいた人々は続々と外へ出た。
すると、桜島頂上にいるラドンが叫びを上げながら暴れていた。
地響きを起こしているのはラドンらしいが、どうも様子がおかしい。



ギィゴオオオウン・・・



そう、あの煙は頂上にいたラドンすらも苦しめていたのだ。
しかし、人々はその異変に気付かない。



「なんだ、ラドンか。」
「全く、びっくりしたじゃない。」
「なぁ、でもなんかラドンの様子・・・変じゃないか?」



するとその時、ラドンが苦しみのあまり羽ばたき始めた。
衝撃によって起こる強烈な風がふもとを襲う。



「うわあっ!」
「なんじゃなんじゃ!」
「皆さーん!早く連絡所に入ってくださーい!」



人々は急いで連絡所に戻って行く。
が、遂にラドンは火口を飛び立ってしまった。



グィドオオオオオン・・・



マッハ3ものスピードでラドンは飛ぶ。
その際起こる音速の衝撃「ソニックブーム」は通る全ての物を破壊して行った。
森も、海も、連絡所も。
だがそれでもラドンの苦しみは消えず、そのまま鹿児島市へと向かった。
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