ゴジラ3‐天空の覇者ラドン‐







一方、ハワイ諸島・ネッカー島。
誰もいない筈の真夜中の海岸に、若い男女のグループがいた。



『なぁなぁ、今日は何をするよぅ!』
『そんなの決まってるじゃなーい?』
『暴れるぜっ!』



若者達の手には爆竹や花火が握られていた。
案の定、すぐにそれらは使われる事になる。






『ひゃっはー!』
『どんどん打ち上げるぜぇぇぇ!』



静かなハワイの海岸に、けたたましい異質な音と光が起こる。



『たーまやー!』
『ちょっと、あんたなにそれ?変なの!』
『うっせ!「ニッポン」ではこういう時はこうやって言うんだよ!』
『そういやお前、この前ニッポンへ観光に行ってたみたいだけど、どこ行ったっけ?』
『ええっと・・・あっ、「キョウト」だ!』
『ねぇ、どうだった?』
『すっごくきれいだぜ、あそこ!そういや変なペンダントしたすげぇカワイイ娘もいたなぁ・・・』
『何だ何だ、ノロケてんじゃねぇぜ色男!』
『ヒューヒュー!』
『うるせぇ!そんなん言うんじゃ・・・あっ、ああっ!?』


と、今まで浮かれ顔だった男が突如海を指差し、怯え始めた。
先程とは明らかに様子が違ったが、若者達は意にも返さない。


『どうした?』
『あ、あそこに・・・』
『またお前、ノロけ過ぎておかしくなったんじゃねーのか?』
『ちげぇよ!早く海見てみろよ!』
『ったく、何だよこの・・・!?』



・・・ガアアアアアオン・・・



その時、沖の方向から微かに何かの咆吼が聞こえて来た。
他の若者達にもそれは聞こえ、騒然となる。



『えっ、何?』
『おっ・・・おい!あれ見てみろよ!』
『あっ・・・あれは確かニッポンの「カイジュウ」・・・』



再び鳴き声が響き、今度は若者達の耳にはっきりと聞き取れた。



ディガアアアアアアオン・・・



『ゴ、ゴ・・・「GODZILLA」だああ!』
『嘘、ほんとに!?』
『ほ、本物だ・・・!』



ゴジラは若者達には気付いておらず、沖の辺りをうろついている。



『す、すぐポリに報告するぞ!』
『でもそしたらあたし達絶対捕まるじゃない!』
『そんな事言ってる場合か!俺達死ぬかもしれねぇんだぞ!』



若者達は早々と海岸を去って行った。
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