ゴジラ3‐天空の覇者ラドン‐
「うわあああっ!」
「逃げろー!」
「うえぇーん!うえぇーん!」
2009年・1月。
鹿児島県・鹿児島市にて沢山の人々が慌ただしく逃げ惑っていた。
休火山であるはずの桜島が、突如噴火したのだ。
その被害は近郊の町である鹿児島市にも及んでおり、人々は一時的に隣の町へ避難する事となったのだ。
「ううっ、何で今更桜島が噴火するんだ・・・」
「そんな泣き事言っても始まらんよ!それより早く逃げる!」
「ううっ、俺は何でこんな鬼嫁と結婚したんだ・・・あっ、ああっ!?」
「またあんた今更・・・何だい!」
「あ、あそこ・・・!」
男はいまだ噴火を続ける桜島の火口を指差した。
すると辺り一帯に鳴き声にも似た貫高い音がこだました。
グィドオオオオオン・・・
「なっ、何なの!?」
「怪獣だ!怪獣が火口にいるぞ!」
「何だと!?」
火口には、まるで翼竜のような怪獣がいた。
頭には二本の角が生え、紅の体と百m以上はあろう大きな翼を持ち、嘴はドリルの様に鋭い。
グィドオオオオオン・・・
怪獣は空高く咆哮を上げ、それに呼応するかの様に桜島がその噴炎を上げた。