ゴジラ2‐海底大作戦‐
それからたつは無事格納され、志真と菅は船内に保護された。
「おい瞬、生きて帰って来てやったぜ?」
「何だ、プレシオルに食われて性根を修正しなかったのか?」
「ほんと、お前はそんな事しか言えないのか!こっちはな、船を破壊されそうになりながら博士の代わりに魚雷撃ったんだぞ!」
「まぁまぁ、2人共。志真君がいなかったら、私も諦めたまま海の藻屑になっていたよ。」
「・・・しかし、『一般人の意地と底力』とやらは見せて貰った。」
「へっ・・・」
「それより、命の恩人を見送らなくていいのか?」
「えっ?」
瞬は親指で後ろの窓を指差した。
窓の外にあったのは、ゴジラが海に去ろうとしている光景だった。
「あ、ああっ!もっと早く言えよ!」
志真は転倒しそうになりながら、一目散に部屋を出て行った。
その様子に菅はつい、笑みを漏らす。
「全く、本当に志真君は凄いのか普通なのかが、分からないねぇ。」
「普通でも凄くも無いのでは?」
「それもそうかもねぇ・・・あっ、そうだ。君達はダイオウイカって知ってる?」
「確か、史上最大級の巨大イカでしたか?」
「そう、ただのイカじゃない。ダイオウイカは20mもの大きさを誇るイカなんだ。更に完全な姿のダイオウイカは去年まで全く見付かっていなくてね、その生態は・・・」
菅が瞬達に得意の蘊蓄(うんちく)を話す中、志真はようやく甲板に出ていた。
ゴジラは段々、夕焼けの中へと姿を消して行く。
「ゴジラーー!!今回も、ほんとありがとなーーーーー!!」
志真は大きく手を振りながら、必死に叫んだ。
するとそれに気付いたのか、ゴジラは後ろに振り向くと、志真を見ながら咆哮を上げた。
ディガアアアアアアオン・・・
そしてゴジラは再び夕日に振り返り、海に消えた。
――また、お前に助けられちまったな・・・
でも絶対、次は俺がお前の事を助けるからな!
志真はそう決意し、満足そうな顔付きで船の中へ戻っていった。
第二章・完
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