ゴジラ2‐海底大作戦‐




キィガウウウウウ・・・



怒りの声を上げながら、プレシオルはひたすら頭をたつに打ち据える。



「まずい、あと一撃受けたら・・・」
「諦めません!ゴジラは頑張ったのに、僕達が諦めたら・・・!」


――・・・頼む、来てくれ・・・!



プレシオルはとどめとばかりに、勢い良く頭を叩き付けようとした。
しかしプレシオルの背後から現れた影、それは見紛う事無きゴジラであった。



ディガアアアアアアオン・・・



ゴジラは一気にプレシオルに近付き、背面切りでプレシオルの胴体を背鰭で切り付けた。
プレシオルは怯み、船への攻撃を止める。



「ほ、本当に来ちゃったよ・・・」
「でしょう?」



プレシオルは超音波ブレスを発しようとしたが、ゴジラはすかさず手でプレシオルの口を塞ぐ。
超音波ブレスは発されず、口脇から漏れる程度だった。



グルルルルル・・・



必死にもがくプレシオルだが、ゴジラは決して手を離さない。
そしてそのままゴジラは熱線を発射した。
熱線は至近距離でプレシオルの頭に直撃し、識別器官を完全に破壊されたプレシオルは盲目状態となった。
ゴジラは無抵抗になったプレシオルを抱え、海溝を昇っていく。



「おお、凄い・・・!」
「僕達も追いましょう。」



志真は不慣れな手付きでレバーを動かし、二体を追う。






その頃、さつき内では瞬達がたつからの連絡を待っていた。
だがプレシオルの攻撃で定期連絡が途切れてしまい、隊員達の顔は不安そうだ。



「隊長、かれこれ10分たつからの連絡が来ていません。」
「もし、プレシオルに破壊されていたら・・・」
「その時はもう一機用意した潜水艦『やよい』で俺が行く。」


――・・・博士には生きていて欲しいが、そうなると志真も・・・はぁ。



と、その時。
さつき付近の海面が高く盛り上がった。



「海面、急上昇!」
「来たかプレシオル・・・」
「・・・いや、違うな。」
「えっ?」
「今は、晴天だ。」



隆起は水渋きに変わり、そこからプレシオルが飛び上がったかと思うと、それに追随してゴジラが姿を現した。
既に、背鰭は青く光っている。



「ゴジラ、やはりお前か・・・」



そしてゴジラは空へ舞い上がるプレシオルへ熱線を放った。
海中とは比べ物にならない威力の熱線はそのまま空中のプレシオルに直撃した。



キィアアアアア・・・!



断末魔の叫びを上げ、プレシオルは空中で爆発を遂げた。
残った尾の先と二つの鰭が、海へ落下する。



ディガアアアアアアオン・・・



勝利の雄叫びを上げるゴジラ。
甲板に出た瞬達は、それを黙って見ていた。



「や、やったのでしょうか・・・」
「あの馬鹿ならば、やったと言うだろう。それにプレシオルは駆逐された。目的は達成だ。」
「と、言う事はゴジラは?」
「・・・目的はプレシオルの駆逐だ。」
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