ゴジラ2‐海底大作戦‐






「こちら『たつ』、無事潜水艦を回収しました。」
「よし、帰還せよ。」
「了解。」



それから10分、海上に浮上したたつは救助したきさらぎと共にさつき内のドックに格納された。
ドックには既に瞬や隊員達が集まっており、しばらくして隊員がたつの中から出て来た。



「ご苦労だった。状況を説明してくれ。」
「はい。私が現場へ来た時、既にゴジラと海竜の様な巨大生物が交戦している所でした。」
「やはり、もう一体巨大生物がいたか・・・それで、潜水艦はゴジラの手の中にあったと言うのは本当なのか?」
「間違いありません。」


――何故、怪獣がそんな事を?
ゴジラは一体、何を考えている・・・


「分かった。その潜水艦は何処の所属だ?」
「えっと、潜水艦の名は・・・はっ、これはあの菅博士が所持する潜水艦『きさらぎ』です!」
「何っ!?ならば、博士が乗っているかも知れない。すぐ生死を確かめてくれ。」
「了解。」



隊員はきさらぎの出入口を開けて中に入り、数分して菅を抱えて中から出てきた。
隊員は菅をそっと地面に置き、脈を測る。



「博士はまだ生きているか?」
「はい。意識は失っていますが、脈は動いています。」
「そうか。それなら安心だな。」
「あともう1人、中に乗務員と思われる男がいました。」
「よし、その乗務員もここに連れて来てくれ。」
「了解。」



隊員は再びきさらぎの中に入り、しばらくして乗務員・志真を抱えて出てきた。



「し、志真!?」



思っても見なかった志真との再会に、瞬は驚きを隠せない。
隊員は志真を床に置き、脈を測ろうとするが、すぐ志真は目を覚ました。



「んっ・・・俺は・・・えっ!?」



志真は即座に起き上がり、周りを見渡した。
その反動で隊員は弾き飛ばされ、気絶する。



「俺・・・何でこんな所にいるんだ?確か博士と一緒に日本海溝に行って、怪獣に襲われて・・・って、瞬!またお前か!」
「それはこっちの台詞だ!何故一般人のお前が博士と共に潜水艦に乗っている!」
「取材だ取材!それ以外に理由があるか!」
「全く、よりにもよってお前とまた会うことになるとは・・・」
「相変わらず、お前はムカつく野郎だな!」



隊員達はいきなり繰り広げられた舌戦に、ただ唖然とする。



「あれが噂の?」
「ああ・・・」
「凄い剣幕・・・近寄れないな・・・」
「半年前も、あんな感じだったのか・・・」



そんな隊員達をよそに、2人の舌戦は続く。



「送ってやるからさっさと帰れ!お前といると、ろくな事が無い!」
「人を疫病神みたいに言いやがって!お前こそ、ゴジラにとっちゃ疫病神だ!」
「お前はまだあんな怪獣をかばうのか!」
「あんな怪獣だぁ?ふざけんなよこの石あ・・・」
「うぅん・・・何だかうるさいなぁ・・・」



その激しい口論に、菅も釣られて目を覚ます。



「あっ、博士!」
「おお、志真君か・・・よっこいしょ・・・」



重い瞼で頭を掻き、菅はゆっくりと起き上がった。
この張り詰めた空気に菅のユルさは少々マッチしていなかったが、意に返さず菅は舌戦を一旦止めた志真を見つめる。



「どうやら、助かったみたいだなぁ。よかったよかった・・・んっ、そういえばここは?」
「えー、それは・・・」



志真が言い終わる前に、瞬が話に割って入る。



「博士、ご無事で何よりです。私は自衛隊特別大尉の瞬と申します。お見苦しい所を見せてしまい、申し訳ありません。」


――けっ!博士には態度変えやがって、瞬の野郎・・・
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