ゴジラ8‐大神獣メギラ降臨‐
グアアアア・・・
一方、チャイルドを人質に取られ抵抗出来なくなったゴジラは、ギヴァークから一方的に攻撃を受けていた。
何度も蹴られ、尾で叩かれて全身が傷付いてもなお、ゴジラに反撃する事は許されない。
ンゴォォォォヴ・・・
チャイルドは全身をジタバタとさせながら、口から淡射熱線を吐いてギヴァークに攻撃しようとするが、ギヴァークはチャイルドを掴んだ右手を掲げて熱線を明後日の方向へ逸らし、再びゴジラの腹を何度も何度も蹴り付ける。
ギュウウウン・・・
自分のせいで父が再び危険に晒され、一矢報いる事の出来ない現状にチャイルドは絶望し、弱々しい嘆きの声を漏らす。
ーー・・・諦めんな!チャイルド!
・・・と、その時。
チャイルドの頭の中に、一つの声が聞こえて来た。
ーーもうすぐ俺もそっちへ行く、だから頑張れ!
お前だって立派なゴジラなんだ、お前ならあいつに一発かましてやる事くらいは出来る筈だ!
俺を・・・自分を、信じろ!!
その声にチャイルドの心の中の不安は一気に消え去り、逆に勇気と奮起が湧いて来たチャイルドは、一つの決意をする。
密かに練習していた「奥の手」を、使う事を。
ギュオ・・・ギュオオオオオン!!
そして、チャイルドの全身が青白く光ったかと思うと・・・次の瞬間。
チャイルドから激しい波動のエネルギーが解き放たれ、ギヴァークは弾き飛ばされた。
これこそがチャイルドの「奥の手」、ゴジラの放射波動を元にチャイルドが編み出した「淡射波動」である。
ゴォヴウウウッ・・・
波動に耐えられなかったギヴァークはチャイルドを放し、放り出されたチャイルドはゴジラの前に落下。
ギュウウウ・・・ウウン・・・
全身から波動エネルギーを放つ引き換えに、ゴジラに比べて細胞が未成熟が故に全身にダメージを負ってしまったチャイルドは父へと手を伸ばし、そのまま意識を失う。
ディガアアアアアアオン・・・
ゴジラは再び自らを擲(なげう)ってまで自分を助けた息子を讃えるようにその頭を撫で、激しい怒りにその身を震わせ、背鰭を光らせ拳を握り締めながら立ち上がると、ギヴァークへ熱線を発射。
ゴォォォォォォヴウウウウ・・・
ギヴァークも起き上がって暗黒光線を出すも、発射された直後に熱線は光線とぶつかり、ギヴァークの顔前で爆発を起こす。
更にゴジラは爆煙を裂いての尾でギヴァークの顔を叩き、続けてのショルダータックルでギヴァークを怯ませ、至近距離からの熱線でギヴァークを圧倒。
ギャアアダアアアア・・・
ギヴァークはどうにか跳躍して熱線から逃れ、両腕を上げてゴジラへ殴り掛かろうとするが、それを妨害するかのように空から爆雷が降り注ぐ。
「おいコラ、うちらはアウトオブ眼中かいな?」
「ならば、我ら『悟藤隊』の事を嫌でも思い出させて差し上げましょう?」
「ゴジラちゃーん!今度はアタシ達がお助けするよー!そう言う事だから、ありったけの爆雷もってけドロボー!!」
そう、それはまさにクールダウンが終わったラゴウからの反撃の狼煙であった。
ギヴァークは先程と同じく光線で爆雷を全て撃破するが、それこそがラゴウの・・・雪菜の狙い通りだった。
「やっぱ光線で撃ち落として来たな?やけどボディががら空きや!梶、分かってんな!」
「・・・はい。こいつも、持って行け!!」
梶はゴジラでは無く、ギヴァークの胴体に狙いを定め、メーサー砲を発射。
爆雷の撃破に意識が向いていたギヴァークの胴体を完調の青い稲妻が責め、ゴジラからのダメージが蓄積されたその体を正確に焼いて行く。
「梶さん・・・!」
「僕もいつまでも、分からず屋ではありませんので・・・それにあいつとゴジラだったら、100%あいつを優先しますよ!」
「まさに、常識的に考えて・・・」
「それでよかと!やったれ梶!」
「全く、面倒な若造じゃぞい。世話が焼けるのう?」
苦痛に耐えながらギヴァークは両手をクロスさせてメーサーを受け止めるが、今度はゴジラからの熱線を右脇に受けてしまい、ギヴァークは墜落。
「ようやった、梶!後はみなみに任せい!」
「はい!ありがとうございます!」
「よし、『竜胆』の出力を上げるぞい!」
「了解しました。エネルギー出力・・・98%。『竜骨』・・・問題ありません!」
「ターゲットロック、マルチロックオン・・・いつでもぶっぱOKです、南野氏!」
「分かりました。竜鱗、全解放・・・」
「あんなうらんしい奴、ぼてくりこかすと!あっ、ミサイル斉射するならゴジラにも教えとくね!ゴジラばうったちの言葉、分かるやけんね!」
「ゴジラちゃーん!!今からまたミサイルいっぱい撃つから、チャイルドちゃん連れて海に逃げてー!!」
「・・・発射準備完了です!雪菜艦長!」
「じゃあぶちかませ、みなみ!竜鱗斉射や!」
「雪菜様の為なら、えんやコラぁぁぁぁぁっ!!」
南野がレバーを目一杯回すと共に、ラゴウから120ものミサイルが一斉に発射された。
空を白く染め上げながらミサイルは全てギヴァークへと向かい、ギヴァークは光線で少しでも多くミサイルを破壊しようとするも、ゴジラとラゴウの攻撃、加えてチャイルドの一撃で確実に弱っていた今のギヴァークには四分の一のミサイルも阻止する事は出来ず、無数のミサイルがギヴァークに炸裂。
鍵島が、大爆発で包まれた。
「やったか!?」
「あの、北大路氏?それ最大の失敗フラグな件・・・」
ゴォォォォォォヴウウウウ・・・
風山の言葉通り、激しい爆煙と炎の中でギヴァークはなお五体満足のまま立っていた。
だが全身は焼け焦げ、息も絶え絶えのその様子は見て分かる程の満身創痍であり、ギヴァークは完全に追い詰められていた。
「あいつ、竜鱗斉射を受けてまだやられへんの!?ありえへん・・・!」
「ほんなごと、しぶとい奴か!」
「じゃが、ヤツはもう虫の息じゃぞい!」
「ですが、こちらもまた20分のクールダウンが必要・・・です。」
「くっ、ここまでか・・・!」
「ねーねー、みんなー?あともう一人?忘れてるよー!」
「せやな・・・悔しいけど、トドメ譲ったるわ。やから絶対、あいつぶちのめせ!ゴジラ!!」
雪菜の言葉と共に、五月雨の声を聞いてチャイルドを背中に抱えて即座に海中へ逃れたゴジラが、再び海から現れる。
ディガアアアアアアオン・・・
チャイルドを砂浜に置いたゴジラは背鰭を蒼く激しい光で染めると、高速で体を一回転させ、「ハイパー・スパイラル熱線」を発射。
ゴォォォォォォヴウウウウ・・・!
螺旋を描く極太の熱線がギヴァークを飲み込み、再度鍵島で大爆発が起こった。