ゴジラ8‐大神獣メギラ降臨‐
「ねぇ、せっさん?本当にこのまま攻撃しちゃうの?アタシ実はゴジラちゃん結構好きだから、ちょっと気が引けちゃうかな・・・」
「申し訳ありませんが、わたしも同感・・・です。やはり、他の手段は無い・・・のでしょうか?」
「五月雨隊長に上成隊長、今ならレ・ドームの破壊と言うゴジラ攻撃への大義名分があり、その為にレ・ドームを廃棄前提で今回のテストに使用したのです。逆に言えば、これを逃せば次の機会がいつになるか分からないですし、本テストはゴジラ誘導及び攻撃も目的であると貴女達も納得した上で、参加したのでは?」
「分かっとうけど、ばってん本番なるとばばっちく感じるとね・・・ラドン事件の時も、ゴジラばラドン助けたやん?」
「・・・上成先輩達には申し訳ありませんが、僕は賛成です。あいつがもっと早く来ていれば照日隊長達はああならなかったかもしれないと思うと、八つ当たりなのは分かってますけど・・・!それに生憎ですが寺森先輩、照日隊長より前の『弐番隊』を全滅させたのは、そのラドンですよ?」
「うう、しゃばいか・・・」
「某としてはレ・ドームではラゴウの起動テスト役は役不足だと思うので、ある意味ゴジラは最適役であると思いますよ?・・・実は誤用としての『役不足』の意味で。」
「ワシはゴジラがどうとか言うつもりは無いがの、アイツとどれだけやり合えるかどうかでラゴウの『力』がどれほどなんかが証明される、それは間違い無いと思うぞい?逆にアイツに負けるようじゃ、ラゴウは・・・」
「そや・・・ラゴウでアイツを倒せば、みんなぐうの音も言われへんなる。大ジジの夢も、うちの願いも絶対に叶えるんや・・・!梶!『竜頭光線』や!今こそあんたもやったれ!」
「了解です!見せてやるぞゴジラ・・・お前に、ラゴウの力を!」
「雪菜艦長・・・梶さん・・・」
「『竜頭光線』、発射!」
火山列島では、雪菜の言葉に続けてラゴウの竜の頭の口が開き、中からせり出したパラボラアンテナから青い稲妻のような光線が発射され、ゴジラの胸元に直撃。
グアアアア・・・
青い稲妻はゴジラの皮膚を即座に焼き、飛び散る火花と黒焦げになった細胞片と共にゴジラは悲鳴を上げる。
この光線こそが、ラゴウと共に封印されたマイクロ波を応用した対象焼却兵器・・・「誘導放射によるマイクロ波増幅機」の意を持つ「メーサー」技術を攻撃に転用した「竜頭光線(メーサービーム)」である。
「フフフ・・・貴様は電子レンジに入れられたダイナマイトだ!強力なマイクロ波の中で分解されるがいい!」
「みやこちゃん、多分アニメか特撮だと思うけどその言い回しってなんか元ネタあるの?」
「惜しいですね、五月雨氏。これは漫画版機動戦士Vガン・・・」
「ほっとき、五月雨さん。どうでんよか。」
「風山隊長の発言なので元ネタ云々はともかく、事実ではありますね?」
「メーサー砲・・・つまりはマイクロ波で相手の一点を戦車を溶かす程の超高熱にし、焼却・破裂させる光線・・・もし戦争で使われていれば、どこに隠れようとも人を焼き尽くせる非人道的兵器になった・・・でしょう。」
「じゃあ、なんでアイツは耐えれてるんですか・・・!」
操縦捍を握り、ゴジラに照準を合わせてメーサー砲を発射し続ける梶が焦りの声を呟く通り、ゴジラはメーサー砲を受けながら決して怯まずにラゴウを睨み続けていた。
「ほんとだ、ゴジラちゃん耐えてる!何かカッコイイ・・・」
「やっぱしゴジラはタフとね~。男はああちゃろうといかんめえもん!」
「五月雨隊長も寺森隊長も、何を阿呆な事言ってるんですか!」
「胸部は効き目が悪いんでしょうか?大胸筋バリア的な。なら目だ、耳だ、鼻!!」
「風山さん!冗談でも止めて・・・下さい。」
「アッ、ハイ。」
「つまりはアイツ、見せつけてんのか・・・!僕達人間の兵器なんか怪獣には通用しないって・・・!」
「ほんまやな。しぶといヤツや・・・梶、『竜頭光線』やめ。」
「えっ?ですが悟藤艦長・・・」
「メーサーが効きにくいなら、今度はド派手にぶちかましたる・・・みなみ、『竜鱗斉射』や!」
「了解!梶、雪菜艦長の命令です。今すぐメーサー砲を仕舞いなさい。」
「くっ・・・了解。」
「雪菜、分かっとると思うがミサイルを一斉にかましたら20分はクールダウンが必要じゃ!その間メーサー砲は使えんからの、ミスは許されんぞ!」
「分かっとる!やからこれで決めるで・・・」
メーサー砲が竜頭の中に収納され、身体中から湯気を立てながらゴジラはなおもラゴウを睨み続ける。
ーー・・・ゴジラ!聞こえるか!
その時、ゴジラの脳裏に「結晶」を介した志真の必死な様子の声が聞こえて来た。
ーーゴジラ、その戦艦と戦っちゃ駄目だ!今すぐ逃げろ!
その戦艦はお前を倒して、自分達の・・・人間の力を見せ付ける気だ!
お前がそれと戦うのは、あの戦艦に乗ってる奴らの企み通りなんだ!だから早く逃げて・・・
グルルルル・・・
ーー・・・えっ?
だが、志真の静止にゴジラはある返答を出すと、ゴジラは志真との交感を切る。
日東新聞本社からデスク・潤に知られないように交感を試みていた志真も、つい動揺が隠せない。
「・・・マジかよ・・・!」
「志真さん、ゴジラはなんと?」
「島に逃げたら今度はチャイルドが危ないから、戦わずにラゴウの攻撃から耐えてみせるって・・・」
「そんな・・・!」
「志真、どう言う事だ?何故ゴジラがそんな行動を取ると分かる?」
「えっと、勘です!『怪獣取材の専門家』にしてあいつの名付け役にもなった俺の、勘です!」
「勘?」
「そ、そうです!二年程ですが志真さんと親しくして頂いている私もそう思います!」
「・・・まぁ、お前の長所はその勘だし、ゴジラとも長い付き合いだからな・・・妃羽菜遥君、だったか。君の存在も薄々は知っている。だからこそ君の言葉も信じられる・・・根拠は無いが信用はしているとは、全く不思議だな。」
「私もそう思えます。信じましょう、志真さんを。」
「では、私は瞬さんに連絡を・・・」
『・・・今度は2人か。「神器」を持つ者よ。』
「「!?」」
「上成、『竜胆』の出力を上げるぞい!」
「了解しました・・・エネルギー出力、97%。『竜骨』は問題ありません・・・」
舞台戻って、火山列島。
ラゴウの左右合わせて120にもなる鱗状のミサイル発射口が、前方からドミノ倒しの様に一斉に捲れて行く。
「発射準備、完了!いつでも行けます、雪菜艦長!」
「・・・竜鱗、斉射!」
「雪菜様の為なら、えんやコラぁぁぁぁぁっ!!」
叫びと共に南野は両手で発射レバーを引き、全ての竜鱗からミサイルが放たれた。
数多のミサイルの煙がラゴウを白く覆って行き、ミサイルが快晴の空を銀に染め上げながら、その全てがゴジラへと向かって行く。
ゴジラは空中へ熱線を発射し、軌道を変えてミサイルを連鎖式に破壊して行くが、その倍以上のミサイルが煙を裂いてゴジラに迫る。
ディガアアアアアアオン・・・
キリが無いと判断したゴジラは熱線発射を止め、何故か無数のミサイルを待ち構えるかのような体勢を取ったかと思うと全身を青く光らせ、放射波動を放つ。
全てのミサイルが爆発し、近海が巨大な爆炎に包まれた。
「「うっ・・・」」
「うわっ・・・!」
「うおっ、まぶしっ!」
「爆発おっき過ぎだよー!」
「なんちゅう爆発とね・・・!一旦急上昇すると!」
ラゴウは寺森の運転の元に急上昇し、爆炎と共に起こる爆風を回避した。
「・・・原爆とまではいかんが、これを街でかましたら大空襲並みの被害が出せるぞい・・・」
「それくらいの力はいるやろ。これから他の怪獣共にケンカ売んねんからな・・・みやこ、ゴジラはどや?」
「ちょっと爆発がデカ過ぎて、ゴジラの姿がまだ捕捉出来ませんね。あぼーんされた、もしくはラピュタの雷を撃った時のような感じです。」
「いや、いくら怪獣でもこの爆発の中で生き残れるわけが・・・」
「うーん、でもゴジラちゃんってラドン事件の時に水爆を受け止めてたよね?」
「それにラドン兄弟ば、一度瞬隊にやられたけど桜島の炎の中から蘇ったとね。」
「同じく、何度も復活したバランに・・・形態を自在に変化させるモスラ。常識が通用しない存在、それが怪獣・・・です。」
「その非常識に対抗する為のラゴウなんでしょう!そんなラゴウが負ける事なんて許されへん・・・」