ゴジラ8‐大神獣メギラ降臨‐
時間を進め、一時間後の小笠原諸島・亀岩島近海。
ラゴウが到着し、いよいよ起動テストが始まった。
「起動テスト、開始!」
雪菜の掛け声と共に、亀岩島の林の中に待機していた自衛隊員が「レ・ドーム」・・・カメーバの遠隔操縦機能を起動。
砂浜からカメーバが飛び立ち、ラゴウと同じ高度まで上昇した。
「まずは『竜撃燐砲』、発射!」
「了解!みんなー、撃っちゃってー!」
カメーバは亀岩島の隊員の操縦に従い、ラゴウの周囲を一周しながらミサイルに似た形をした狙撃用のダミーバルーンを、機体下部から配置して行く。
ラゴウもまた五月雨の指示を受け、「竜足」付近に四基備えられた砲台の操縦室に配置された隊員達の操縦により、砲台からショットガンを発射。
ダミーバルーンは瞬時に破壊され、カメーバがラゴウを一周すると共にダミーバルーンは全て破壊された。
「・・・ダミーバルーン、全個破壊を確認。」
「流石はみやこちゃんの『肆番隊』のみんなだねー?照準ロックからの射撃が早すぎだよー。」
「某達『肆番隊』は落ちろカトンボ精神、ですから。ククク・・・」
「それはともかく、『竜撃燐砲』は問題ありませんね?次は『竜鰭爆雷』、発射!」
「了解!さーて、アタシ達『伍番隊』の出番だよー!みんなー、撃てー!」
カメーバはラゴウから距離を取り、再びダミーバルーンを出しながらラゴウを一周し始める。
と、同時にラゴウの甲板の竜の鰭に似た発射口から二十発を超える爆雷が発射され、放射状の軌道を描きながら全弾正確にダミーバルーンに直撃し、派手に爆発。
やはりカメーバがラゴウを一周すると共にダミーバルーンは全滅し、ラゴウを囲むように爆煙が上がる。
「・・・ダミーバルーン、全個破壊を確認。見事です。」
「でしょー?空中で撃つのは初めてだけど、爆雷の扱いなんてアタシ達は演習で慣れまくってるからねー♪」
「やっぱうったちの中で自衛隊員としての経験値がばりばり高い五月雨さんは、言う事が違うけんね!」
「では、このまま『竜尾魚雷』の方もお願いします。『竜尾魚雷』、発射!」
「了解!それじゃあみんなー!魚雷を放てっ!」
五月雨の指示と共にラゴウの尾の魚雷発射口が開き、二十以上もの魚雷が海中に投下。
追尾式魚雷は予め海中に設置されていた水中機雷に向かって行き、こちらも全弾命中。
亀岩島の沖に幾つもの水柱が立った。
「・・・魚雷、全弾命中を確認。テストは順調ですね。」
「それにしても、やっぱり戦艦ってスゴいよねー。演習でこんなに爆雷や魚雷を使うのは初めてだよー?」
「確かに。スケールが違いますね・・・」
「サイズがものを言う、大は小を兼ねる、胸囲の差・・・いつの世も大きい方が正義なんですよ。」
「それ、関係あるとね?」
「コホン!ところで上成隊長、『竜骨』の様子は?」
「92%で安定・・・問題ありません。」
「『竜胆』もマッサージ椅子みたいに安定して稼働しとるぞい。なら、そろそろ切り札かましても構わんぞ!」
「それなら、北大路様の言う通り次は『竜鱗斉射』としましょう。ただその前に、ミサイルの発射テストはしておきますか・・・では、まず『竜鱗斉射』二十発、発射!」
南野が両側の操縦レバーを少し前に向けると、ラゴウの左右の鱗が続々と倒れて行き、そこから二十発のミサイルがカメーバへ向けて発射された。
カメーバはサテライト・スラスターを全開にし、回転飛行でミサイルをジグザグに回避しながら、亀岩島を離れて行く。
ーーもし「アイツ」がこのテストに誘き寄せられたんなら、もうすぐ来る筈や。
確たる証拠はある。きいがくれた、「アイツ」が現れる前後に小笠原諸島近海でレーダーに引っ掛かる、巨大な影のデータ。
何より一年半前、日本に来たメガギラス共が忽然と姿を消したんもこの付近・・・
「・・・雪菜たん艦長、海中レーダーにこちらへと迫る巨大な影を確認しますた。まさか・・・」
「そのまさか、や。本命のおでましやな・・・みなみ、残りのミサイルもじっくりかましたれ!」
「了解!雪菜艦長の、言う通り!」
南野はゆっくりと操縦レバーを倒しきり、前部以外の残りのミサイルが順を経て発射されて行った。
全てのミサイルには追尾機能が付いている筈だが、何故かカメーバを絶妙に掠めながら、近海を爆煙と瀑水で埋め尽くす。
「・・・っ!雪菜艦長、レ・ドームの前方に熱源反応来ましたわ!」
「遂に来よったな・・・!」
と、その時。
ラゴウのミサイルよりも早く、海に立った巨大な水柱から放たれた青い熱線がカメーバを貫き、カメーバは木っ端微塵に破壊された。
そう、表向きは「ラゴウに異常事態が発生した際の安全性の確保及び被害を最小限に抑える為」となっていた、火山列島でのラゴウの起動テストの開催には、もう一つの隠された真の理由があったのだ。
カメーバをスケープゴートにしてまで、雪菜が待っていた本当の目標(ターゲット)、それは・・・
ディガアアアアアアオン・・・
「・・・待ってたで、ゴジラ!」