ゴジラ8‐大神獣メギラ降臨‐




遥のメールは瞬の携帯にも届き、「対獣条約」締結阻止と言う役目を果たせないまま東・西と共に自衛隊本部へ帰還し、訓練を終えた瞬は遥のメールと、その少し後に来た志真とのやり取りのメールを確認する。






To:妃羽菜遥
Sub:突然すみません・・・


もしかしたら、ノアさんが昨日話を聞いた段田さんを消しに来るかもしれません。
結晶を使って直接ノアさんを説得してみましたが、恐らく私の言葉は届きませんでした。
ですがノアさんは迷っています。調査隊の人を消すのも、審判を下すのも。だから私は、絶対にノアさんを止めたいです。
あと、ノアさんから「此の国の古き遺物が目覚める時、大悪獣が現る」と言う最後の予言を聞きました。
これはきっとラゴウが起動する時、先日大阪に現れた怪獣がまた現れる、と言う意味だと思います。
瞬さんも余裕が出来ましたら、志真さんと合流して一緒に段田さんを守って頂ければと思います。どうかお願いします・・・!



To:志真哲平
Sub:Re:突然すみません・・・


ごめん、遥ちゃん。
ついさっきノアが俺と段田さんのところに来て、俺何とか段田さんを守ろうとしたんだけど、結局段田さんは消された。
警察はやっぱり何にもしてくれなかったし、何とか瞬に保護して貰うまでは俺が守ろうと思ったのに・・・ほんとごめん。



To:妃羽菜遥
Sub:Re:Re:突然すみません・・・


そうですか・・・
志真さんは何も悪くありません。むしろ段田さんをどうにか守ろうとして下さいまして、本当にありがとうございます。
ひとまず、続きは瞬さんのお返事が来てからにしましょう。



To:志真哲平
Sub:Re:Re:Re:突然すみません・・・


うん、分かった。瞬、なるべく早く返事くれよな。






「・・・そうか。」
「瞬殿、メールチェックですか?まさか、遥ちゃんとの秘密のやり取りですか!?」
「ばか、人のメールを勝手に見るな!遥嬢との秘密のやり取りなら尚更!ですよね、瞬殿!」
「まぁ、そんな所だ・・・だが、残念ながら今回は志真も混ざっているがな。」
「「なぁ~んだ・・・」」
「それより、そんな下世話な事をしている暇がお前達にあるのか?」
「「いえ、ありません!これにて失礼致します!」」



東西コンビを適当にいなし、瞬は即座に着替えを済ませて本部を去り、メールの返事を打つ。






To:瞬さん
Sub:瞬だ。


返事が遅れた、すまない。
話は聞いた。これはノアが早々に行動に移す事を看過出来ず、早急に対象を保護出来なかった、俺にも責任がある。
今日訓練を入れていなければ、志真の元へ行ったのだが。改めて本当に申し訳ない。
もしラゴウの稼働テストが行われる場合、その影響でテスト当日は訓練中止になる。つまり、俺は自由だ。
何か、俺に出来る事は無いか?



To:遥ちゃん
Sub:では・・・


私、東京へ行って今度こそノアさんを止めます。
予言が確かなら、大阪の怪獣がラゴウの稼働テストが行われる日に現れて、そこにノアさんも「審判」の為に来るはずです。「審判」とは何なのかは分かりませんが、嫌な予感しかしません・・・
私は自分で新幹線で東京に行って志真さんと合流しますので、瞬さんはいつでもむささびで出撃出来るように待機していて下さい。ラゴウと怪獣は必ず戦いになるので、その時に瞬さんとむささびを頼りたいので。
おばあちゃんにはもう話して、許可もお金も貰っています。安心して下さい。



To:志真さん
Sub:Re:では・・・


いや、安心出来ないって!行った事の無い東京に1人で行って、わざわざ危険な目に遇わせるなんてもうすぐ三十路の大人として・・・



・・・って言っても、今の遥ちゃんは聞かないよな?遥ちゃんの意思の強さは俺も瞬も十分分かってるし、ほんとは止めなきゃいけないんだろうけど、これはきっと俺達が集って何とかしないといけない事なんだって気はしてるし、あのおばあちゃんが遥ちゃんだけじゃなくて俺や瞬も信じてくれてるんだから。
多分朝早くの新幹線を予約するだろうし、当日は東京駅に来てくれ。俺、東京駅で待ってるから。



To:瞬
Sub:了解した。


俺も志真と同意見だ。
俺達が集結しなければならない事態である事も、責任ある身として本当は女子高生の単独の東京行きを止めなければならない事も。
何かあれば、手段を問わずに連絡を逐次行う事。それが絶対条件だ。
代わりに有事があれば、1秒でも早く駆け付ける事を約束しよう。
志真、くれぐれも妃羽菜の事を頼んだぞ。



To:志真哲平
Sub:Re:了解した。


ああ!遥ちゃんは俺が絶対に守ってみせる!
これは俺達人間の問題だ、ゴジラ達に頼らずに何とかしようぜ!



To:妃羽菜遥
Sub:ありがとうございます!


お2人共、私の突然で勝手な願いを聞いて下さって、本当にごめんなさい・・・
私も、絶対にノアさんを止めます。私は今度こそ、あの人も救いたい。今の私に出来る事を、精一杯やりきりたい。
改めて、当日はどうかご協力お願いします!






「・・・最初に見た時は志真に似た無謀なだけの女と思っていたが、数々の怪獣との戦いやモスラ達との合流を経て、無謀をもやり遂げる強い意思を持つ者になったと言う事か。妃羽菜・・・ならば俺も、全力を尽くすのみ・・・!」



志真と遥とのメールを終えた瞬は自室で、一冊の本を読んでいた。
今は無き実家の焼け跡から持ち出した、両親が遺した数少ない遺物・・・瞬の母方の祖父である旧日本軍元陸将・一 頼黄の手記だ。



ーー・・・祖父よ、貴方の思いは孫の俺が必ず伝えます。あいつに・・・
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好釦