ゴジラ8‐大神獣メギラ降臨‐
それから一週間も経たずに「対獣条約」は国民投票の段階に入り、数々の怪獣被害や大阪の一件、二年前の「対G条約」の強制可決から「この国は自分達の力で守るべき」と思う者達の思惑もあってか、国民投票は賛成派が僅かに上回り、条約は正式にスピード可決。
ラゴウの起動テストは可決より三日後、小笠原諸島にて行われる事となった。
そして、ラゴウ起動テスト当日の朝。
妃羽菜家の玄関には邪魔にならない程度のリュックを背負った遥と、彼女を見送る佳奈他の姿があった。
「じゃあ、行って来るね。おばあちゃん。」
「はい、行ってらっしゃい。」
「あと・・・私、絶対に目的を果たしてここに帰って来るから、待っててね。」
「うん。あたしはいつだって待ってるから・・・頑張って来なさい。」
「・・・ありがとう。
大好きだよ、おばあちゃん!」
遥は心からの笑顔を佳奈他へと見せると、玄関を出て京都駅へ向かい、佳奈他もまた笑顔で遥の背中を見つめると、そっと玄関の門を閉めた。
「・・・あたしもだよ、遥。
妖精さん。いや・・・守護神様。どうか遥の事を、守って下さいね・・・」
カクィオオオオウン・・・
その頃、インファント島中央の広場はモスラが出した鱗粉に包まれ、神秘的な極彩色の空間と化していた。
モスラは空へ声を上げ、ゆっくりと両羽を羽ばたかせる。
すると羽根から鱗粉とはまた違う、何処か暖かい乳白色の光が溢れ落ち、光はモスラの眼前で楕円形の塊となって、地に沈んで行く。
それと同時に広場を包む鱗粉が消え失せ、大量の生命力を使ったモスラはぐったりと頭と両羽を下げ、側の花畑の中でモスラを見守っていた小美人がモスラに語り掛ける。
『『モスラ・・・』』
『これで貴方は遂に、次へ命を繋いだ・・・』
『けれど、それはつまり・・・』
カクィオオオオウン・・・
『『・・・』』
『分かったわ、モスラ。この事は、遥さんには伝えない。』
『それに貴方なら、どうなろうと神々の「審判」に立ち向かう。』
『『この世界を・・・遥さんを愛し、護る者として。』』
『あの日の遥さんに、志真さんに、瞬さんに結晶を授けたのも・・・』
『貴方が今、次へと命を繋いだのも・・・全ては「この時」に備える為。』
『『これは天に、神々に背く事。でも私達はこれからもずっと、貴方に・・・「守護神」に、永久に使え続ける。それこそが私達の祖、先住民族「エリアス」の三姉妹と「守護神」との、旧き誓いなのだから・・・』』
小美人はモスラを見上げ、モスラもまた小美人を見つめる。
そして小美人は、祝福の歌を広場に響かせるのだった。