ゴジラ8‐大神獣メギラ降臨‐
その頃、志真は愛媛県・馬路市の郊外にいた。
目的は昨晩郊外に現れた、謎の石碑を取材する為である。
「・・・この石碑の絵は、空中都市か?ラピュタみたいな感じだな?まぁメカゴジラを造れたんなら、ラピュタやロボット兵を造れてもおかしくないし、遥ちゃんと言うかモスラが言うにはレグチュアは超古代文明が造ったロボットがオートで動き出して怪獣扱いされたらしいし・・・それで、ここもかつてスタンガが現れた場所だから、怪獣ある所に石碑あり、って仮説には今の所当てはまってるからなぁ・・・」
「あのぅ・・・貴方、日東新聞の志真哲平さんですよね?」
と、志真に話し掛けて来たのは目の下に見て分かる隈のある、やつれた雰囲気の男であった。
「は、はい。そうですが・・・?」
「私は段田と言う者です・・・貴方に話があるのですが、ここでは何なので場所を変えませんか?『怪獣取材の専門家』にして、ギドラ一族襲撃時に突如電波ジャックする形で世界中のテレビに現れた貴方は、意外と噂になる時の人なので・・・」
「そう・・・ですか。」
段田に連れられるままに、志真は石碑から離れる。
その最中に聞き耳を立ててみると、人混みの中から確かに自分の事を噂する複数の声が聞こえた。
ーー・・・あの時はただがむしゃらに世界を救いたかっただけだし、あの後デスクとか潤さんとか先輩達からも色々聞かれたけど・・・俺、意外と有名人なのか?
しばらくして、人気の無い林の中で志真は段田の話を聞き始めた。
「私は二週間前、国連の調査隊の一員として北海道の天地島と言う島の調査をしました。この島には『サンクチュアリ』と呼ばれる自然保護区があるのですが、数ヶ月前より謎の発光現象が観測されており、その調査に向かったのですが・・・そこで私達は光の神殿と、神殿内で鎖に繋がれた巨大な・・・天使のようなモノ、『滅義羅(メギラ)』と名乗る存在を見ました・・・」
「メギラ?」
「信じて貰える事を前提で、話を続けます・・・その後、私達は無我夢中で島から逃げ去ったのですが、神殿から去る前にメギラは『裁きの時、来たり』と言っており、あれから私は眠る度にこの時の出来事と自分がメギラに消される悪夢を見るようになり、ろくに眠れなくなりました・・・
更にあれから他の調査員と続々と連絡が取れなくなり、遂に誰とも連絡が取れなくなりました・・・もし、他の者が既にメギラに消されているのなら・・・私が最後の1人、と言う事になるのです・・・!」
全身を震わせながら語る段田を見て、志真は彼がとても嘘を言っているとは思えずにいた。
「分かりました。私は貴方の言う事を信じます。今の貴方は、怪獣被害に遭った人と同じ様子ですので・・・」
「あ、ありがとうございます・・・!」
「石碑の調査は大体終わりましたし、そろそろ本社に戻ろうかと思っていましたので、私と一緒に東京に行きませんか?そのメギラについて詳しく調べたいですし。」
「では、遠慮なく・・・はぁ、やっと久々にほっと出来た・・・この二週間、ずっと精神を磨り減らす日々だったから・・・」
「そうですか・・・私はそれなりの腕っぷしですが、自衛隊に知り合いがいるので彼に保護して貰えないか相談してみます。まぁ、今は国会で大事な話し合いをしているので今すぐには無理かもしれませんが・・・善処します。」
「重ね重ね、感謝します・・・あっ、それならこれを貴方に。この二週間で私なりにメギラについて調べた事を、まとめたものです。」
少し表情に余裕が出た段田は鞄から手帳を取り出し、志真に手渡す。
「ありがとうございます。帰りの電車の中で、読ませて貰います・・・あっ、遥ちゃんからメールだ。」
志真と段田は東京へ向かう為、市内へと向かって行く・・・が、その背後に一つの人影があった。
『・・・やはり、ここにいたか。最後の罪人よ。』
そしてその夜、約8時間にも渡る特別国会が終了。
「対獣条約」の議院通過及びラゴウの出撃解禁が、正式に認可されたのだった。