ゴジラ8‐大神獣メギラ降臨‐







「なんか、ラゴウとか言う戦艦が出撃出来るようになるみたいだぜ?」
「ヤマトみたいでかっこいいよな~!」
「北アルプスにもクモみたいな怪獣が出て、バランが倒したらしいけどこれからはラゴウが怪獣をやっつけるんかな?」
「ラゴウとゴジラって、どっちが強いのかも気になる~!戦って欲しいよ~!」



「・・・」



京都では、遥が男子達の会話をよそに手芸部の部室へと向かっていた。



ーー・・・ラゴウとゴジラが戦うって事は、ゴジラが人間の敵扱いされたって事なのに・・・どうしてあんな事が言えるんだろう。
私はそんな事になって欲しくないし、瞬さんも志真さんもそうならないように頑張ってる・・・
私には、何が出来るんだろう?



思案しながら、遥が鍵を使って手芸部の部室の扉を開けると・・・



『また会ったな、少女よ。』



部室には、ノアがいた。



「ノ、ノアさん!?どうしてここに!?」
『我に距離は関係無い。御前も分かっている筈だ。』
「瞬間移動、ですね?それは分かっていますけど、いきなり学校の部室で会うとびっくりしますよ・・・それで、今日は何の用事ですか?」
『「神器」に選ばれし御前の事を知りに来た、それだけだ。』
「つまりは会話、ですね?では、今日は私から質問します。貴方は・・・何者なんですか?普通の人間では無い事は分かりますが、別の星からこの星を侵略しに来たような人でも無いのも分かります・・・だからこそ、貴方が何者なのかが分からないんです。」
『我は「神」の使者、「神」の意志を代弁する者。「預言者ノア」は仮初めの姿でしか無い。』
「『神』の使い・・・では神様は、人間に何を望んでいるんですか?」
『現時点では「滅び」。我がこの世に降りたのも人間が我の眠りを覚まし、我の目を通してこの世を、人間を覗いた「神」が滅びを選んだからだ。』
「えっ・・・!?」
『理由は謂わずもがな、だろう?既に御前の脳裏にも、人間が滅ぶべき理由が幾つも想起されている筈だ。』
「・・・はい。正直、今まさに国会で神様から見放されそうな話し合いをしているのに、嫌気が差しているのは事実です・・・ですが・・・それでも、神様の裁きだとしても・・・人間が滅びるべきだとは、思いたくありません。」
『何故に?』
「失いたくない、私にとって必要な大好きな人達が、いっぱいいるからです。それは他の人達だって同じで、それが大量に重なって・・・この世界が、人間が滅びて欲しくないと言う『願い』に繋がっている。私はそう思います。だからもし、貴方が神様に意見が出来るのなら・・・どうか、人間をもう少しだけ信じて下さい・・・!」



遥は頭を深々と下げながら、ノアに懇願する。
ノアは何処か無機質な態度を崩さないまま遥を見ていたが、その眼は僅かに揺れていた。



『・・・我は使者。支えし神に逆らう事は許されない。御前の願いは、届かない。』
「・・・」
『・・・だが、この世が御前のような人間で溢れていたならと、我は思う。』
「ノアさん・・・?」



遥が頭を上げると、既にノアは光と共に部室から姿を消していた。



「・・・いなくなっちゃった。」


ーーノアさんが人間に失望していた事は分かっていたけど、言っている事が本当なら私達人間は、神様にまで見捨てられたのかな・・・?
でも、ノアさんは少しだけ迷っていたように見えた。それに私みたいな人がもっといれば、とも言ってくれた・・・もしかしたら、少しだけの可能性かもしれないけど、神様からの滅びは避けられるかもしれない。
なら私は・・・人間の滅亡も、ノアさんも、どっちも止めたい。私にもきっと、出来る事がある。
この「愛」の結晶に・・・モスラに選ばれた者として。



「あっ、妃羽菜部長!」
「そんな所に突っ立って、何してるんです?」
「と言うか、なんか一瞬光らなかったっすか?」
「えっ?い、いや。ちょっと考え事してだけよ?光はきっと窓からの陽光が強く差しただけじゃないかな?それより、今日の課題だけど・・・」



胸の奥に「願い」への「誓い」を立て、遥は後輩と共に部活動に始めるのだった。
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好釦